■スポンサードリンク
テミスの不確かな法廷
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
テミスの不確かな法廷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サスペンスの要素を持ちながら、ほのぼのとした感じがして大変面白かった。裁判官という厳しい職業に真摯に向き合い自分の正義を貫こうとする主人公の清春。幼い頃の辛い思いや自身の不安定な心に悩む清春。とても愛おしいと感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デビュー作「転がる検事に苔むさず」で第3回警察小説大賞を受賞した作者の単行本第4作。司法の現場で生きる個性的なプロを主人公に、軽めのタッチながら司法の世界の陰影を濃く、味わい深く描くのが得意な作家だ。むごい話は出ない。人の世の哀歓を描こうとする姿勢は一貫している。 今回は発達障害を持つ地方裁判所の若手裁判官が主人公。これまでの作品と同様、愛すべきキャラだ。「定型発達者」の社会が発達障害者を疎外している中で、主人公が持つ「異能(ギフト)」が難事件を解決に導く法廷ミステリー。しかも、法廷を司る立場で「型破り」にならないよう独り苦悩する姿も丁寧に描写している。関係者や資料を綿密に取材してフィクションに落とし込んでいるのは、作者が新聞社に長く務めて身につけた作法だからだろう。 作中の登場人物は少なく、2時間ドラマの原作として映像化しやすい世界観だと思う。作者と同じ宮崎出身の俳優・堺雅人が主人公を演じればピッタリの印象。でもギャラが高いだろうから、演技派の俳優に是非お願いしたい。 「異能の主人公」と記したが、「定型発達者」から見た価値観でしかない。「フツーの人」が人口比で多数を占める社会で、はるかに能力の高い天賦の才(ギフト)を生得している人たちが「生きにくい」と窮屈に感じながら日々を過ごし、思う存分に活躍できていない。そんな社会こそがおかしいのだ。本作が訴えているようにも読み解ける。「ニューロダイバーシティー」という概念がほどなくフツーに浸透すれば、この主人公をトクベツに扱う必要などないのだろう。そうした読後の余韻も残してくれた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
裁判官・清春が自ら抱えるASDやADHAを味方にして成長していく物語。この作者の作品、いつも弱点や苦しみを背負う人への優しいまなざしが底流にある気がします。読むと、人生ってそう捨てたもんじゃないな、って思えてくる。テレビドラマか映画化してもいいんじゃないかと思うんだが・・・コミカルな味わいを生かして千葉雄大さんを清春役とかどうでしょう?! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
発達障害を抱えて育った裁判官安堂。 事件と自分と向き合いながら成長する物語。 法廷物としての内容も整っているので、多少荒唐無稽な展開(キャラクター間の関係性)を補ってあまりある面白さになっています。 都合のよい証人や物証が出てくるような、お気楽な展開はありません。 新米弁護士の法廷でのミスや、それに裁判官や検察官がツッコミを入れるシーンなども、なるほど、と思って興味深かった。 また、個人的には最後のページの、主人公の一言に心を打たれました。 お勧めの一作だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリ小説では珍しい裁判官を主人公に据えた作品。さらに出色なのはその主人公がASDやADHAを抱えていること。 昔は「怠けるな」「もっと真剣に」とたしなめられたこうした障害は、程度の違いはあれど、現代では相当程度の人々が抱えていることがわかっている。本作では、味覚や感覚といった肉体的な実感を通じて、こうした人々が見ている世界を鮮やかに切り取っている。障害を抱えない「定型発達者」に対し、障害を自然と理解させる純文学的な要素をかけあわせた新しいタイプの作品に仕上がっている。 ミステリ小説には不可欠な推理要素についても、この主人公ならではのギフテッドとして発揮されるため、説得力があった。結末時に、主人公は「相棒」を得る。次作ではこの相棒視点のエピソードも読んでみたいと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
それぞれ人生に傷を抱えつつ、地方都市の裁判所で事件と向き合う生身の法曹たちが、物語を読み進めるうち、たまらなくいとおしくなった。 発達障害の特性で生きづらさを抱える裁判官・安堂清春。〈自分に心はないのか〉と問い、懸命にもがき、並外れた記憶力で事件を解決に導く。 「安堂ならどう考えるだろう」「安堂に『大丈夫』と言ってもらいたい」と、いつしか頼っているのだ。 安堂に寄り添う人たちのやさしさも魅力的。映像化されても面白そうな地裁ミステリーだと思った。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!