転がる検事に苔むさず
- 警察小説 (526)
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『転がる検事に苔むさず』は、小学館主催の第3回警察小説大賞受賞作である。著者の直島翔氏は、社会部時代に検察庁などを担当した現役新聞記者である。多くの検事や警察官と接し、様々な事件の真相を追ってきた記者の作品だけあって、捜査や取り調べなどの描写にリアリティ感があり、読み応えのある作品に仕上がっている。文章もはぎれが良く、読みやすい。読み始めたら時間を忘れどんどん先へと読み進めてしまい、あっという間に1冊読み終えてしまっていた。 主人公の久我周平検事は、能力が高く真実を求め真摯に事件に向き合う検事であるが、自分の知らないところで検察の派閥争いに巻き込まれて、人事面では恵まれず出世レースから外され、日の当たらぬ部署へ追いやられてしまう。 同僚である猪突猛進タイプでずけずけと物を言う新米女性検事の倉沢ひとみに対しても、優しい眼差しを向けおおらかな気持ちで接し、彼女を検事として育てようとする久我検事の温かな人間性を伺うことができる。まるで彼女の優しい父親か良き兄貴といったところだろうか。 新米検事の倉沢ひとみと久我検事とのやり取りがなんとも言えず面白い。そして、事件の真相を追っていく中で、二人の絆と信頼関係が次第に深まっていく。 登場する場面が多くはないが、主人公久我検事の妻多香子も、口には出さないが夫の真摯な仕事ぶりに理解を示し誇りに思っているのが伝わってくる。夫を温かく包み込むような雰囲気の検事の良き妻である。この妻がいるから、久我検事は安心して事件の真相を求め検事の職務に専念できるにちがいない。 この作品は検事を題材にしたミステリーであるだけでなく、心にしみる人間ドラマが描かれている。 この作品の帯には「柚月裕子さん激賞」と書かれている。この作品を読んでいると、柚木裕子氏の「佐方貞人シリーズ」とどこか似た雰囲気を感じてしまうのは私だけであろうか。 主人公のような真摯な態度で真実を求め地道な努力を重ねている人間が、正当に評価され報われる社会であってほしいと心より願う。 ぜひ続編が出ることを期待したいものである。 | ||||
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それぞれのキャラはとても立っていて最初はとても期待して読み始めたが そのキャラ達をうまく混ぜ合わせていないというか、 それぞれが別のところで頑張っているだけって感じ 盛り上がらない。 最後がなんかつまらない結末で少しがっかり。 でもこれからが期待できる作家だと思う。 | ||||
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昨今の「リアル」といわれるお仕事小説の中には、シリアスなだけで実はそれほどリアルではないものもあり気になっていました。 この作品は、全体の雰囲気は独特のユーモアに包まれていますが、真の意味でリアルな検察小説だと思います。 司法の世界を多少知っている者として、そのような感想を抱きました。 本物です。お勧めします。 | ||||
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拘留 → 正しくは、勾留! 拘留は刑罰(刑法16条)。勾留は逮捕後の身体拘束(刑事訴訟法205条、207条1項、60条)。 p150の直接証拠 → 正しくは、間接証拠! | ||||
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物語の展開は、物足らない。意外性もない。なぜ殺したのか?の理由が薄すぎる。 しかし、久我検事のキャラクターは、今の時代の検事の姿かもしれない。ちょっと無骨で、あえて出世を目指さず、淡々と仕事をこなす。仕事の仕方は優秀と言えそうだ。だからこそ評価する人もいるのだが、主流とはなれない。そして、倉沢検事のポジションが、女房のようで、生き生きしている。 なんと言っても、鹿児島出身の有村巡査。刑事に憧れる。この男も不器用で、真面目だ。話もうまいと言えないが、警察官としては真摯で誠実である。 検事間の暗闘と権力闘争が生々しい。人間を描こうとしているのだが、物語好きな私には、もっと楽しませて欲しいなぁ。 | ||||
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