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ひとり日和



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【この小説が収録されている参考書籍】
ひとり日和
ひとり日和 (河出文庫)

ひとり日和の評価: 3.36/5点 レビュー 77件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.36pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全77件 61~77 4/4ページ
No.17:
(3pt)

満ちている気配

ここ数年の受賞作のなかにも、たびたび同じ空気を感じることがある。

「時代が持つ閉塞感とか気だるさ」・・・

多くの人が手を変え品を変え、小説の題材にしているようだ。

たとえば、それを若い言葉で綴ると綿谷りさのようになり、

成熟した表現で綴るとこのようになるのかと思った。

その意味では24歳という年齢にしては、非常に成熟した文章を書く人だと思った。

ただ、面白く読めるのだけれど、あとに何も残らない。

何でもそうだと思うけれど、何かを追究している人の話には説得力がある。

だから、それが自分にはわからない世界のことであっても、いつの間にか聞き入っている。

あとに残るのは専門知識ではないけれど、その専門知識というフィルターを通して

語り手の熱意とか姿勢が伝わってきて胸が熱くなる。

この作品自体にはそういうものは感じられなかった。

しかし、要所要所にさまざまな気配が込められていて、言葉にせずに読む者を納得させる

説得力は強く感じた。そう考えると、平凡な題材をよくここまで・・・とも思えてくる。

賞というのは時代を反映するものだと思うし“今後”に期待して贈るものでもあると思うから

これからこの人がどんな作品を書いていくのかちょっと興味がある。
ひとり日和Amazon書評・レビュー:ひとり日和より
4309018084
No.16:
(2pt)

20歳の女の子の、ひとり日和

20歳の女の子と71歳のおばあちゃんの同居のお話。

もっと心がほっこりするようなあったかい話かと思ってた。

でも、「いかにも河出書房新社」、「いかにも芥川賞受賞作」な作品でした。

なんとなくの日々は空虚に過ぎ去り、

コンパニオンとキオスクでお金を稼いで、さらには盗み癖があるという主人公。

若さ特有の虚無感、残酷性、孤独・・・

これが今っぽいのかもしれないけど、なんかぬるい。

どっかひとつ、ピシッと決めてほしい。

「老人と暮らす」という面白い設定が生きてない!

そして20歳の女の子の恋なのにまったくときめきを感じない。

この情熱・恋愛力の薄さがこの作品の持ち味なのかもしれないけど、

20歳の女の子を描くにあたって、

こと恋愛に関してだけはこんなはずはないと思うんだけど・・・。

とにかく好みの問題。

私はこういう若さの薄暗い部分を描いた作品よりは

きらきらした作品の方が好き。

でもラストで主人公がそうなるような予感があるから、そこだけは救いかな。
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4309018084
No.15:
(1pt)

選考委員に問題があるのでは・・・。

選考委員の石原氏と村上氏が絶賛していたので今度の芥川賞作品は面白いかもしれない、と

期待しながら読んでみると・・・これがどうにも眠たくなる小説なワケで。

大人向けの女性コミックを小説にするとこんな感じになるかなと言った印象。

若者特有の倦怠感や老婆との微妙な関係はわかるのだが、ストーリーに動きがなく

ただ、それだけの話になってしまっている。

所謂、波のない小説である。

何故、この小説が候補に挙がり受賞したのか、さっぱり分からない

もっと探せば面白い純文学があるはずなのだが。

読者と選考委員の感覚が開きすぎていると思う

選考委員はプロ、こちらは素人なんだから口出しするなと言われれば仕方のないことなのだけれど最近の芥川賞はちょっと

つまらなさすぎる。

そろそろ選考委員を変えた方が良いと思うんですが・・・。
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4309018084
No.14:
(3pt)

普通の現代小説

普通の現代小説でした。

他にもいると思いますが、私は石原慎太郎、村上龍が絶賛したと聞き、これは(!)と思い受賞後すぐに読みました。

ですが。。。わからない!

今の人たちはこういう作品を文学と呼ぶのだろうか。

確かに現代人が抱えている孤独感、生きることに対する空虚さがひしひしと伝わってくる作品だった。言葉もきれいで、主人公と同居する吟子さん、中国でがんばるお母さんなど、登場人物の何人かには魅力も感じた。

しかし、、、、今は選ぶ側に回った石原慎太郎が書いた太陽の季節やその他にも歴代の作家が、本でしか表せえない悩み、苦しみ、人間の美しさ、汚さ、青春の輝き、などなどを表現し、読者はそれに同調し感動を覚えるのが、、、本だと思う。という私の意見は決して外れすぎていないと思う。"本”だと期待して読んだ私にはすべてが薄められているように感じた。

現代小説としては十分読めるが、なぜこれほど絶賛されたのかはとても疑問です。芥川賞受賞作とあまり構えないで読んだ方が期待を裏切らないと思う。
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No.13:
(3pt)

芥川賞と構えずに読むべき。

タイトルが全てを物語る、まさに「ひとり日和」な小説。

首尾一貫して主人公の一人称視点で描かれていて彼女で目線で世界は切り取られ、表現されている。2時間もかからず読めるので、サラッとどうぞ。

フリーターで20才の主人公、居候先の70才の老婆との邂逅が本作のメインテーマ。その他、主人公の母や、恋人など周辺の人々に刺激されながらも日常は淡々と進む。主人公と老婆の会話はまるで言葉遊びのようにポンポンと進み、その点では心地良い。現実的な感じではないけどね。ところどころ描かれている主人公と老婆の妙なライバル、対抗心は興味深かった。期待しすぎたのかな、芥川賞と構えずに読めば少しは変わったんだろうか。

個人的には芥川賞受賞は「???」だった。

何でもない日常に目を向け、そこに登場するのは特別ではない普通の人。それを卓越した感性で切り取りって表現している。独自の表現と感性…でもその手の作家は近年増えてきている。すでに芥川賞を受賞している伊藤たかみや綿矢りさも同タイプの作家ではあるが、あちらとは読後感が明らかに違う。残念ながら「ひとり日和」は何も残らなかった。

これで芥川賞なら、どうせなら柴崎友香に賞を取ってほしかった。

「わたしは思春期のころから、母の若々しさとかなれなれしさが、心の中ではいちいち気に障っていた。理解されないことではなく、理解されることがなんとなくいやなのだった。」 本文80ページより
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4309018084
No.12:
(5pt)

退屈な若者へ。

26歳女性です。

今まで読んだ芥川賞作品の中で、一番面白く読めました。

何だか、主人公が自分にそっくりだったのです。

年や職業や思ってることとか、一見全然違うのに、なにか似てるんですよ。

不思議な感じがしました。

退屈とか長いとかの意見も多数あるようですが、

私は、この作品のけだるい様な雰囲気を、むしろ楽しませてもらいました。

長いんだけれども、ずっと読んでいたいような。

終わったらまた何度でも読み返したいような。

だらだらしてて面白くない!っていう方には無理には勧めませんが、

私みたいに退屈な若者は読んでみるといいと思います。
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No.11:
(5pt)

期待以上の面白さに思わず満点。

職場の上司や同僚が勧めてきたので読んでみました。

これが期待以上に面白くて、興味深くて一気に読んでしまいました。

主人公が老婆との共同生活をしながら、恋や仕事など精神的に自立していく物語なのですが、

その単調そうな筋に挟まれるブラックなユーモアが絶妙。

クスッとさせられながら、退屈させることなく一気に読ませる技術は素晴らしい。

最近の芥川賞の中でもずば抜けて好感が持てる作品でした。

「芥川賞=文学的作品」などと敬遠せずに、まずは読んでみることをオススメします。
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No.10:
(5pt)

老人的主人公、若者的老人の絶妙なクロス

出ました!芥川賞受賞作品!!

この作品を読む上で大事なこと、それは「無」。皆さんは日常に満足していらっしゃるでしょうか。きっと多くの人は、この作品の主人公に共感できるはず。いやさせられている。大学もいかず、ただふらつく人生を夢みながらも、やはり社会的地位を得なくてはいけない我々人間にとって、この主人公は我々に内在する隠れた記号なのである。

さて、作品はというと

若者と年寄りという、かなり明確なコントラストにより、読者を作品へ強引に引き込んでいる。ここで注目すべきことは、若者のような年寄りと老人のような主人公の交差。

文学的にいえば、二人がシニフィエとシニフィアンが自己脱構築しあった、まさにクロスの関係をかもし出しているから読み応えがある。

主人公が老人をうらやましがり、老人は主人公よりも元気であるという、一風変わったプロットに、現代の隠れた部分を鮮明に映し出した作者の意図が読み取れないだろうか。

ひとりの人生、死ぬときは皆ひとり。その不幸を理解したうえで、幸福に生きている老人は、当時のウィトゲンシュタインを連想させなくもない。そして、主人公も虚無という壁に立ち向かい、今日もどこかの電車に乗り込んでいく。

読むべし!!
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No.9:
(3pt)

久々にピンときませんでした。

正直なところ、石原氏と村上氏の絶賛をテレビの受賞報道で知って、期待しすぎた。伊藤たかみも絲山も、綿矢も吉村萬一も、歴代受賞作はそれぞれ興味深く読んだ。しかし、どーでしょうコレ。久々にピンときませんでした。

 人は結局孤独だと…孤独を受け入れて初めて自立した個と個の関係が築かれるのだと…それが不倫だろうと何だろうと、生きることに前向きになろうと…電車に飛び込んだところで、一時騒がれるだけで猫の記念写真のように忘れ去られていくだけだと…。

 うーん、そんなことだったら別にわざわざこれだけの枚数を読む必要がなかった。自分の人生に無責任な姿勢から、確信的に無責任な人生を歩みだす主人公に、全く共感できなかった。しかもこれがある一定の現代人のモデルケースとも思えない。

 村上龍が彼女の今後をどうフォローするのか注目したい。
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4309018084
No.8:
(3pt)

鋭い感性と卓越した表現力、なのだが。

読後感としてまず思うのは、いかにも芥川賞の選考委員たちが絶賛しそうな作品だ、ということ。

平凡な日常を、鋭い感性で切り取り、卓越した表現力で生き生きと描き出している、からだ。

感性と表現力については、確かに絶賛したい。

才能のきらめきにあふれた、優れて文学的な作家である。

しかし、その作品を通して伝わってくるものといえば、だるく生きている主人公の、だるい日常だけなのだ。

主人公の心を満たす、殺伐としたつまらなさ。

周囲の世界は、彼女にとって実体を持ったものとして迫ってはこず、まるで影絵のようにうっすらとのみ存在している。

このような優れた作家が、このようなつまらない内容しか書き得ず、それをみんなで絶賛して喜んでいる、今の日本の文学の世界とは、いったい何であるのか。

心の奥底が冷え冷えとしてくるような、暗澹とした思いが残った。
ひとり日和Amazon書評・レビュー:ひとり日和より
4309018084
No.7:
(4pt)

タイトル通りの作品

フツーの女性のある1年間をとってもフツーに綴った小説。人生に目標を明確に持った「こういう人のようになるべし」という人達と正反対の世界に居る主人公の日常を通じて、「虚無感」と「人との係わり合いの希薄さ」を思い切り感じさせてくれる作品です。

自分も時々ふとした瞬間に「結局自分は独りぼっち」と感じる時があり、通じるものがありました。読後感は「ふうん」といったところですが、1週間ぐらい経つと「なかなか良かったな」と思い出させてくれます。それから、タイトルは内容にドンピシャリですね。
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No.6:
(4pt)

「生きる」意味

中国に赴任する母親と別れて、遠い親戚のおばあさんと一緒に暮らすことになった主人公知寿の一年が、たんたんとした描写で描かれてゆきます。

大学進学をいやがり、フリーターとしての生活を主人公は選びます。「生きる」意味を掴み切れない主人公は、他人との深い関係を恐れているようにも見えます。でも、関係を持つことを避けているわけでもありません。

過去の思い出の品を靴箱から取り出して懐かしんでいる少女。現在を、或いは現代社会から逃避しているような感覚は、その関わり方を知らないためかも知れません。

でも、七十を超えたおばあさんの恋愛を楽しむ姿を見、自分の失恋を考える時、何となくおぼろげながら「生きる」方法を見つけたのかも知れません。思い出の品々を捨てる時、彼女の中の何かが変わったのかも知れません。

地の文章で、このおばあさんのことを最初は「彼女」と三人称で書いています。それがやがて「吟子さん」と書かれるようになります。このあたりが、主人公知寿の心境の変化なのでしょう。

一皮向けた彼女が、一般社会の中でOLとしてちゃんとやっていけるようになることを祈りたいと思います。
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No.5:
(3pt)

起伏が無いような

20歳の主人公から見た、40,70代の女、が興味深かった。
40代から言えば、主人公は小生意気。
主人公の小さな意地悪さがスパイスになってる。
この本を映像化するなら、主人公役は上野樹里に決まり!(主人公の明るさを感じた唯一の
場面、花火で遊ぶところでそう思った。)
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No.4:
(1pt)

芥川賞って新人登竜門だっけ?

生と死や、無気力な若者像、他人の幸せが胸を刺す日々等、書いて有る題材には思い当たる節も多い。
だが、読み進めても読み進めても、受け身で、気怠い日々の連続。途中で読む気も失せた。

私は偉い方々の意見などは知らないが、個人的に血にも肉にもならない小説だなぁと思った。
現実を切り取って、ただ張り付けただけと言うか…。

回顧的観点から小説を読む人になら、お勧めかも知れない。
が、何かを得たいとか、起承転結とか、爽やかな読後感とか、
そう言った、読む事で新鮮な何かに触れたいと言う人には、間違いなく勧めない。
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No.3:
(5pt)

春の風を感じるような小説

他人の物の一部を盗むことでその関係を確認するしか人間関係を築けない主人公。本当はもっと深く関係したいのに部分で自分を納得させて、簡単に、便利な人間関係にぐずぐずしている様にとても共感したました。全体の印象としては、二十歳の女性と老婆との掛け合いが、なんでもできると思いがちな年代を包みこんでいる感じがとてもおもしろかった。好感のもてる小説だと思う。
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No.2:
(5pt)

心に持つ孤独

芥川賞と聞いて浮かぶ名前と言えば、「綿矢りさ」や「金原ひとみ」だ。でも私は彼女達の作品 を、誠に恥ずかしながら一読したことは無い。

そんな私が先日、とある電車内の広告で目にしたのが、この「ひとり日和」だった。著名人らの批評などを見て、”うーん。じゃあ何となく買ってみようか”と思った。

この本について感想を述べることが、非常に難しい。何故なら登場人物にも、展開されるストーリーの中にも、取り分けて目立ったものは無いからだ。

物語の終盤に差し掛かったところで、私は”こういうオチがあるに違いない”と踏んでいた。しかしそれは、あっさりと筆者によって裏切られた。

変わることのないもの、ただそこにあるだけのものを描くことはとても難しいと思う。奇想天外なストーリーや斬新なテーマが、一見人目には付き易いものではあるが。

読んでいて、いつの間にか私自身が知寿になってしまった。私も彼女と同じように、生と死

両方から遠く離れた世界にいて、一人でただ繰り返されるだけの毎日を生きている。そして今この瞬間にでも、何かによってこの日々がぶち壊されることを願ってやまないのだ。

これを読んだ私自身は、果たして”生きている”と言えるのだろうか。

そう考えさせられた一冊だった。
ひとり日和Amazon書評・レビュー:ひとり日和より
4309018084
No.1:
(3pt)

不思議

いろいろな方の総評を読んでから、読ませてもらいました。

淡々…としていて、正直途中で退屈な部分もありましたが、

一度に最後まで読み切りました。

小説に、もっとわくわくさせて欲しいとか、

おもしろいものを見せて欲しいとか、

もしくは自分の考えを変えさせられるようなものを求める読者の私にとっては、

普通の人の普通の人生は、特に同性ということもあり、

別にのぞき見しなくてもいいかな、と思いました。

主人公が最初の恋人の浮気相手に遭遇した時が、

もうちょっと反応があっていいんじゃないかと違和感がありました。

いくら無気力といっても不自然で、こういう雰囲気にしたいと

筆者によって作られた感じがしました。

しかし最後まで読むと、不思議な雰囲気にほんわりと包まれたので、

これがこの小説の持ち味なのかと思いました。
ひとり日和Amazon書評・レビュー:ひとり日和より
4309018084

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