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ひとり日和
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ひとり日和の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 41~60 3/4ページ
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芥川賞の時、村上や石原が激賞してたけど、そこまでなのかなあ、と。 お母さんとホテルで眠るシーンと壁にかけられた写真の裏に盗んだ物を放り込むシーンくらいしか印象に残っていない。 読んだのは南洋航海している船の上。半年も前ですが。 | ||||
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限りなくニートなフリーター生活、労働生活の象徴に使われる電車と駅、優秀な女性漫画作家が描くような軽めのモノローグ、崩壊した後の微妙な家庭、3世代に渡る女の恋愛、、etc. 構成がしっかりしていて、ユーモラスで気取らないモノローグ調の文体が、等身大の20代女性の感情の機微を書く。地味でこじんまりとしてるが、技術がある若手作家だと思う。逆に、たとえこじんまりとしてても、この程度までカタと内面描写がきっちりできてれば、今の時代では芥川賞が取れちゃうという目安のような作品。業界が売り出す「新人女流作家」って結局イロモノ的に売り出された人だけが生き残ってるので、この作品と作者の地味なところは好感持てますね。 村上龍がこの作品を褒めていたのは、短期間に一生懸命勉強したことを元に、チェスのコマのように登場人物を配して小説を書く彼には、こういう内面の機微をさらっと描く技術が無いからです。でも、逆に、彼のような小説世界や文章が暴発するようなスピード感は、この小説にはありません。(逆にそこだけが彼の魅力なのだが。)また、読者の人生観や文学観が変わっちゃうような壮大な世界観もそこにはありません。未だ小説にそういうものを求めてしまう僕は、星に3点をつけます。 でも、きっと特に20代の女性には楽しめる良い作品でしょう。この作者は売れっ子エッセイストになるかもしれないけど、安直にそういう道には行ってほしくないですね。 | ||||
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私は21歳だから主人公と同い年。 それはもう共鳴してしまって、一気に読んだけれど三度も涙しました。 おばあちゃんのえもいわれぬ強さや可愛らしさや儚さや健気さ、それから諦念や折り合いを付け切れぬ主人公の、ちっぽけなおばあちゃんを邪険にしてしまう気持ちとか少しの労わりとか淡白を装う不器用さだとか、そういうものの堆積が、最後の車窓の情景に寂しさを伴わせてそのまま掻っ攫われました。 | ||||
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この作家には、周辺にいる人々の様々な感情の動きが手に取るようによく見えているのだろう。にも拘わらず、そのことへの向き合い方、描き方に凡そ構えというものを感じさせない。それほどに文章が自然である。これをある種のニヒリズムととる見方もあろうが、私的にはむしろ賢さ(ある種冷徹なまでの)とか、それ故のバランス感覚の良さと見る。微妙な意識の表現がまことに的確で、且つその表現に過不足のないことに感心する。読み進めながらうける感性の流れがまことに自然で、私的には大好きな漱石の作品と同じ心地良さを感じた。途中「この作者、一体いくつなんだろう?(全く予備知識なしに読み始めていた)若そうでもあるが、もしかしてそれなりの手練れなのかも・・・」と奥付を確認して23才と知り又感心させられた。所々で「うーん、いいね」と思わせる文章にも出合わせてくれた。青山七恵、相当にナカナカでしたね。「私に感想をコメントする気を起こさせるとは大したもの」と勝手に思いながら、今後も少し気にかけていくつもりです。 | ||||
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「吟子さん、外の世界って、厳しいんだろうね。あたしなんか、すぐ落ちこぼれちゃうんだろうね」 「世界には外も中もないのよ。この世はひとつしかないでしょ」 見込みがなくても、終わりが見えていても、なんだって始めるのは自由だ。もうすぐ春なのだから、少しくらい無責任になっても許してあげよう。 なるほどなあ〜と思った作中の文章であります。 | ||||
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数年ぶりの日本社会復帰に際して、日本適応のための一つとして、 「最近の小説を読んでみる」を実行中。 本作は2007年上半期芥川賞、もはやジャンルとして確立されたという 噂もある綿谷りさ系作品だそうです。 芥川賞対象作品らしく、分量も少なくあっという間に読めました。 都会で、親戚のおばあさんの家で淡々と生きる20代女性の生活を、淡々と描いています。 部分的には会話が非常にリアルだったり、家から駅のホームが見えるおばあさんの 家の描写がはっと驚くほどきれいだったりするのですが、全体的にはあまりにも 淡々としすぎている上に、肝心の主人公の考え方が、30歳の自分にはあまりリアル には思えませんでした。 例えば中学生のとき読んだ、池澤夏樹の芥川賞作品「スティルライフ」の方が、 話自体はかなり現実離れしているし、主人公たちの年齢は当時中学生だった 自分とはだいぶ離れていましたが、非常にリアルに感じられました。 とはいえ、本作も最後の短い章の描写は素晴らしく、読後感は悪くないし、 読んだあと、小さいけど心に何かを残してくれる良作だとは思います。 | ||||
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ここに登場するおばあさんは、何の変哲もなさそうだが、とても味のある人だ。不安定な主人公の気持ちとの対比がおもしろい。一つ一つの描写が、鋭い。そこが理解できないとこの小説を読んだことにはならないだろう。 | ||||
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…ん〜?この本の面白みってどこ?っという感じでした。 淡々とした静かな生活を傍らで見ているだけのような…こうゆう作品は 読み終えた後に穏やかな、やさしい気分にさせてくれると思っていたのですが 特に何も残りませんでした。ちょっとガッカリでした。 | ||||
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本書を読むより先に 青山さんの”窓の灯”を読んだのですが、 それを読んだ感じでは、うーん、(私の好みの観点からすると、)期待出来ない・・・(”ひとり日和”が。) と思ったりしたのですが、 本書を読んでみると、 結構すっきりとした感じで、嫌〜な感じもそんなに際立たず、良かったです。 ラストの登場人物それぞれのその後にあまり触れないのも 良かったような気がします。 ここにてもいい気がするけど、今出なくちゃいけない気がする、 って感じの心情に共感出来たし、冷め過ぎてないのも良かった。 ((評価は、購入してコレクションしたいかどうかなど、好みで決定。)) | ||||
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石原慎太郎氏と村上龍氏大絶賛! それはいったいどんなキテレツな小説なんだ?? そう思って期待わくわく。 だけど、先に読み終えた人たちからの評価がメタくそだったのでちょっとどきどき。 そんな気持ちで読み始めましたが…。 普通やな。 文章はお上手で読みやすいとは思いましたが、どこか目新しいところがあったのでしょうか?? 思うに、普通じゃないおじさま二人にはこの普通なとこが新鮮だったのでしょうか?? 芥川賞受賞作… 以後、ますます期待できない…。 | ||||
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いや〜何が面白いのかわからない作品だった。 退屈だった。 主人公が美しくない。 キラリとしたエピソードもなく、感動がない。 ラストも微妙だし。 ホント、芥川賞って何だろう・・。 山田詠美さんの批評と同感です。 まぁ、批評するのは簡単ですけどね。 たわいの無い日常の描写に優れていたのかもしれないけど、 仕方ない好ききらいがあるから。 個人的には好かん。 | ||||
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個人的に好きなタイプの話ではなく、主人公のキャラが鼻につくまま終わったので★2下げましたが、人物描写のうまさに感服しました。 最初の1ページで、すごくうまい人だな、と感じます。 もっとも、一人称が少しひとりよがりで、風景がよくわからない場面もありました。 ただ作者・主人公と同世代ですが、共感はまるでできません。 あまりにも共感出来ないと、話に乗れないです。 主人公以外に共感、もしくは気に入るキャラクターがいればまだしも、それもなく。 ただ最後、主人公が少しだけ成長する所で救われた気がしました。 | ||||
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若い女性の世間に出る間際の視線。この題材はひとつのカテゴリーになっている。最近の話題作に多い。というのは、このカテゴリーに対して芥川賞、直木賞の選考委員が非常に甘いということなのだ。もちろん、内容は面白いが、文学として発展性、広がりがあるかといえば、疑問である。ちまちましすぎてないだろうか。作品の評価としては星4と思うが、傾向への警鐘として星3としたい。 | ||||
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この小説の良さを理解できないのは私自身が歳をとってしまったからかも知れないと思った。 主人公の女の子も、バイト先で会う彼氏もおよそ情熱とか感情というものをおもてに表さない。 何よりもびっくりしたのは主人公の女の子がバイト先の彼と別れたときに 「あんなに好きだったのに」と示していることだ。 どこにそんな感情のほとばしりがあったのかと思わず読み返してしまった。 それに比べると上海に赴任した母親の恋愛のなんとわかり易いことか。 これが今時の二十代前半の恋愛感情なのか。 | ||||
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ところどころに日本語としての拙さはあるものの、それが意図的なものなのかは謎です。とにかく読者の感性を刺激する心地よい言葉の流れに引きこまれて、3時間ほどで読みきれました。社会や人生とのつきあいかたに戸惑う主人公が、決して恰好をつけずにあるがままの自分の姿を見つめながら自立し、優しい人間へと成長していく姿に心引かれました。優しい人間といっても、「おばあちゃん長生きしてね」というような陳腐なヒューマニズムに完結しないところが素敵です。最後のほうでの老女との率直な魂の交流には思わず涙が溢れてしまいました。美しい映画を見たような感動にひたれます。小説というより名作映画の脚本のような感じを受けました。視覚、触覚、嗅覚、聴覚などがそそられました。おそらく映画化されるのではないかと今から期待してしまいます。ひょっとすると、老女は主人公の少女の心の奥に住む「もう一人の自分」なのかもしれないとも感じました。そういった脚色で映画化されると面白いと思います。ただ、「盗み」がサブテーマになっているだけに、文部省推薦とはならないかもしれないのが残念。主人公にとって「盗み」とは他者と強くつながるための原始的な癒しの手段なのでしょうが、魂の成長とともにそこから脱出していくプロセスに感動しました。 | ||||
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主人公が、すれているのを通り越して、読んでいて不快感が こみ上げるほど、端的に言って非常に性格が悪い。 これ以上読み続けるのは毒気に当てられそうでつらいわ・・・、 と思う頃に物語は終わる。 主人公と母、主人公と彼氏、主人公とおばあさんの関係が 収まるところにおさまっていない。 ただの恨みがましい自分勝手な女の子のぼやき小説に思える。 こてんぱんに書いてしまいましたが、芥川賞作品として読まなくても 上記の感想は持ってしまいます。 次回作品は読まないでしょう・・・。 | ||||
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今回の芥川賞は青山さんの「ひとり日和」が受賞したと聞き、 まず先に彼女が文藝賞を受賞した作品「窓の灯り」を読んでみた。 この世界観がそのまま「ひとり日和」に受け継がれているのならば、 正直言って期待できないな、と思った。新人の作家は、作品の持つ世界観が似通いやすい。 一方で「ひとり日和」はきっと格段に出来がいいのだろう、よくあってくれ!と淡い期待を 抱きつつ、数ページ読んだ。そして結局淡い期待はだんだんと薄れていったのだ。 ああ、期待しすぎた、と。 なぜこれが芥川賞を受賞するのだろう?そういえば前回作の時も私はそう思った。 芥川賞は新人賞のようなものだ。中堅の作家に与えられる直木賞とは違い、 芥川賞とは作品に与えられるもの。だったら余計、なぜこの作品が?と思わされる。 フリーターである主人公知寿の抱く孤独感、倦怠感、母に対する思い、 盗み癖などの描かれ方が今ひとつ共感性に乏しく 同居する老婆吟子とのやりとりでは、そのキャラと交わす言葉の持つ質感に 違和感が感じられる。また、この年齢設定にした効果も弱い。 発した言葉の裏には必ず意志があるはずだ。知寿も吟子も彼氏でも母親でもそうだが 言葉の裏に隠された意思が見えてこないため、訴えかけてくるものが弱い。 全てにおいて必然性が感じられないのだ。 もっと内容を突き詰めて作品に取り組んで欲しいと思う。なぜなら最後まで書き上げた という一点においては、青山さんの実力が証明されているのだから。 細く長く書いていきたい、なんて悠長なこと言ってないで、ぜひもっとメッセージ性のある 作品を書いて欲しいと思う。 | ||||
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なんとも普通の日常を描いた作品。 20歳の知寿と71歳の吟子さんとの奇妙な同居生活。 そこにあるものは・・・ はて、なんなんだろう? なんだか知寿のやるせない毎日が痛いです。 色んなトラウマがあるんだろう ちょっとした盗癖や 恋人との関係を悪い方悪い方へ考えてしまう癖。 マイナス思考の強い女の子、そんな感じだけど、 吟子さんとの1年間の同居で彼女が得たものは、 何者にも変えがたい者だったような気がする。 結局人は去っていく。 その寂しさを乗り越えて人は生きていかなければならない。 その切なさを改めて思い知らされる作品でした。 | ||||
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特別な出来事もなくただ過ぎて行く日常を生きていると起こる感情が注意深く描かれてあって、とても共感が持てました。感情で走る方法を知らず、考え、考えすぎるために何事にもそれらしい理由を付け、自分1人で納得し、勝手に結果を招いてしまう。何事も少しでも複雑になるとどうでもいいと思い、経験が浅く視野が狭いため、うまくいかないことにいちいち苛立ち、ただ自然に巡ってくる小さな人間関係の中だけに世界を見いだす。突つかれると折れてしまいそうに見えるのに、本人は何にも負けない強いものになりたいと思っている。その狭い世界の中で。暗い人と思われてもしょうがない主人公だけど、本人はそういう世間からの目を気にしている様ではなく、淡々と自分の目と足で、自分が生きて行く場所を見つけようとしている。世間との微妙なずれには疑問を持たず、苦悩もしない。それよりももっと私的で些細なことに心痛する。端からは分からない様にもがく。そんな主人公の言動にとてもリアルなものを感じました。 | ||||
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審査員の石原慎太郎と村上龍が激賞とのことですが、二人がこの小説を読む姿を想像すると、つい微笑がもれる。そんな感じのなんつうか、おっさんには不似合いなところのある小説なのですよ。でも、そこが実はポイントです。 埼玉から東京に出てきた(この設定もいいな)女の子(フリーター)と居候先のおばあさんとの交流とその後を描いた小説なんですが、読むうちに二十歳前後のなんだかこそばゆい時代の思い出がよみがえってきます。 で、やっぱ新世代というか、自分とは違う世代なのだなあという思いもあり、そんなところが審査員のおっさん二人の心を「きゅっと」つかんだんではないでしょうか。わたしもちょっとつかまれましたよ。作者は83年生まれです。 | ||||
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