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(短編集)
午後のチャイムが鳴るまでは
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午後のチャイムが鳴るまではの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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高校の中で繰り広げられる物語。生徒のことあり、先生のことあり。各章でいろいろな物語があり、一気に読める本。 | ||||
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とある高校の昼休みに起きたことを書いただけなのに…。 こんなに色んな種類の謎を考えさせられるとは!! | ||||
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ミステリと名の付くジャンルが苦手な人、ミステリ初心者にこそお勧めしたい!日常系本格ミステリ。 文化祭の準備に忙しい、とある高校の一日を描いた連作短編集。 どの作品も時系列が同時進行していくため、短編Aの主人公が短編Bでの登場人物とすれ違ったり、短編Cの舞台となる教室を覗いたり、立体的に想像しながら読むのが楽しい。 内容もバラエティに富んでいて、倒叙古畑系の完全犯罪を狙う(という名の校則破り)犯人視点だったり、ハウダニット人間消失だったり、「9マイルは遠過ぎる」系台詞からの推理だったり。 それでいて、解決ではジュブナイル系にありがちな「曖昧雰囲気名探偵」じゃなく、ちゃんとした本格派のハウダニット、ホワイダニットが示される。 連作を繋ぐ学園の隠れた名探偵の存在が、鮮やかにそれぞれの高校生活を一枚の絵に織り上げる結末が爽快。 ミステリって人が沢山死ぬから苦手!というミステリ食わず嫌いな人とか、ジュブナイル系ミステリしか読んだことないけど本格って何?な人にこそお勧めしたい。 キラキラ高校生活にだって、本格ミステリはあるんだ。 作者の阿津川さんは紅蓮館や蒼海館などの館物、透明人間や入れ子細工等の変則的実験作品、と器用にこなす作家さんですが、こんな本格仕立て青春ミステリも書ける人だとは思ってませんでした。 正直に言います。 こんな日常系本格ミステリ、もっと読みたいです。 | ||||
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馬鹿馬鹿しいことに情熱を傾ける高校生を主役にした連作。昼休みにラーメン屋に抜け出す策略を練ったり、消しゴムポーカーに熱中するおバカ男子が楽しそう。『九マイルは遠すぎる』に倣った謎解きは正直、無理があると感じたが、野暮なことを言わずに楽しむのが良し。しかし、かなり人数が少なそうな学校で、経営は大丈夫なんだろうか・・ | ||||
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愛すべき馬鹿どもな青春ミステリ、と著者自身述べているが、さすが阿津川、それだけじゃない。 実に精緻で隙のない、精度の高い箱根細工のような一級品。 こんなにチャーミングでお馬鹿でしかも見事なミステリ、滅多にない。 参りました! | ||||
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2021年9月9日、第二木曜日。九十九ヶ丘(つくもがおか)高校で起きた出来事を、五つのパートから描いた連作ミステリ。 それぞれの話が連関し、各話の登場人物たちが繋がりあっている仕掛けはとても気が利いていて、そこには作者の遊び心とミステリ魂が脈打っていて、これ、本当に面白かった。 何よりぐっと来たのは、登場する彼ら高校生たちが、一見馬鹿馬鹿しく思えることにも真剣に取り組んでいる、そのひた向きな一途さでした。頁をめくっていきながら、「ああ、こういうアホな時代って、確かにあったっけなあ。なっつかしいなあ」てな気持ちになりましたよ。 五つの話──「RUN! ラーメン RUN!」「いつになったら入稿完了?」「賭博師は恋に舞う」「占いの館へおいで」「過去からの挑戦」──は、九十九ヶ丘高校で起きた同じ日の五つの出来事で、それぞれに繋がりあっているんですよね。 マイ・フェイバリットは、分量として最も長かった第3話「賭博師は恋に舞う」かな。消しゴム使ったゲームの成り行き、駆け引きやら心理戦やら、読むほどにわくわくしてきて、途中からはもう夢中で読んでました。 第1話「RUN! ラーメン RUN!」も、とても楽しめました。殊に、語り手の〈俺〉が〝スペシャル910楽(くいどおらく)ラーメンニンニク抜き高菜漬けもやし辛味噌(からみそ)こってり〟ラーメンを喰らうシーンといったら! ラーメン党ではない私なのに、生唾が口内にわき出してきてたまらんかったっす。 | ||||
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阿津川辰海のイメージがガラリとかわる。 こんなに愛らしくユーモアに溢れた青春ミステリーはとても貴重であり、青春ミステリーの金字塔だと思っている「氷菓シリーズ」とも違ったアプローチだ。個人的に作者の作品で本格ミステリーを期待しているシリーズが幾つかあるのだが、今作も待ちきれない作品の一つとなるだろう。 RUN!ラーメンRUN! 高校生が主人公の青春ミステリーで一番残念に思うのは登場人物達が高校生らしからぬ場合だ。大学生の設定にすれば面白いのになぁ、と思う作品も沢山あったし、そもそも筆者は高校生をなんだと思っているのか?という作品もあったが。今作は紛れもなく「高校生」が主役の青春ミステリーだ(笑)阿津川辰海の新作だからと構えて読み始めた自分自身がバカバカしくなる程、爽快で面白い作品だ。そこまでしてラーメンが食べたいのかという愛らしさ(笑)完全犯罪への情熱(笑)そしてラーメンに毒されているバカバカしさ等完璧に面白い。また、生徒会長の推理力は見事だし、学生リーダーとして理想的だ。学生時代のスリル、サスペンス的な要素も詰まっており(笑)1編目で既に大好きな作品になった。 いつになったら入稿完了? 二編目では登場人物も変わっており、今度は文芸部員の物語だ。一編目程のユーモアや驚きは無いが一つのトリックを文字通り一つで終わらせない事が作者のこだわりの様に感じた。今回はありきたりな学校内での不思議、ミステリの様に感じた。序盤の描写は流石に面白く、死屍累々の合宿だと恐怖感があったが(笑)終盤まで丁寧に進んだ為、少し堅苦しい印象になった。一編目が余りにも面白い為、少し物足りない思いだったが、推理力を兼ね揃えた学生がここにもいる事がわかり、凄い高校だなと感心している。 賭博師は恋に舞う 女子生徒から見れば男子生徒のしている事はバカバカしく思うだろう。しかし、作中でもクラスの男子全員が消しゴムポーカーに熱中し。さらにはあらぬ方向に進んでいった。ポーカーの詳細まで練り上げ、実際のゲーム自体にも面白みを加えているが、柴という目立たなそうな生徒が今編の主人公を担い鋭く様々な推察を披露するのは面白いし熱中してしまう。クラスの男子全員参戦の時点でいいクラスだろうしほとんどが恋焦がれる女子生徒がいるのも、告白の権利を賭けて皆んなが熱狂する様もとても面白い。第二編で謎のグループが304教室にたむろっていた理由も回収している。 占いの館へおいで 女子高生(一編の双子の妹)が聞いた不思議な言葉。女子高生三人が集まりその謎の言葉について考察を開始する。言葉じりから推論を広げて目的まで進めていく手法は面白いが真相の事柄まで辿り着けるかは疑問だ。ましてや彼氏のナオ君は5分程度で考察を終えている。コロナ禍の題材であり、高校生達の部活動にも色々と大変な事が起きているんだなぁと実感したが、合わせて三人の推理が鋭くて驚く。最後、茉莉が彼氏の事を打ち明けてしまう部分はようやく高校生のやり取りをみた様な感じがした(笑) 過去からの挑戦 まさかの森山先生の話になる訳なのだが。 読み進めるうちに衝撃が訪れる。全ての伏線が繋がり。この学校に潜む天才が炙り出される。決して大袈裟ではなく、とある人物に集約される途方もないミステリー作品だった。阿津川辰海の作品は面白い物が多いが、今作は更に凄まじいできだ。伏線回収とはこういう事であり、隠れていた叙述トリックも爆発的なインパクトをおこす。そして僕は余韻で朦朧としている。 是非是非、読んで欲しい傑作。 | ||||
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