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(短編集)
深川安楽亭
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深川安楽亭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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・新潮文庫の周五郎小篇本も8冊目、この本を読むと、最早尽くした感、が否めない。 前の7篇は、創作に周五郎の苦心も窺えるが、一本気な奉仕を描いた戦前の作を含め、テーマが強く出過ぎていたり、面白味に走り過ぎたりしているし、後の5篇も、嘗て映画化された表題作を含め、ある種周五郎の創作の手広さは窺えても、収まりが過ぎていて、余韻に乏しい。 総体として、従来本に比べ、質的に薄まった感がしてならない。 | ||||
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最初の内蔵介留守が昭和15年、最後の短編が確か42年の完成されたものとしては最後の作品だそうな。それぞれの短編は武家もの・職人/下町もの・一場もの・滑稽もの、はては戦国まで、さまざまな周五郎のアプローチが楽しめるが、執筆年順に並んでいるのでその筆力・時代背景が感じられておもしろい。戦での犠牲的な美学を描いた作品は昭和19年の戦時中制作。ある程度「国策」といったものが感じられるが、そこに岩にしがみついて自ら溺死するというかっこわるく凄味のある状況を持ってくるところがただ者ではない。下って戦後すぐにはあたふたセコセコと生きることを茶化すような真説吝嗇記や百足ちがいのような滑稽ものが書かれ、演劇の戯曲にそのまんま転化できそうな一場ものが続く、このあたりは復興期㡊??大衆演劇の勃興をかいまみるようだ。表題作はまさに60年代アングラの世界。水滸伝的な人物設定の中で、チャンバラアクションにいかず最も地味な登場人物の悲哀の中で幕引きさせる筋立ては奥の深いものがある。 くっきりとした名作は無いが、どの作品も危うい日常の中で微妙なバランスを綱渡りしながら生きていく人間の姿が描かれており、まずまず楽しめる。それゆえに、「My First周五郎」にするにはちょっと地味だ | ||||
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