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寒波: P分署捜査班
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寒波: P分署捜査班の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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本筋とは関係のないエピソードが多すぎて集中できない。犯人の解明が唐突すぎて伏線があったのだろうかと 思わずにはいられない。 | ||||
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「集結」(2020/5月)、「誘拐」(2021/5月)に続く<P分署捜査班>シリーズの第三作「寒波 P分署捜査班」(マウリツィオ・デ・ジョバンニ 創元推理文庫)を読み終えました。 寒波が襲うナポリ。それは、十一月は残酷な時の始まりだったのでしょうか? ピッツォファルコーネ署に入った通報を受けて、ロヤコーノ警部とディ・ナルド巡査長補は古い集合住宅に駆けつけます。被害者は生化学の若き研究者・ビアージョと妹のグラツィア。二人は別々の部屋で殺害されていました。一方、巡査長のロマーノとアラゴーナには、父親からの性的虐待が疑われる件で十二歳の生徒が通う学校からベテラン教師が相談に訪れていました。 "87分署シリーズ"のように或いは<P分署捜査班>シリーズの前作のように二重殺人事件と虐待疑惑事件がパラレルに語られていって、尚且つ前作、前々作から継続する自殺を偽装した連続殺人事件がサブ・ストーリーとして静かに横たわりながら描写されていきます。二重殺人事件の犯人は誰?その動機は?虐待疑惑事件はいかに終結するのか?いつものようにスリラーですから、そのストーリーを描けるのはここまででしょうね(笑)。 「ピッツォファルコーネの7人のろくでなしたち」。今回の彼らは、市警のお偉方から捜査権を奪われかねないという命題を突きつけられながら真相へと少しずつ近づいていきます。 言ってしまいますが、スリラーとしてのロジックはまあアベレージでしょう。特筆すべきものはありません(笑)。あっても、私はここで語ることはできませんが(笑)。とは言え、エド・マクベインによる"87分署シリーズ"もまた全ての著作がミステリの傑作だったわけではありませんね。 今回は7人のろくでなしたちのそれぞれの生活と家族への心情、機微がくっきりと鮮やかに描かれているように思えます。「幸せは過去にしかない、とピザネッリは頭のなかで繰り返した。記憶や後悔のなかにしかない」(p.161)。よって、ミステリの謎解きに心奪われることなく、彼らそれぞれの思いを受け取ることができました。それもまた、楽しい読書体験と言えるのではないでしょうか? 幕切れの一行が、タイトルに呼応してとても素敵でした。残酷な事件を追うロヤコーノが娘・マリネッラへ寄せる思いを表現するなら、それは「たとえば、愛・・・」。 | ||||
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