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連鎖



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【この小説が収録されている参考書籍】
連鎖 (単行本)

連鎖の評価: 4.38/5点 レビュー 26件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(5pt)

濃厚な警察小説にして、大阪ノワール小説。睡眠時間減少は必至

黒川博行の新作のレビューである。濃厚な警察小説であり、大阪ノワール小説であり、睡眠時間を削って堪能した。

私は、かつて仕事の忙しいときの息抜きに、池波正太郎の『鬼平犯科帳』(文春文庫)を愛読し、繰り返し読んだ。長谷川平蔵率いる火付盗賊改が、緻密な捜査や推理で盗賊団を追い詰めていく、そのプロットのうまさを堪能したばかりではない。江戸市井の人情の機微、それぞれの江戸の町のありよう、そして平蔵が味わう、季節感たっぷりの料理。さらに少し官能的な描写もあったりする。文体の平易さから気軽に読めて、気晴らしになり、そして少し教養を得たりできる。

そして、いま、この池波正太郎の地位にあるのは、私には、黒川博行なのである。この『連鎖』という作品は、息もつかせぬ展開である。警察の最新の科学的捜査と、刑事の地道にして丹念な捜査によって、真実が次第に明らかになっていく。プロットは緻密で、伏線は最後に至って、きちんと回収される。刑事の心境も犯罪者側の心理も緻密に描かれている(特に、いつもながら、女性の描き方が上手い)。関西のあちらこちらの景色が思い浮かぶ。そして、食や教養を担うのが、刑事の一人、上坂勤である。作者は、この大食漢にして映画フリークで饒舌なキャラクターを、私の知る限り、『落英』(幻冬舎文庫)、『桃源』(集英社文庫)と3度登場させた。そして、饒舌に喋るだけではなく、上坂の勤勉さが、相棒に刺激を与え、捜査に奥行きが与えられ、小さいと思われた事件は想像もしない広がりを見せるのである。

この「連鎖」だけ読んでもいいとは思うが、それよりも「落英」と「桃源」を読んでから「連鎖」を読んで、上坂と、毎回変わる彼の相棒の活躍を、是非堪能してもらいたい。上坂シリーズ全体として、私の評価は「最優秀の作品」の☆5つとした。これは私の書いた50番目のレビューである。2022年11月29日読了。
連鎖 (単行本)Amazon書評・レビュー:連鎖 (単行本)より
4120055949
No.5:
(5pt)

次から次へとテンポがいいね。

コッテコテで、いつも期待を裏切らず、実におもしろい。
大阪を中心に和歌山と関西エリアが舞台。
情景がすっと入ってくる。
ボケとつっこみでローカルネタのオンパレード。
刑事コンビのパートナーキャラは2012年「落英」と2019年「桃源」以来の登場。
全体の流れは昭和レトロな雰囲気が漂う。
時々挟まれる懐かしの映画ネタに、うまそうに食べるメシネタがウケる。
フットワークのよさ、こじゃれたところは軽快なリズムを刻む。
まさしく、「捜査の神様は縁の下におるんや」が言いたいとこやろう。
連鎖 (単行本)Amazon書評・レビュー:連鎖 (単行本)より
4120055949
No.4:
(5pt)

一気読み

あいかわらず会話のテンポが良い!

メシに行きたくなる!

面白い!

以上
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4120055949
No.3:
(2pt)

残念です。

まず届いた本が帯やカバーにダメージありました。アマゾン購入のため仕方ないと思いますが綺麗な状態をお探しの方は書店購入をお勧めします。

内容ですが黒川先生の本はほぼ全て読了していますが、今回は途中でやめてしまいました。話に勢いがなく登場人物の魅力も薄いです。次回作ではまた新しいテーマに挑んで欲しいですね。社会的なテーマを持たしつつ登場人物が暴れ回るような内容に期待しています。
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No.2:
(3pt)

真面目というか、地味な作品

ひとことで言うと、地味な展開の作品です。
自殺に偽装した保険金目当ての殺人を、所轄の刑事たちがコツコツと暴いていくというストーリー。
読んでいて面白くないわけではありませんが、初めから犯人は分かってしまうし、
盛り上がりに欠ける真面目な展開というか、最後のどんでん返しまなく、繰り返しになりますが地味なのです。
やっぱり黒川作品には、桑原や小夜子のような強烈な個性の主人公がいないと面白くなりません。
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4120055949
No.1:
(4pt)

「デコスケ」たちにあってこの国の政治家たちにないもの

最後に読んだ黒川博行は「騙る」(2020/12月)ですが短編集でした。狩野派の屏風を扱った「栖芳写し」が良かった。
 最後に読んだ長編は「桃源」(2019/11月)。しゅんとした沖縄出身の刑事、新垣がハードボイルドな新ヒーローを予感させました。
 そして、「連鎖」(黒川博行 中央公論新社)を読み終えました。
 大阪府京橋署刑事第二課暴犯係・礒野のバディは何と「桃源」の大阪府泉尾署刑事課、映画オタクの刑事(笑)・上坂。彼は故あって京橋署に転属させられています。事件は、聞けば聞くほど話が錯綜する「循環取引」事件。「シノハラ」の経営者、篠原が行方不明になり嫁の真須美が捜索願いのため京橋署を訪ね、暴犯係の二人が巻き込まれるところから始まります。ヤクザの<筏組>、闇金業者、連鎖する胡散臭い悪徳業者たちの仕掛けを紐解こうとする矢先、行方不明者・篠原の死体が発見されることになります。
 その複雑怪奇な闇の事件と過去に起きた似たような事件を礒野と上坂のコンビが、京橋署のクセあり同僚たちと不思議とマイルドに協力しあいながらジリジリと事件の真相に迫り、解決へと導いていきます。語り口は「桃源」同様爽やかネットリと"てっちり"を食した時のように(笑)展開していきますが、ロジックは整然としており、伏線はしっかりと回収されているような気がします。
 事件とは別に(笑)、(これも「桃源」同様)上坂の徹底した映画オタクぶりと賭けマージャン・シーンのリアリティ(笑)、各登場人物たちの辟易寸前の生活臭に笑い、少しだけ彼らへの共感の波が打ち寄せながら、しかし最後にはやはり主人公たちが「いい男」ぶりを感じさせてくれることになります。「桃源」と比較しても遜色ない出来に仕上がっているとは思いますが、事件のスケールから見て少し長尺だったかなとは思います。
 <任侠>は、反社会的勢力の中にも「デコスケ」たちの中にも同じように存在していますが、何故かこの国の悪徳政治家たちの中にそれを見出すことができません。そういう意味では悪徳政治家も後妻業も同じ穴の狢だと言えるのでしょう(笑)。

 それにしても映画オタクの刑事・上坂が言うように映画「スリー・ビルボード」は稀な傑作でした。
連鎖 (単行本)Amazon書評・レビュー:連鎖 (単行本)より
4120055949

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