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終わらない週末
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終わらない週末の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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Netflix製作の映画「終わらない週末」を観て、伏線が気になり、原作も読んだ。 映画は、主演がジュリア・ロバーツで、その他の出演者として、イーサン・ホーク、マハーシャラ・アリ、ケビン・ベーコンなどがいて豪華。 さらに、オバマ元大統領夫妻も製作に関わっているという興味深い映画。 原題は、「Leave the World Behind」で、「世界に取り残されて」や「終末の世界で」などが本来の意味だろうが、邦題は『終わらない週末』。 週末は当然、終末にかけている。 批評家の評価が高いのに、一般読者の評価が低いのは、この作品が、アメリカ人的なキリスト教の終末の世界観やブラックユーモアが満載されていたり、伏線が回収されないことにある。 そのため、特に日本人にはわかりにくい。 伏線はあまり回収されないが、ヒントとなる言葉や情報は与えられている。 ゆえに、この作品の伏線や結末は、自分で判断して欲しいとのメッセージは読み取れる。 具体的には、小説や映画の中に象徴的に出てくる鹿や鳥は、神の使いと考えられる。 その神の使いのメッセージを感じ取れるのは、アマンダの娘のローズだけ。 ローズは、鹿に導かれ、ノアの方舟へ。 ソーンとは、棘のことで、キリスト教では、「人間の原罪」を表している。 映画ではわからなかったが、小説では、ソーン邸がなぜ無人だったのかの理由などはわかる。 | ||||
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気候変動、核戦争、パンデミック、ゾンビ、宇宙人などの数々の終末物の小説があり、ネタとして出尽くした感がある中でどう読ませるのか期待しました。その期待通り、従来になかった切り口で終末が描かれた小説でした。 他のレビューにもある否定的な意見の人は、原因となる出来事が神の視点から描写され、その上で人類の危機真っ只中が克明に描かれた作品を期待されたのだと思います。この作品は人類(国?)の危機の中心からたまたま運良く逃れているが、少なからず影響を受けつつある人々の状況が描かれています。登場人物も読んでいる我々もその状況がわからないため、登場人物への感情移入度が高くなる仕組みです。ところどころで大都市での人々の悲惨な様子が挟まれますが、ごくわずかですし、最初はそれが事実なのか憶測なのかわからないような描写でした。 人類の終わりを辺境で迎える普通の人々の様子が描かれていると思えました。ある意味読む人を選ぶかもしれません。 | ||||
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本書『終わらない週末』の書名には違和感を覚えました。 週末はいつも、一瞬で終わってしまうので、 終わらない週末だなんて想像できませんでした。 この世界の終末も一瞬で? 本書の原題は「LEAVE THE WORLD BEHIND」 『終わらない週末』とは、ずいぶん意訳したものですね。 Endless Weekend エンドが無い週だったら、エンドレス週末ですけど。 終わらない終末。落ちない落語みたい。 「自分たちは休暇中なのだ。外の世界を外へ ―― それがあるべき場所へ ―― 残したままドアをしめたのだ」(60頁) 読者が原題「LEAVE THE WORLD BEHIND」を直訳してみますね。 休暇中は《現実の日常世界は、後に残したままにして》 内なる異界に行ってきなさい。 「ここは外の世界から隔絶された場所で、それがこの家の一番の美点だと本気で思っていた」(90頁) 休暇中くらいは、現実の日常世界から隔絶された場所(別世界)で過ごしたいものです。 「千頭を超えるあのシカ」(193頁)。「たくさんのシカ」(217頁)。 「もしもアマンダがシカだったら」(254頁) 「シカ」の話が何度もたくさん出てきます。 (47頁、51頁、119頁、158頁、193頁、217頁、254頁、262頁、320頁、338頁、354頁) 一度しか出てこないのがシカでは? 寒いです。 「ノイズ」もたくさん出てきます。 「静かになるとより暗くなったように思えた」(262頁) 静かになると、より聞こえるノイズかな。 「スマートフォンは相変わらず世界とつながっていないようだった」(120頁) 世界と自分をつなぐものはスマートフォン。 「スマートフォンがなければなにもできないんです」(317頁)とクレイ。 そして、結末。 「もしも一日がどんなふうに終わるかわからないとしても (中略) 幸せに終わるかもしれないし、シカかほかのなにかが森の暗闇から覗いてくるかもしれない ―― まあ、 それは毎日のことではないか?」(353頁) シカしかわからない、一日の終わりかた。 週末の休暇の不安が未だ糸を引いている毎日も終わらない。 そんな週末が終わらないのは当たり前。 終わらない週末。 本書の結論は、幸運を祈るしかない、という一種のハッピーエンドです。 全員死ななきゃ終わらない終末論みたいな小説ではありません。 偏見に満ちた、ろくでもない毎日の繰り返しの、ノイジーな世界はそのままにして置いて、 週末くらいは、静かな別世界で缶コーヒーでも飲んで一服してください。 《備考》 《主な登場人物》 アマンダ クレイの妻。「四十三歳」(254頁)。「教員養成大学」(125頁)出。 クレイ アマンダの夫。英文学の市立大学教授。 アーチー ローズの兄。「十六歳」(337頁)の少年。歯が「五本」(334頁)も抜けた。 ローズ 「ロージー」(322頁)。アーチーの妹。「十三歳」(325頁)。 G・H 「ジョージ・ハーマン・ワシントン」(156頁)。黒人。ハーヴァード・ビジネス・スクール出。「セールスマン」(332頁)。「八万ドルの車」(317頁)に乗っている。 ルース 「六十三歳」(129頁)。黒人。有名進学校の入学者選考委員。 マヤ G・Hとルースの娘。「マサチューセッツ」(326頁)にいる。学校経営(152頁)。 ベケット マヤの子供。ルースの孫。 オットー マヤの子供。ルースの孫。 ダニー 「ハンサム」(330頁)な建築業者。 | ||||
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ディストピアや社会崩壊をテーマにした作品が好きであるため、かなり気に入った。 何か起きてるけどわからない、という状況が永遠と続くことの恐怖は、今までに味わったことがないものであり、面白かった。特に鹿の描写の不気味さは作品の不穏化を一気に引き立てている。個人的には、添えるような社会崩壊状況の解決が恐怖を煽っていてよかった。 難点としては、翻訳小説であるために仕方ないのだが、やはり言い回しが気にかかる。13歳の少女が急に母親に対して敬語になったり、息子を「大将」と呼ぶ父親の描写には違和感が残った。 しかし、作品全体を陳腐にするようなものではなく、最後まで一気に読み通すことができた。解明されない謎を知りたくて物語に引き込まれる展開は必見 | ||||
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