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晩秋行
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晩秋行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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主人公の行動に沿ってストーリーが進んでいくとは言え、ペラペラといろんな人におしゃべりしすぎな主人公。 一見ハードボイルド調のキャラなのに、こんな簡単に事業を明かす何も考えていなさそうな設定が合わないので、色々と話が進むと違和感ある。 話が着地すると思われる中でもうひとヒネリある展開はいつもの著者の作風でよい部分もあるが、せっかくの広がりもラストの投げっぱなしの終わり方で余韻よりも不満が残る。 ミステリーというかハードボイルドというかどれも中途半端な感じは、20年前のバブルの地上げを題材に組み立てていることにも寄るのだろう。 | ||||
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大沢さんの作品は好きでほとんど読んでますが、最近の作としては駄作!残念 鮫と、狩人以外はね | ||||
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読み進んでかなり経ってからですね、この小説が(三人称が使われてはいますが)典型的なハードボイルド形式で書かれていることに気付いたのは。二見元会長を捜そうという件にしても、主人公の円藤自身が積極的だったいうのではなく、かれが「巻き込まれる」かたちで進行していきます。いわゆる「巻き込まれ型」ですね。こういった形式の小説はひとつひとつ事実を積み上げていかなければならないし、現実離れした物語の進行は許されないし、かなり制約が多く、当然筆力が要求されます。最近の若い作家さんでこの形式を敢えて採用しようというひとには絶えてお目に掛かりません。では作者は何故もっと簡単なアクション形式を採らずに、こうした難しい書き方を敢えて選択したんでしょうか。それはやはり80~90年代に対する思い入れがそうさせたのだろうと思います。ロス・マクドナルドの『動く標的』などに代表されるように、この小説形式は世の中の状況や主人公の思い入れを描くのに大変適した形式なのだと思います。 ハードボイルドというのは話の進行とそのリズム感を楽しむもので、隠された謎とかトリックとか云った面では比較的単純であることが多い。(チャンドラーの『長いお別れ』が単純なトリックだったのかと訊かれれば、ああいったものは例外とお答えする他ありませんけどね。)それと場面が主人公が登場する場面に限られるため、どうしてもどこかに出来すぎた偶然が出て来てしまいます。この小説は確かに大変よく書けていますが、そういう面がないといったら嘘になりますよね。たとえば主人公が中村の家を訪ねたとき偶然藤田旅館の主人が中村の車を物色しているところにぶち当たるのなどは、その典型でしょう。それ以前に、奈緒子なんて登場人物もちょっと都合が良すぎるといわれれば、たしかに良すぎますよね。それでも後半に突入していく流れには流石と感じさせられるものがあります。 ただ不満点を書かせていただくとすると、物語が終了してもいろいろな絡みが全て解かれた訳ではなく、何となく不明瞭なままに残ってしまっっているところが多いように感じられることです。結局主人公は何を求めていたんでしょうか。そしてそれに対して回答を得ることができたのでしょうか。ハードボイルド作品は幾つかの話が絡み合うのが特徴で、必ずしもその全てに結論が出るわけではなことは充分承知しています。しかし主旋律については、キッチリ纏めるというのがルールだと思います。そういう観点から、著者の筆力には感銘を受けつつも、もうひとつ読後感がスッキリしなかったというのが正直な感想です。この感想欄にも「年寄りの女々しいだけの話」と酷評していらっしゃる方がいましたが、そこ迄は云わないものの、最後が解決より感情移入の方に流れてしまっていることは確かだと思いました。 | ||||
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30年経って人生の秋を迎えた者たちがうごめく。 読み終えてみれば主人公を取り囲む女狐数名と狸たちの化かし合いだった。 昔の女を30年も引き摺る主人公の心情には付いて行けなかった。 それと作家になった中村の死ってストーリー展開の上で意味あったかな。 まあ、慣れた大沢さんの文章だけにすらすらと読み進むことはできた。 | ||||
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かつての恋人との再会に劇的さがなく、30年経った風貌が??? 新宿鮫もそうだが主人公が老齢化して疲れてる感じは作家がそうだからか。 | ||||
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1960年前後にわずか100台程度生産されたフェラーリ2500GTカリフォルニア・スパイダーは、時価20億円もするらしい。 バブル崩壊時に不動産業を営んでいた男が、その車に主人公の恋人であった六本木のホステスを乗せてどこかに消えた。 それから二人は消息不明になるが、最近、その車の目撃情報があったというところから、話が転がっていく。 主人公はその不動産業の男に雇われていた元地上げ屋だ。 自分の恋人が、雇い主と二股をかけていたのかと苦しみながら現在まで居酒屋業を営んでいる。 バブル時代の雰囲気、銀座や六本木の夜の世界は、大沢在昌のお得意である。 ご都合主義としか言いようがない偶然がいくつもあるのだが、それでも、大人の純愛やかけひき、裏切り、打算が効果的に配置されていつも通り飽きさせない。 ただ、小さなことだけれど、主人公は30年間もフェラーリの目撃情報が無いのは、乗り回されていないからだと推論する。 どこかに隠されているのだと。 しかし、途中から目撃されたのはひょっとしたらレプリカではないかという疑問に囚われる。 これって、それまでの主人公の自問自答の筋道と矛盾するのである。 レプリカであれば、どんどん乗り回せるのである。そして乗り回せば、当然、目撃情報は巷にあふれることになる。 だから、わざわざレプリカかもしれない、という回り道をしてみせる必然がないばかりか、話が矛盾していかざるを得ない。 まあ、そんなおかしなところが散見されるのが、大沢在昌らしいと言えば言えるのだけれど。 軽いので、これも1日で読み終えたw | ||||
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