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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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一筋縄ではいかない、ホラー連作集。ネット上で「助葬師」を名乗るアキラと言う女子大生が、共通して出て来る人物であるが、第一話を読んだ時点では、まだ意味不明。 二話になって語り手が代わり、アキラにインタビューしている。これによって、アキラの存在が徐々に浮かび上がって来る趣向とわかったが、ホラーなストーリーが、前話との関係があるような、ないような不思議な感じ。 こんな感じで四話まであるんだけど、ホラーなのに余り恐怖は感じられず、アキラの正体が暴かれてゆくミステリーのように感じた。面白いんだけど、怖くないホラーは、いかがなものだろうか。ホラーでなく、ミステリーとして読めば良いのかも知れない。 | ||||
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作者の柴田勝家氏はお名前は存じ上げていたが(というか名前のインパクトだけなら現役作家の中でもトップクラスなので一度聞いたら忘れようが無いし)、作品を読むのはこれが初めて。 普段は取り上げる作品の導入部分をご紹介させて頂く所から入るのが基本的スタイルなのだけど……どうもこの作品とは相性が宜しくない。この作品4篇の連作短編で構成されているのだけど、恐らくは一通り読まないと個々の作品の意味がよく分からないと思われる。 第一話は中学卒業後すぐに引きこもりとなって15年を過ごした男の視点で親子関係があまり上手くいってない隣家の様子を眺める男の心象や、唯一の家族である父親が次第に狂っていく過程を追っているのだけど、この短編を読み終えても大半の読者は「???」という困惑しか残らないと思う。 しかもオチているのかどうかよく分からんまま、この第一話を読み終えたと思ったら第二話はいきなり視点がオカルト系サイトを運営している男の自称霊能者に対する奇妙な取材風景から始まるので「え、今まで読んできた第一話はいったい何だったの?」と困惑度はますます深まるばかりかと。 15年物の引きこもり男、オカルトサイトの運営者、スパチャ狂いの女子大生と個性の際立った語り手による互いの繋がりがはっきりしない短編が続くわけだが、それでも読んでいると「どうもこれは『呪い』『呪術』がテーマなのかな?」ぐらいは小生の様に察しの悪い読者でも朧気には見えてくる。 (ネット文化の流行はおっさんには理解し難い事が結構多いのだけど、第三話の女子大生の投げ銭生活なんかはスパチャというのが何が面白いのかよく分からん文化が非常に分かりやすく描かれており、これは中々ありがたい) 第一話では暦注の一つ「三隣亡」を巡って引きこもり男の父親が狂い始めたり、台湾の民俗文化の一つである「送肉粽」が絡んできたりと不穏な雰囲気を醸し出しているのだが、その呪いを誰が仕掛けているのか、どういう理由で呪っているのかも断片的にしか見えてこないので、これまた読者が頭の中で「つまりこういう事では無いか?」と繋ぎ合わせながら読む趣向となっている。 そしてもう一つ各話を繋ぐ存在として作中で起きる事件には「助葬師」なる、どこか怪しげな存在すら疑われるネットロア的人物が絡んでいる事も見えてくるのだが読者はこの人物の正体を推理しながら読み進める事になる。第二話以降でその有力候補っぽい登場人物が現れるのだが掴めそうで掴めない尻尾を前にしている様なモヤモヤ感が凄い。 無論最終章となる第四話で全てが繋がる種明かし的展開が待っているのだけど、そこで見えてくるのはこの4篇が一つの事件を視点を替えながら最初から最後まで追っていたという事実。各章で「あれ?なんでこのキャラいきなり殴って来たの?」とか「なんでいきなり気絶とかしてるの?」とかの訳が分からん描写が挿入されるのだけど、それも全部理由が見えてくる。 要するにこの作品巨大な「あぶりだし」みたいな物で断片がジワジワ見えてきて、最後まで読み切る事でようやく事の全容が見えてくるという構成に注力されているわけだ。かなり独特の構成と言わざるを得ない。いや、確かに最後まで読むと「おお、そういう事だったのか」と納得は出来るし楽しかったりもするのだけど、好き嫌いは分かれそうだな、と。 世の中には作中で時系列が飛ぶタイプの作品すら「話がややこし過ぎる」と嫌う方もおられるので、本作の様に「とりあえず全部読み切らないとさっぱり意味が分からない」というタイプの構成は途中で意味が分からんと放り投げちゃう方もいるんじゃなかろうか? いや、途中で飽きない様に上で紹介させて頂いた様な「呪い」という文化に関する掘り下げや、個性豊かな登場人物を用意しているのだと思うのだけど、それでも本作を楽しめるかどうかはじわじわと浮かび上がってくる巨大な炙り出しを最後まで炙れる人に限られるかと。 初めて読む作家さんだったが、なかなか読者に対して挑発的な作風であるなと思わされた次第。 | ||||
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○サンリンボー ○五月の節句に ○幸福な王子 ○スーサイドホーム 四作品収まった連作集。 読み始めの段階では話の繋がりがよく分かりませんが、一冊読めば、こういう構造だったのか、と分かります。 柴田勝家らしい民俗的な要素も含んだ家に纏わる怪異が題材なのですけれど、今一つ恐怖感の後押しが足りなかったかな、というのが正直な印象。 でも、シリーズ化していけば、味が出てくる作品になっていくかも。 | ||||
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