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蝶の眠る場所
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蝶の眠る場所の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.54pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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めぐる因果を中心に据えた物語で、人と事件の関係もわかりやすく、面白かったです。 事件と事件が結びついたときには、「そういうことだったのか…」と思いました。 ただ、重要人物の中にひとりふたり、不自然なほど、話の展開に都合のいい言動をする人がいて、気になりました。 | ||||
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死刑の唯一最大の欠点である冤罪を取り扱っている。 大事な人を殺された復讐を、代わりにやってくれるのが死刑制度である。 ここに異論はないだろうが、間違って無実の人を殺してしまうのが冤罪の怖いところである。 作中では、被害者、加害者とその家族を巻き込んで展開する。 何十年にもわたる冤罪が晴れたあとには、公権力のただの暴力だけが横たわる。 その怖さがミステリーの面白さと相まって描かれている。 冤罪が晴れて、真犯人が見つかることは稀である。 冤罪死刑は、被害者家族にとっても梯子を外されるようなものであり、誰の得にもならない。 そう考えると、死刑制度がいいものかどうか首を捻らざるを得ない。 | ||||
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作者は報道番組のキャスターを務める女性。その実力を遺憾なく発揮している。幾重にも織りなされたストーリー展開に通底するのは、浮き彫りにされた人の醜さだけではなく、慈しみや優しさに満ちた生きる希望でもある。 ネタバレになるので書けないが、個人的に感じていたことの裏付けとなる考え方も示されていて為になった。場面場面で示されるテーマがそれぞれ重要な社会的意義を持っていて、都度立ち止まり考えさせられる。 一気に読み終えたのだが、そう言う意味では、階段の踊り場で何度も休み休みの一気だったと言える。 とても良かった。 | ||||
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報道番組キャスターのデビュー作とは思えないストーリーと文章で、面白くて一気に読みました。冤罪や死刑制度を考えさせられましたが、それ以上に、親と子の愛情、家庭内暴力、里親制度など家族とは何かを問題提起しているように感じました。映画化されるのを期待しています。 | ||||
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終わり方も良かった。 | ||||
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さすが、記者さんのお書きになった小説ですね。 構成が素晴らしい。 ゆくゆくは直木賞も視野に入る才能をお持ちの作家さんですね。 | ||||
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「蝶の眠る場所」 ・舞台は、東京の町田。物語は、十歳の男の子が、小学校の屋上から転落した事件から始まる。 ・報道記者の榊美貴は、会社から十歳の男の子の転落死したことを伝えられ、調査に出かける。 ・調査をしていると、転落した男の子の母親の清水結子に出会い、息子さんが誰かに殺されたこと、義理のお父さんが20年前に、幼い少女と母親が殺害された事件の犯人として逮捕され、いくつか疑問が残る点があるものの、死刑判決が言い渡され、執行された家族であることを美貴に告げる。 ・美貴は結子の話をきっかけに、所属先の報道番組で、相原事件の真相を解明する報道番組を制作するため、結子の義理のお父さんの当時の担当弁護士や、当時の目撃者、検察、教誨師などから事情を聞いたり、当時の事件場や遺品から情報を収集し、事件の真実の扉を少しずつ開いていった。 ・最終的に、この事件の真相を掴むことができ、いくつかの弊害があったものの、相原事件の真相を暴いた報道番組が公開される。そして、意外なところで、冤罪事件の真犯人がわかる。 (真相が暴かれた後の世界はどうなったのかは、本書をご覧ください) この物語の鍵となるのは、ラスト6ページで書かれた最終章で、元死刑囚が教誨師に死刑執行する直前に渡した手紙だと本を読んで感じた。 自分が冤罪であるのにも関わらず、なぜ無実の罪を受け入れ、死刑を執行されたのかが、その手紙を読めばわかるからだ。 本を読み終えたあと、思わず、手を合わせてフィクションである登場人物の成仏を祈ってしまった。それと同時に、「蝶の眠る場所」に出てきたすべての登場人物の幸せと、自分自身の罪の懺悔と幸せを願ってしまった。 ・この本のキモとなるのは、ラスト6ページの最終章(手紙)であると私は感じている。その手紙を単体で読んでも、意味はわからないだろう。ぜひ物語の序盤からじっくり読み、最後までのこの本の世界を堪能してほしい。 | ||||
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ストーリーが非常に綿密に練られていて、その緻密さとストーリーの着眼点、意外性に思わず唸ってしまった。素晴らしい作品だと思います。 | ||||
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捜査現場、司法制度もかなり詳しく書かれており迫真迫るものがあった。 他方、ナチスのホロコースト、宗教についても深く考察しており深さをもたらしている。おすすめ出来る一冊です。 | ||||
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将来、映像化されることを前提に書かれている。 それは、主人公周辺のキャラクターが、 あまりにも狂言回しに使われすぎている部分に於いても 感ずるところであった。 もう少し、日本の司法制度や死刑制度についての 掘り下げが欲しかった | ||||
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本の題の「蝶の眠る場所」どんな意味を持たせるのかとても興味ありました。ほかの方同様とても処女作とは思えない作品です。思いもかけない展開に悲哀を感じました。次回作楽しみです | ||||
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「有罪率99%」と云われる、日本の裁判制度にも一石を投じる一冊だろう!!。本当にこの物語のように、極刑が執行された後に「冤罪」だと判っても、どうにもならない!。個人的には、「死刑制度」に賛成ではあるが、それは、「終身刑」と云う選択肢が現在のわが国の刑罰にないからだ。司直は「過ちを犯さない」と云う前提にも、疑問符を持ってしまった。もし自分に、身に覚えがないことで、「お話をお聞かせください」と同行を求められたら、頭の中は真っ白になるだろうと思う。 一人でも多くの人に読んでほしい一冊である。 | ||||
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「罰は受け入れます。でも、私は事件には一切関係していません」 そんな言葉を残してなくなった死刑囚の男と、小学校の屋上から転落死した男児。 二つの事件がどう繋がっていくのか、テレビ局社会部で記者の榊美貴が過去と現在の事件を追いかける展開は読み応えがあった。 冤罪と死刑という重いテーマにも関わらず、スピード感のある展開で一気に読めた。 突飛な発想で事件の真相に迫るのではなく、何度も繰り返し現場を訪問したり、関係者に手紙を出して話を聞きだしたりと、愚直に一歩ずつ事実を確認していく展開が報道記者だった著者の経歴を表しているようで、好感がもてた。 重苦しい展開の中にも、美貴の息子の陸のあどけなさや、アングルで編集マンをしている晶のキャラクターなど、ところどころに明るさがあったのもよかった。 「死とは、さなぎから蝶が飛び立つようなもので、肉体という殻を脱ぎ捨てて別の自由な存在になることなのだ。残虐な死を前にした人々は、死に永遠の安らぎを重ね合わせたのだ」 ポーランドにあるマイダネク強制収容所の壁一面に描かれた蝶の絵について、アメリカの精神科医の女性の話は印象的だった。 死と贖罪について考えさせられる物語だった。 | ||||
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とても処女作とは思えない物語の奥行きや、人物描写の妙。とても重い社会的なテーマを丁寧に丁寧に、登場人物の言葉にして問いかける。もともと死刑制度には賛成だったが、この作品の問いかけにそれもぐらついた。 何よりこの作品にあるあらゆる場面での細かい描写。いつのまにかまるで映像を観ているような錯覚を覚える。おそらく映画化もされるだろうが、観る必要も感じなくなるほどだ。 最終章の「手紙」には、冤罪による死刑囚にどっぷり感情移入して切なくなるが、読後感は爽やかではある。 脱帽。 | ||||
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序章から映像を見せられているかのようで、一気に本に引き込まれていき、読み終えるまで手を止めることが難しい一冊。 今の日本に存在し続け、表立って触れられる事の少ない死刑制度のあり方、人が人を裁く事の重さを痛感させられるミステリーである事はもちろん、登場人物それぞれが抱える心のひずみが繊細に描かれ、ふとした描写に涙がこぼれる。 読み終えて切望することは、ぜひ映像化したものを見てみたいという事だ。そして、美貴(主人公)のその後もぜひ綴ってほしい。 | ||||
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一気に読み進み、最後の章で泣かされた 傑作だ! 内容を文字にすれば 家庭崩壊 いじめ 自殺 小児性愛 警察権力 冤罪 贖罪 この難事語を見事に映像化 構成は緻密 情景描写は秀逸 これが現役TV報道記者の眼のなせる技か! 本作がデビュー作とは驚かされる 次作への期待 高まるばかりである | ||||
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物語の重厚感は他のレビューでも言及されている通り、登場人物のそれぞれの立場が丁寧に描かれている。また、著者がテレビ局の記者だからなのかもしれないが、著者の丁寧な描写により脳内に映像が広がるような感覚を覚えた。シリーズ化・続編を期待します。 | ||||
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多忙を極める報道記者として、主人公と重なる部分も多い多才な顔を持つ筆者。著書では様々な社会問題を提起しているが、中でも度々大きく取り上げられる冤罪について、主人公の鋭い洞察力で点から線へ、その先にある根深い闇へとメスを入れていく。記者としての経験を存分に盛り込んでおり、サスペンスドラマでもみているような臨場感があった。内容とは対照にテンポよく読める無駄のない文章は、東野圭吾や池井戸潤と通じるものがあり、どんどん引き込まれていく。ここ最近読んだ中でもっとも質の高い社会派ミステリー、多くの人にお勧めしたい一冊である。次回作に是非期待したい。 | ||||
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普段ノンフィクションものばかりで小説はあまり読まない自分でも、序盤からかなりのめり込んで読みました。ジャンルは「社会派ミステリー」ですか。著者のこれまでの報道/制作現場でのキャリアで得られた経験がストーリーの随所に活かされているのでしょう、嘘っぽさや軽さがなく、読者を惹きつけます。著者は主人公の榊美貴に自身の少なからずの部分を投影しているのではと思います。とにかく小説としての面白さは太鼓判です。 それとは別途、本作を読むことで現代社会が抱えるひずみ、問題点、人間としての根源「生と死」について改めて考えさせられました。例えば死刑制度1つとっても、今まで読んだり見たりしたどんなものより問題提起として腑に落ちました。 デビュー作としては出来過ぎなくらい素晴らしい作品です。たくさんの人に勧めたい本です。 | ||||
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河瀬直美監督の帯コメント通り、ゆるしとは、贖罪とは、と考えさせられる深く濃い作品。一方で、幼な子を愛しむような筆者の筆致はどこまでも優しく、情感と思索に満ちていて、詩的でもあり、また哲学的でもある。 筆者の経歴を生かした報道現場の空気感や登場人物もリアリティに満ちている。個性豊かな人物の一人一人が愛おしく、ページが残り少なくなってくると寂しくて、でも先が読みたくて、激しく葛藤した。是非、またこのチームで次回作を!できればシリーズ化して欲しい。映画や連続ドラマ化も切に願う。 | ||||
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