名もなき子
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この本は、ドキュメンタリー小説とも言うべきかもしれません。小説とは思えないほどのリアル感があります。日本社会の隅で厳しい生活を強いられながら静かに生きている人々を描いています。映画では、「この映画は事実に基づいて作られています」という文字が入ることがあります。このような映画には優れた作品が多いものです。この小説も同じように事実に基づいて書かれたものでしょう。 | ||||
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水野梓さんの「名もなき子」を先週末いっき読み。社会の闇や深みを抉る内容ですが、前作同様、社会的弱者に向けられた作者の視線は、どこまでも優しく温かい。主人公の報道ディレクターは夫を亡くしたひとり親。時々喪失感に飲み込まれそうになりながらも、真摯に仕事に向き合いつつ、まだ小さい息子さんに注ぐ愛情の深さに、以前シングルマザーだった私は涙が出ました。 貧困、虐待、差別、介護、無国籍と現代社会の問題がリアルに描かれます。 人間の価値を「生産性」で決める人たち。本人の努力とは関係なく決められる運命、命の選別。 重度知的知的障がい者の弟の成年後見人で軽度知的障がいがある息子を育てる私には「やまゆり事件」の悪夢を思い出させ、息苦しささえおぼえました。 でも、作者はこれらの問題にひとすじの光をみせ、ふわっと弱者たちを梓ブランケットに包む。 うちの弟や息子も包んで貰った気分になりました。そうさせる(ひきこむ)力がこの作者にはある。 勿論、簡単ではないけれど「無駄な命なんて何処にもないよ!」と叫ぶ声が聞こえたようで「そうだよーー!」 と心の中で絶叫してしまいました。 文句なしの良書です。 | ||||
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いつか迎えに来てくれる、と信じて、母の帰りを待つ「名もなき子」。優しかった母は、なぜ自分を置いて家を出て行ったのか。その母の驚くべき秘密が明かされる。母を思う子、子を思う母、その切なさ。大どんでん返しのフィナーレを迎える劇的な映画を観るような、鮮烈な読後感が残った。 | ||||
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著者、水野梓、の体験、知見、創造性を基に書かれた此の小説は既往のカテゴリーに属さない珍しい本であると思います。今の日本の社会が直面する多くの問題から特に人間を取り上げて、掘り下げて教えてくれます。TVの報道番組ディレクター(Single Mother) を主人公に設定したところから、種々の問題は、個人と社会の深みに切り込み、生存の意味を問いかけます。ミステリーではありません、主人公を囲む二重三重の実生活の中に一つのドラマがあり、その展開が読者を惹きつけます。登場人物の個性が見えるように描かれ、目鼻を覆うような場面が突き出され、それでも章の終りには遠くの雲、足元の花などの描写が和ませます。著者の見識の深さ、多彩な感覚、社会を見据えた思想が、此のカテゴリーに属さない小説を造り出したと思います。 隙のない文章には著者の悩みも見えました。一例として「もの」と「こと」。両者を概念として用いるなら悩むことはないのですが、「瞬間」はどうでしょう。私は此の一冊からいろいろなことを教えられました。有り難うございました。 | ||||
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問題提起に気持ちを奮い立たされ 本という有難さを強く実感しました 前作に引き続き満足の一冊でした | ||||
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