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じんかん
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じんかんの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 41~60 3/5ページ
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松永弾正久秀。 悪逆非道、不忠、欲深な振舞で知られる、稀代の梟雄。 もしあなたが、織田信長や武田信玄、伊達政宗などといった綺羅星のごとき武将たちのような、華々しくも雄々しい英雄譚を期待しているのなら、この話は残念ながら大きな肩透かしになってしまうかと思う。 ここに描かれているのは、一人の人間が、嫉妬と我執、欲と権力に満ち満ちた浮世で、足掻き、藻掻き、そして散ってゆく、そんなありふれた物語だ。華々しさや爽快感ではなく、泥臭くて地味。報われなく、遣り切れない。スペクタクルやエンターテインメントとして読もうとすると、読後感として楽しいものにはならないかもしれない。 けれど、もしあなたが、この人の世に生きにくさともどかしさ、悶々とした憤りを感じているのなら、この話はあなたの心に、きっと小さくない傷痕を残す。 人は何のために生きるのか。 この憂き世で、人は何を成せるのか。 その答えの一つが、ここにある。 小さな石を一つずつ、積み重ねていく。それが人の営みの全てなら、その果てに希望を見出すことにこそ、捨て石たる生き方の意義がある。 これは報われなくて遣り切れなく、優しくて勇敢な物語。 全ての弱き我らへ。 | ||||
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滅びゆく者に対する挽歌とでも言うようなやり切れなさと、悪漢の清々しい生き様。名作ではあるが、読み進める辛さはある。 | ||||
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ゲーム「信長の野望」をやったことある人の数はどれくらいだろうか?その人数プラスその他多くの人が、松永久秀と聞けば、嫌な印象しかないだろう。主君を暗殺、将軍も殺め、挙句の果て東大寺も焼く。茶器は何故かやたらいいものを持っていて、権謀術数の末、信長の前に果てる悪道。 そんな天下の厄介者の悪事が、我々の知る史実と違っていたら?その悪事にそれぞれ正当性があり、大義があるとすれば?知られざる名君と茶星に運命を導かれながら、全く新しい松永弾正久秀を思う存分楽しめる500ページ以上に及ぶ興奮、皆も思う存分堪能してほしい。あー楽しかった! | ||||
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今までの人生で読んだ本で、傑作と感じられた数少ない本の1冊。 買うとき、中古のわりに1000円超えで高いなと思ったが、これなら高くない。 本の世界に引き込まれてゆく。今年になって読んだ本、20冊ぐらいの中で唯一、またいつか読み返したいと思った。 この本の場合、あらすじめいたことは書きたくない。ほかの時代小説が、主人公の人生をたどることに主眼点が置かれてる。この本も、もちろん松永久秀の一生を書いたものではあるんだけど、そんな単純なものじゃない。深い意味がある本です。ぜひ読んでみてください。 | ||||
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歴史上の人物がこのような取り上げ方をされているのは初めてだ実に面白い。久々にはまった。 | ||||
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ストーリーは全く違いますが、なんとなく和田竜を彷彿とさせるエンターテインメント時代物です。 合戦の緊迫感、サイドストーリーのホロっと感など読者を楽しませる要素がてんこ盛りで一気読みでした。 乱世での人の命のあまりの軽さに憤りを感じ、何かを変えたいと思った男が居た… 始まりは応仁の乱から50年後、足利時代の末期。 終章はその50年後。織田信長の天下統一が目前に迫る頃。 その50年間を命を尽くして駆け抜けた一人の戦国大名の生き様を書いた物語です。 主を殺め、将軍を誅し、寺を焼くという世にも稀な三大悪を犯した大悪人と言われる人物を、全く異なるキャラクターとしてその半生を描きなおします。 | ||||
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久しぶりの戦国時代を舞台にした歴史小説を読了。直木賞候補の作品。松永久秀を主人公にして、幼少の頃からの生い立ちから、一国の殿となり、織田信長と相対して生涯をとじるまでの超大作。じんかん=人間=人と人の間=世間というテーマのようです。松永久秀という人物をかっこ良く描いていて、好きになりました。本作品は、人物や風景がイメージできて、500ページあるとは思えないくらい、非常に読みやすいです。 | ||||
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今まで、松永久秀のイメージは辛らつであった。 特に、東大寺大仏殿の焼き討ちのくだり。 ところが、ここ最近になってから、本書のように、人物像とともに、事の真相は見直されている状況にある。 ”じんかん”、人の姿かたち、人と人とが織りなす間を語っている。 それは生きることに尽きる。 ”一厘が人の強さ。最後までその一厘を捨てずに抗い続ける”。 ”迷いながらも一歩、また一歩と進んでいる”のが人間だと力説。 | ||||
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本の品質については、説明通りでとても美しく新品のようでした。 | ||||
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あまり扱われないテーマなだけに興味深く楽しめました。少々セリフが多いかなという点以外は最高です。 何箇所か電車の中で読みながら涙を流してしまった箇所があります。 麒麟がくると共に松永弾正を楽しめました。これからも時代劇書いてください。 | ||||
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昨今歴女にも人気が高い松永久秀をモチーフとした「なんちゃって時代小説」。 ご機嫌で饒舌な信長様による語りが導入というのも歴女意識? 本書の松永久秀(九兵衛)は、三国志で言えば「諸葛亮+劉備」的な人望ある知的君主。 弟長頼(甚助)は、幼い頃は張飛的だが長じて軍略にも長けた騎馬槍武者で関羽をプラスしたポジションの人物。 久秀麾下の瓦林総次郎は三国志的には趙雲で、キャラは新撰組の沖田宗次郎とこれまた歴女的に分かりやすい設定。 文章的には情景描写が少なくあらすじ的に物語をはしょっているのである意味無駄がなく、口語的でラノベのように読みやすい。 松永久秀の幼少から最期までを書いているのだから、このページ数でもあらすじ的になるのは致し方なく、昨今の歴史ゲーマー的には馴染みやすいので高評価なのだと思う。 「払暁」とか「逼塞」とか現代人に馴染みが薄い単語を多用して時代小説っぽくしているのがやや鼻につくが、歴女歴男のツボを押さえた構成はうまいと思う。 | ||||
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松永久秀とか三好とか細川とか、戦国時代の雑魚が京都のまわりでゴチャゴチャやってたという印象しかなかった。足利義輝をふくめ、大義の無いこざかしいやつらだろうと興味も持っていなかった。だから、その分面白かった。勝敗は時の運。きっとそれぞれに大義があり、理想もあったのだろう。そう考えれば、諸将の物語が浮き立ってくる。 民主主義的な理想は、やや時代になじまず無理な感じがしたし、果たして武士などというものが弱者に思いをはせたかどうか疑わしいが、物語なんだからそれもいいだろう。 | ||||
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歴史背景の解釈にご意見ある方もおありかもしれないが、素晴らしい物語であると私は思います。ありがとうございました。この様に想い馳せながら、歩んだであろうと思いたいし、また誰しも想う人間の儚さを改めて認識させられた思いです。 | ||||
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人間の中に現れた修羅を駆逐するという夢と共に戦った 大切な者を守らぬ神仏に人の強さを見せつけると戦った たった一人のために命を燃やそうと魔王に叛いて戦った 人と人とが織り成す間、その生き様と死に様に、涙した 天下の極悪人と呼ばれる老獪な戦国武将松永久秀 「八本目の槍」で吉川英治文学新人賞を獲得した今村翔吾氏が その若き日の松永久秀の姿から掘り起こした傑作である 歴史では、活躍した事実のみが記憶され記録される そこを強調した人物像が語られ、私たち読者は物語を楽しみ、戦国武将の生きざまを知ることができる しかし、著者は、名もなき者たちの苦悩の時代を 想像の翼を縦横に広げ、歴史小説の土台を熟知した著者ならではの生き生きとした描写と そして子供たちの悩みに真摯に向き合ってきた著者ならではの人の心を掘り下げることで 私たち読者は松永久秀が誕生する、その瞬間、に出会い、 魂を揺さぶられるであろう。 織田信長が憎いほどの演出で描かれるのも読者は驚かされるだろう そして織田信長という男の魅力にも魅入られるだろう 同じ講談社から発売されている「戦国の教科書」に 著者の今村翔吾氏の「消滅の流儀」が掲載されている こちらの教科書と合わせて読むことで 著者が描きたかった松永久秀の姿がより鮮明に印象付けられるだろう 「特別対談:北方謙三×今村翔吾」もついており その対談も、「じんかん」そのものであるかもしれない | ||||
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面白い | ||||
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今年の大河ドラマでも扱われた前半生不明の松永久秀の真の姿に迫ろうとした骨太の作品。ドラマでは従来の悪党(下剋上の代名詞)というイメージを覆し、有能・篤実な為政者として描かれていた。本作もほぼその線に沿っているが、加えて、久秀の成長過程を通して、人間(ひらがなで「じんかん」(この世という意味がある))の在り方、"夢"を追う人生の意義を飽くまで起伏に富んだエンターテインメントとして描いているという特徴がある。 本作は七章構成なのだが、まず、第一章の創意工夫に驚かされた。多聞丸(多聞山城から採った名前だろう)をリーダーとする孤児の少年(各自が独自の特技を持ち、忍者小説の様)・少女(美少女の日夏に多聞丸は惚れている)夜盗集団の群像小説の体裁。「国を持つ」と宣言した多聞丸はその時のために姓を"松永"と決めた挙句、罠に嵌って殺されてしまう(生き残ったのは日夏と後述の九兵衛・甚助兄弟の3名だけ)のだが、弟の甚助と共に遅れて集団に加わった知性派で能筆の上に修羅場に強い九兵衛(日夏が好意を寄せるので多聞丸が嫉妬する)が、多聞丸の姓と意志を受け継いで、武士、世知辛い世の中、そして裏切りを許さないと誓う波乱万丈の展開かつ清濁併せ呑む久秀の由来を解き明かして、これだけで満腹になる程の出来。それ以降も"信長"の聞かせ語り(即ち、久秀と信長を重畳させている)という形で本山寺の和尚に助けられた九兵衛達の青春期が語られるが、(自身を含む)民衆の苛酷な境遇に根差した九兵衛の「人間とは何か?」といった形而上学的思惟が色濃く出ている。そして、和尚の縁で止める日夏を宥めて九兵衛兄弟が武士を憎む(!)恬淡とした三好元長に仕える仕儀となる。「民衆の国」とするために全ての武士を殲滅し、最後には自身を殲滅すると言う元長の"夢"に九兵衛が当然共鳴して追随する辺りが本作の主旋律だろう。加えて、九兵衛・甚助の兄弟愛には涙腺が緩んだ。 紙幅の関係もあり、この後の記述は久秀と名乗った以降で、史実・従来の解釈を新しい視座で再構成したもの(因果応報と絆の描写が多くて胸を打つし、日夏との交情が気になるが)なので割愛する。時代小説の新しい担い手が出て来たとの感想を抱かせる傑作だと思った。 | ||||
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おっしゃる通り、胸アツ!魂が震えました。諸説あるとは思いますが、小説といえど今まで抱いていた久秀のイメージが変わりました。読者の多くは又九郎ではないでしょうか。是非、映画化を! | ||||
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こんなにも清々しく人間的な松永久秀を読んだのは初めてです。 人と人との繋がり、その縁を辿りながら「己は何者か?」「己が何者だったのかを、どう証するのか?」という問いの答えを追い求め続けたひとりの人間の人生が、同じように問い続ける孤高の魔王から語られます。主家乗っ取り・将軍殺し・大仏焼き払い、三大悪を為したと言われる武将の、人としての真実を新しい創作で描いた物語。とても胸が熱くなりました。 | ||||
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松永久秀の生涯に興味があり読んだが、この解釈が正しいかどうかより、 人の一生やかかわってくる人々の連帯感に引き付けられた。 諦めない生き方は、コロナの今、大事。 | ||||
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小説として大変面白く読んだ。松永弾正が三好長慶とともに行じた悪さをもう少し加えればもっとキレが増したような気がする。 | ||||
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