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黄金旅程
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黄金旅程の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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つくづく人間は勝手なものです。農耕の道具として利用していた馬は、そのずば抜けた走力ゆえに競争させることが巨大産業化します。人工的な繁殖で競争に勝てる遺伝子を徹底的に保護します。人間では許されない「優性主義」を突き進み、調教という名の強制労働を強いてレースに参加させて「愛」「夢」という名のもとに結局は「金銭」でしか換算できない価値によって生殺与奪を決定してゆきます。まさに博打の「駒」として使いつくします。 競走馬は引退後にあまねく乗馬になれる、と根拠のない説を信じようとしたり、馬肉は食べないと言い張るファンもたくさんいます。 そんな現実の中で絶望ではなく希望のためにもがくひとたちもたくさんいて、悪いことばかりではないことをちょっと強引ではありますが直球勝負で描き切った作者の筆力には脱帽です。 安易にスマホを持ち込むまえに、規則のなかでの職業であり、すべて他人のお金での生活保障であることをほんのちょっとだけでも教えたり考えたりする機会を若者に与えられなかったことは痛恨の極みだと思いました。 | ||||
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これから読む方へ 結論 ・ステイゴールドをモデルとした競走馬の裏側や関係者の話を期待している人には不向き。 競走馬関連は主人公を飾るアクセサリーで、雰囲気ファッション要素になっている。 ・なんか専門性の高い仕事しててモテるハードボイルドな「私」に自己投影できる人、小さい牧場しつつ半自給自足みたいなゆるスローライフに憧れてる中年向け夢小説と思えば失望しない。 詳細 ・主人公の設定が活かされていない 主人公は「競馬学校では天才と肩を並べるほどだったが身長で中退」した過去を持つ、「弟子を取らない頑固な名工に唯一認められた装蹄師」で、「養老牧場主(G1馬一頭のみ)」ですごい盛った設定なのに、「腕の良い装蹄師」としても「養老牧場主」としても「優秀な元騎手志望者」としても、主役馬エゴンウレアの活躍に貢献していない。 エゴンウレアの馬主と知り合いのおっさんになっている。 (正直主役馬であるエゴンのことすら「本物の名馬に認められている俺」「見る目がある俺」のアクセサリーになっている感。) ・競走馬 < 酒(食)、金、女 馬関係よりも、知り合いと飲み食いしてる描写の方が多いかもしれない。 人馬のドラマはないに等しい。 元天才ジョッキーとエゴンウレアとの過程もほぼない。なんか天才が乗ったら馬も調教に真面目になった、ついでに乗り役も見直したら結果が出たというだけで工夫描写なし。 出来事の大半が ①元天才ジョッキー幼馴染の借金 ②健康的にエロくて、俺のことを理解して、最初から積極アプローチしてくるいい女との色恋 ③前述二人を狙うやくざ者撃退 であり、その問題対応の合間に主役馬の描写が挟まれる程度。 人間の種付け描写は、競走馬描写を期待していると蛇足の極みだが、中年向け夢小説として必須なのはわかる。 ・主人公をかっこいいと思えるかが鍵 頭に血が上ると何をするかわからない、という特徴をかっこいいと思えるかで評価が分かれる。 主人公が、金のために馬を虐待した人に「俺たちの世界を汚すな」と脅す際に仕事の道具を使ったのは、人に直接向けてはいないとはいえ、誇り高い職人描写と発言に矛盾していた。 この作品は、衝動的な正義感からの暴力をかっこいいと暗に肯定している(それで作中価値の高い女性から異性として評価されている)。 女のためにけがをして、オレってバカだからさ…(鼻を擦りながら)を本気でかっこいいと思ってやってる世界観(自分のために無茶をした主人公に対し「馬鹿なんだから…」と惚れ直すいい女もセット)。これに乗れるかが鍵。 ・競走馬関連の解像度が一般競馬ファンレベル 取材したり調べたりしているか疑問になるレベル。 主人公は、馬主家族と飯食いながらテレビの前でレースを見てるだけで、ファンと大差ない。 競走馬関係者の視点とはいいがたい。 全体的に 本当は競走馬に興味がない、競走馬のことはもう全部わかっていると思っている人が書いているように思える。 他の方も書いていますが、「競走馬」というよりも、「競馬が好きな自分」が好きな人、馬を知っていることにステータスを感じる人向け。 | ||||
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競馬小説を書くのはさぞ大変だろうと思う。どうしてかというと、競馬の世界では事実が小説よりも奇であることが多いからだ。 競馬村には、まるで映画かコミックのような人生を送ってきた人が普通にいるし、競走馬はしばしば作家が夢見る以上にドラマティックなことをやってのける。結果、競馬関連の読物の中ではノンフィクションが圧倒的におもしろく、逆にフィクションが現実を超えて成功を収める例は稀だ。 だから、筆力と取材力に自信がある人なら、ステイゴールドやオルフェーヴルをモデルにした小説を書くより、ステイゴールドやオルフェーヴルについて書いた方が断然効率がいい。現に、石田敏徳著『黄金の旅路』(講談社、2014)や『ステイゴールド 永遠の黄金』(流星社、2002)などの好著がすでに存在する。 そうして、ここでもまた小説家の前に高い壁が立ちはだかることになる。日本には、錚々たる競馬ノンフィクションの達人が(故人も含めて)少なくとも10人はいるのだ。 この十傑を向こうに回し、敢えて「フィクション」という形式にこだわって作品を発表するからには、それ相応の覚悟がいる。果たして『黄金旅程』の著者にはその覚悟があっただろうか? 架空の名馬エゴンウレアは、その美々しい猛獣ぶりで、実在の馬たちを凌駕するほどの存在感を示しただろうか? 本書はAmazonから、辻谷秋人氏の最新刊(『そしてフジノオーは「世界」を飛んだ』 三賢社、2022)と一緒に届いた。箱を開けたとき、たまたま上にあった辻谷作品の方を先に手に取った。 これが勝負の分かれ目だった。もしフジノオーを先に読んでいなかったら、私は『黄金旅程』に気前よく五つ星をはずんでいたかもしれない。 だが、ノンフィクションはやはり強かった。(そしてメチャメチャおもしろかった!) | ||||
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濃密な競馬小説を期待したが自分には物足りない...というか求めていたものとは違う作品だった。 主人公は日高で養老牧場を兼業する装蹄師。一応ステイゴールドの生産牧場と関わりがあり装蹄を担当しているという設定で、有力者AとBを取り継ぐ...と言った形でステイゴールド陣営と関わりを持っていくが、実質的には傍観者に近い。 養老牧場や装蹄など競馬の裏側の描写はなんだか薄味で、やっぱり競馬に関わってない人の書いた小説という感じがする。 一方で現地の風景描写や日高の現状についての描写はなかなか良かった。 物語の中盤あたりからはステイゴールドから大幅に脱線して主人公の色恋話が展開される。これがまた本当にどうでも良い内容なのにタラタラ長く描かれていて...挙句の果てにはディックフランシスばりの探偵アクション物語になって驚き桃の木山椒の木。今何の小説読んでたんだっけ?(犬笛のトリックもディックフランシスの小説で見たのと同じ、、、) ようやく脱線が終わったと思うと主人公たちがステイゴールドに自分の人生の選択を託していく。お前が次のレース勝ったら俺は告白するぞー!私は親の牧場を継ぐぞー!みたいに。どっかの小説で読んだような展開。優駿だったかザロイヤルファミリーだったか。 ここまでで無駄に尺を使ったおかげか知らないけど、肝心のステイゴールドのレース描写が足りない...特に香港ヴァーズ。 一番気に入らないのは、ガールフレンドから馬主、ヤクザに至るまであらゆる登場人物が主人公に謎にベタ惚れしているところ。読んでいても特段魅力がないのにあらゆる人が向こうから擦り寄ってくるのには気色の悪さを感じた。世界の全てが主人公に都合よく回っている違和感。 まあつまりはこの小説は、「ステイゴールドが好き」という一要素を持つおじさんの話であって、ステイゴールドの小説じゃない。 おわり。 あと小説中ではステイゴールドはエゴンウレアという名前になっていてこれも個人的にはマイナスポイント。だって語感が悪いから。 | ||||
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他のレビューにもありますが、女医さんとヤクザのくだりからはだいぶ読み飛ばしてしまいました。レース結果も想像つきますし。 ステイゴールド好きは期待し過ぎず読んだ方が良いと思います。 | ||||
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競馬ファンであれば表紙、題名を見ただけでピンとくると思う。 競走馬に関わる人々の現場、競馬世界の光と闇。中盤までは確かに面白く、楽しめて読めていた。 ただ一人のキャラクターが物語を台無しにしていることが残念だった。 序盤からなぜか主人公に色気を出してグイグイくる女性獣医師。彼女が登場するだけでイライラした。 終盤の濡れ場。ここで一気に作品の質が落ちてしまった。読む気をほぼ無くした。 真摯な競馬への思いを書いた作品ではなかったのか。期待値が大きかっただけに、本当に残念。 濡れ場のせいで、高校生の娘に読ませようかと思っていたが出来なくなった。 あのキャラクター、本当に気持ち悪すぎて。。。勿体ない。 | ||||
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全体的な内容は概ね満足でテンポよく楽しく読めましたが、中盤の地震と濡れ場の必要性は疑問でした。実際そこでページをめくる手が止まりました。あと主人公の前時代的ヒロイックさが感情移入出来ませんでした。フィクションの主人公とはこの程度なのでしょうが…。競馬が好きな方ならば楽しめるかと思います。 | ||||
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