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邯鄲の島遥かなり
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邯鄲の島遥かなりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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上中下の長い話だが、飽きることなく、2日で読破。主人公が入れ替わり、この島の歴史を 辿っている感覚が好きです。 | ||||
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横溝正史➕歴史モノみたいな感じかな、と予想しつつ読み始めて「あれ?違う」となりました。正直そこまで面白い感じでもなく、それでもなぜか先が気になって上・中巻と読み進めました。一つ一つの話は、中巻に出て来る千里眼の女の子のように「ホンモノとは言い切れないけどまるきりニセモノとも思えない」ぐらいの読み心地。でも下巻まで来ると次の話に前の話の登場人物のその後がさりげなく描かれているとなんだか嬉しい、ぐらいにはまっていました。最終話まで読み終えた今は私自身が、「島の火口の淵に陣取って訪れる本土(くが)の観光客に、かつてこの島であったあれやこれやを語って聞かせたい島の古老」になったかのような不思議な読後感でした。こういうのもある種の叙述トリックなのかも、と思いました。 | ||||
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小生は、書籍の発注に際して一番に注視するのが、「ほぼ新書」との評価です。しかし今回納品されたものは、いくら中古品とはいえ使用感など、とうてい評価とはかけ離れたものでありました。非常に残念でした。 | ||||
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戦争が近づいてくる時代的に仕方ないけど、前編の先の未来の輝きを感じる人々から一転悲しい人生を歩まざる人が多くどんよりと読ませるシーンの登場人物も多い。 それでも島で暮らす一ノ屋一族みんなの人生が愛おしく応援したくなる。 緩い感じで前編からつながる人間関係も読んでいて楽しい。 一ノ屋の人も色々なタイプがいるが、島の為に立ち上がる人ほど悲しみと苦しみがある。 中編で戦争は終わり、下巻はまた希望に満ちていると良いな。 | ||||
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新選組の生き残りイチマツが島に帰ってくることから、明治から大正にかけての一族の人々の話が始まる。 イチマツが主体の話かと思いきや、次々関係する女性とその子供、孫といくつもの話が繰り広げられそれぞれ繋がっている構成が巧みである。 どの登場人物もそれぞれの立場で必死に生きている様とどこかに一族の使命をおぼろげながら感じている様子を踏まえての人としての描写が魅力にあふれている。 終着点がどうなるのか想像つかないが、先を読みたいけどあまり急いで読みたくない。 中・下と入手済だが、一気読みはもったいないので、じっくり楽しみたい内容である。 | ||||
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一気読みがもったいないほど、興味深い内容と読みやすい文章です。 | ||||
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一、中巻について ○中巻は昭和の始まりから太平洋戦争末期まで。 ○第8部から第13部までの6編。イチマツの孫たち、ひ孫たちが登場する。 ○第8部 第一回男子普通選挙 ただの会社員なのに、島のため政治家になろうと帝国議会議員選挙に立候補したイチマツ孫世代の孝太郎。対立候補の小学校教員との一騎討ちとなり、戸別訪問のお土産買収作戦がエスカレートしていき、住民の要求も上がっていく。一応、政治小説。 ○第9部 ご落胤騒動始末 島で唯一の大会社一橋産業を創った平太の死後に、死んだ母親から平太の子だと言われたという九歳の女の子が東京から一人で島に来て、平太の屋敷に訪ねてくる。女の子には肘にイチマツ痣があった。リラックスタイムのような作品。 ○第10部 人死島 島での心中がブームになって、年間100人以上の自殺者が出る。その後、幽霊がブームになって観光客が増えるが、実は・・。一方で、島の造船所で軍用艦を作る計画が実現する。これが第13部の島の空襲につながる。 ○第11部 超能力対科学 予言予見透見のできるひ孫世代の超能力少女ハルのカルタ千里眼芸。なぜか中巻はこういう話が多い。空襲を招く軍用艦作りに比べれば、害は小さいということか。 ○第12部 勝ってくるぞと勇ましく 崖から落ちて片膝を痛めた孫世代の幸吉は杖なしでは歩けない。妹の友達の姉で本土出身の清楚な美少女高梨小百合に恋をする。膝のため徴兵検査に落ちるが、友人は出征して戦死する。母はこっそりと幸吉が死ななかったことがうれしいと告げる。 ○第13部 子供たち 中巻のハイライト。孫世代で子供のいない雑貨屋おかみの征子から見た、いとこの子供たちの話。 昆虫学者になる夢を持つ創平は幸運の象徴のタテハモドキを捕まえられないまま、出征する。征子は山でタテハモドキを捕まえようと奮闘し・・。 メイ子は幼い頃から男女同権を主張する女の子で、幼馴染みの大樹にままごとで母親役をさせている。学校の女教師にも男女同権を主張して、居残りとなってしまう。それでも出征する大樹から懇願されると夫婦となる・・。 1945年2月、造船所のある島は爆撃され、征子はメイ子たちと、火と熱風と煙の中を逃げ回る。ここは悲しいパニック小説。 二、私的評価 ○第12部と第13部に感動したので、☆☆☆☆☆とした | ||||
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一、全体について ○新選組の残党で、美貌のイチマツが島の女性数多くを愛人にして、13人の子供を生ませる話から始まり、子供世代、孫世代、曾孫世代・・・と続いていく。上・中・下巻。全17部の中編から成る。 ○私はキンドルで読んでいるので、単行本の厚さは実感できないが、内容紹介によると、上中下巻で1700頁を越えるようである。 3200枚を読んだ感想を一言で言うと、たいへん読みやすい本である。安くない本なので、つまらなかったら上巻だけにしようかと思ったが、止まらずに中巻、下巻と買ってしまい、一気に最後まで読んでしまった。 ○全17部の基本は歴史小説だが、艶笑小説風、ユーモア小説風、冒険小説風、人情小説風、パニック小説風、教養小説風、スポーツ小説、政治小説風、詐欺小説風、フェミニズム小説風、ジェンダー小説風と色々交じっていて、楽しめる。 そして、一番多いのはラブストーリー。異性愛が多いが、同性愛もある。また、悲恋や、結婚と無関係の恋もあるが、多くはロマンチック・ラブである。 ○神生島の位置については、はっきり書かれていない作品が多いが、下巻の「第15部野球小僧の詩」で島の中学校の野球部が都大会の大田区予選に出場しているので、東京都の離島である。人口は平成の噴火時の時点で約8千人。 ○私がこの作品で特に気に入ったのは①素敵なラブストーリー、②エスカレートするユーモア、③ノスタルジアの三つである。 二、上巻について ○明治維新から関東大震災後まで。イチマツから孫の世代まで。 ○第1部 神の帰還 一ノ屋一族の当主イチマツが島に戻り、数多くの女性を愛人にして、13人の子供を作り、島を去っていく。イチマチが女性の体に接吻すると、そこが唇形の痣になり消えなくなる。この痣はイチマツの子孫に受け継がれ、この痣のあることがイチマツの子孫の証しとなる。 ○第2部 人間万事塞翁が馬 息子の一人の平太が、本土で学問をして島に帰り、油工場を作り、日清日露を背景に発展していく。歴史経済小説風。 ○第3部 一ノ屋の後継者 息子の一人でくじ引きで当主に選ばれた晋松の女性にモテない苦悩。洞窟冒険小説となり、最後はラブストーリー。 ○第4部 君死にたまふことなかれ 娘で与謝野晶子信奉者の容子による島の女性の反戦教育が、次第にエスカレートしてセックスストライキの煽動に至る。 ○第5部 夢に取り憑かれた男 徳川ご用金探しの夢に取り憑かれた孫世代の小五郎。ちょっと悲しいラブストーリーもあり。 ○第6部 お医者様でも草津の湯でも これはすごい。清楚で美貌極致の処女鈴子(孫世代)を巡って、男子生徒たちが求婚合戦を繰り広げ、どんどんエスカレートして、存在自体が島の男を狂わせるに至る。 第7部 才能の使い道 芸術家才能のある孫世代の良太郎の未来選択。 | ||||
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一、下巻について ○下巻は終戦から令和の初めまで。 ○1巻で4編なので、どれも比較的長い。イチマツのひ孫、玄孫たち、来孫が活躍する。 ○中巻では清楚な美少女高梨小百合が登場したが、下巻では東京に出てアイドル歌手を目指す美少女南野理香が登場する。戦後再建された紀伊國屋には『新寳島』が並んでいる。 ○第14部 明日への航路 顔の半分に大火傷を負って復員したひ孫の信介が、本土との交通の途絶えた中で、帆船を使って本土に渡り、島に必要な物資を運び、連絡船の会社を再開させ、島の英雄となる。信介と一緒に住む戦災孤児の勝利は、信介の幼なじみで、相思相愛の良子を結び付けようと奮闘するが・・これも素敵なラブストーリー。 ○第15部 野球小僧の詩 中学高校と島の野球部で活躍する玄孫の静雄の話。甲子園を目指して本土の予選を勝ち抜き、決勝戦がハイライト。ちょっと長すぎる感もあるが、野球の好きな人は楽しいだろうな。ロマンチックラブストーリーもある。 ○第16部 一ノ屋の終わり 一ノ屋本家の跡取りなのに、同性恋志向を有し、女性を抱けない松人の苦難の人生。歌手になった同級生南野理香との友情は保たれる。 ○第17部 邯鄲の島遥かなり 静雄の娘で、平成直前の昭和65年1月生まれの育子の話。イチマツから数えると公孫となる。島の火山噴火で全島民避難となり、本土の高校、大学と進み、両親は復興した島に帰る。大学四年時に東日本大震災が起き、ボランティアに出る。本土の銀行に就職するが、ボランティアで知り合ったアルバイト青年ヨシアキにアタックされ、結婚を前提としない同棲生活に入る。しかし、、ヨシアキが神生島に熱烈な関心を示すようになり・・大長編(連作中編?)大年代記の最後を飾るにふさわしい傑作。 二、私的全巻ベスト5 ○第一位第14部明日への航路(下巻)、主人公信介。第二位第6部お医者様でも草津の湯でも(上巻)、主人公夢子。第三位第17部邯鄲の島遥かなり(下巻)、主人公育子。第四位第13部子供たち(中巻)、主人公征子。第五位第12部勝ってくるぞと勇ましく(中巻)、主人公功吉。次点第1部神の帰還(上巻)、主人公イチマツ。 | ||||
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