紙の梟 ハーシュソサエティ
- 別荘 (163)
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酷いことをしたのだから死刑は当たり前と思っていた。けど死んでないならどんな事をしても死刑にならないなんて、殺されるより大変なのに。お話は4つ。助けた事で襲った男が死んでも、それも死刑。息子がいじめに遭っていて、父と子の話し合いは良かったでも義理の父がビックリ。勘違いで殺す。偶然母親だった梟の折り紙。死刑、、考えさせられた。 | ||||
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久々の貫井作品。十分満足できるデキでした。 好きな作品の順番は以下の通り ① 「レミングの群れ」 :いじめにまつわる断罪を題材にした思考実験。面白いけれど、これどうやってオチをつけるの?と思っていたらまさかの終盤。「おい!イチロー!!」と絶叫してしまう想定外の結末。そういえば、貫井さんはそういう作家だった。「こういう文章でこんな話を書く人は、まさかこんなトリックは使わないだろ」ということを平然とやってのける。そこに痺れる、あこがれる(褒めています)。 ② 「紙の梟」:濃厚な人間ドラマ。一人の女性の死亡に端を発する過去への遡行。ラストが素晴らしい。でも、「こういうのは求めていない」と怒る人もいるのだとは理解できる。 ③ 「見ざる、書かざる、言わざる」:楊貴妃も青ざめるグロテスクな犯罪。乙一が書きそうな話。冒頭で本を置く人はいるだろう。私は好きだが。 ④ 「猫は忘れない」 :これってひょっとして…と思いつつ読み進めると、案の定な顛末。作品全体のテーマがテーマだけに、このような一本を入れることは不可欠だったのだろう。 ⑤ 「籠の中の鳥たち」:決してつまらなくはないが、動機があまりにも稚拙で不自然。あと、なんで硫化水素を確信できたのか? | ||||
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貫井徳郎らしい社会の雰囲気を物語に織り込んで展開される。 人を一人殺したら理由の如何を問わず死刑になる。 殺害の意志がない場合や、死ぬための何らかの理由が出来て殺人を犯してしまう場合など、単純な分かりやすい人を死なせれば死刑が相応なのかという場面以外を読者に考えさせる。 どのストーリーも読ませるし面白いミステリー仕立てになっている。 ただ貫井徳郎の作品として捉えると、背景の重さや社会的な抑圧などいつもの重厚さが物足りなく感じてしまう。 | ||||
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どんな理由であろうと、1人亡くならせたら死刑 そんな設定のシュミレーション小説 こんななっちゃうんだとリアルに読めて良い 正当防衛でやってしまった加害者に、知人が 自首なんてしないでと言うシーンがあるが、 なるほどなと 色々考えさせられておもしろかった | ||||
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副題のハーシュソサエティとは厳しい社会という意味らしい。 物語は、人を一人殺したら理由に関わらず死刑になるという世界で繰り広げられるミステリ小説。 では、 ・人を殺していないが、目、耳、舌を奪ったらどんな罪になるのか ・正当防衛や殺人者をかばったらどうなるのか ・いじめによって自殺したらどうなるのか ・証拠不十分で逮捕できなかったらどうなるのか ・被害者遺族が、死刑を望んでいなかったらどうなるのか が、それぞれの短編で描かれている。 犯人への憎しみだけを支えに生きていたのに、死刑によりその支えが失われたら何を生きがいにすればよいのか。一方で、犯人を赦すこともできず苦しみ続けるのもつらい。死刑をテーマに様々な視点から考察されていたのが素晴らしかった。 どの短編もよく考えられていたが、個人的には、「レミングの群れ」がもっとも恐ろしくて楽しめた。 いじめを苦に自殺した中学生に対して、SNSで情報を晒されたいじめっ子や知らん振りした教員たちが、利害関係のない第三者に殺害されていくという話。この第三者は自殺願望があるものの自殺する勇気はなかったが、いじめっ子を殺すことで社会正義として賞賛され、国家の手によって死刑にしてもらえる。死刑判決がなかなか出にくい場合は犯行のハードルも高かったが、死刑判決が簡単に出されることによって、逆に死刑は抑止力を失うという皮肉な内容だった。 全体を通して、死刑の意義について、様々なことを考えさせられる物語だった。 | ||||
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