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構造素子
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構造素子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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L-P/V基本参照モデルという概念を扱いつつ、物語の中で物語が階層的に展開される。独特の読書体験で目新しく、意外性のある展開も仕込まれている。 一方で、序盤から作中作が長く語られ、その間、登場人物に感情移入しにくい点、物語の起伏が弱く感じる点がネック。 また設定面も、基本参照モデルは複数の要素からなるのに作品で主に扱われるのは一部分だけであった。スケール感の大きい設定で、最初は作中でこれをどう扱うのかワクワク感を覚えただけに、残念だった。 文章表現は、独特な文体でやや難解だが、刺さる人には刺さると感じる。 | ||||
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いい | ||||
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本作はSF小説であり、エンタメ作品ということらしい。そして自分は本作をまったく面白いと感じず、読むのが苦痛であり、だから星一つをつけた。もちろんこれだけだと所謂ノットフォーミーというだけのことであり、話が終わってしまうので、もう少し何か書いてみたいと思う。 本作では、数理論理学や数学基礎論を思わせる用語が、冒頭から洪水のように押し寄せてくる。最初のページではまず 「「A=’A=false and A=true’」。以下の文字列はその論理式に含まれる。」 と前置きされる。しかし評者の論理学の知識に照らすと、これは論理式ではないし、強引に解釈しようとしても何を意味しているのか見当もつかない。その後も「L-P/V基本参照モデル」などという、数理論理学にインスパイアされたであろう用語が並ぶ。それらに論理学的な意味はないが、「それっぽい」記述が延々と続くので、論理学の知識があればあるほど頭が混乱してくるのは間違いない。インターネットで「日本人だけが読めないフォント「Electroharmonix」」というのを見たことがあるが、あれに似ている。 もちろん、本作はSF小説であり、エンタメ作品ということなので、論理学的な正確性など全く重要ではないはずだ。たとえば、エヴァンゲリオンに出てくる宗教用語らしき何かに意味はないとか、スターウォーズがあらゆる物理法則を無視しているとか、そんなことを糾弾しても仕方がない。実際、評者はエヴァンゲリオンやスターウォーズの大ファンである。したがって、つまるところ本作の問題は、面白くないことである。少なくとも評者にとっては。 巻末の「選評」で、小川一水氏が以下のように述べている。 「冒頭に示された「A=’A=false and A=true’」は多義的な解釈ができる論理学の命題だが、ここでは恐らく「この話は偽である」と言っている。」 評者の論理学知識では、そのような解釈ができることは思い至らなかった。もしかしたら、本書を「面白い」と思うために必要なのは、このような卓越した読解力なのかもしれない。 | ||||
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ポストモダン哲学で痛い目を見たはずだけれど、こういうの(e.g., 千葉雅也の文章やゴジラSPの会話)は、もういい加減やめましょうよ。この本が「選考会で絶賛を浴びた、現代SF100年の類い稀なる総括」とか言われているから、翻訳可能で世界中の誰にでもちゃんと読めて、そして感動できるテッド・チャンや中国SFに完全に負けているんでしょう。 私は、いちおう科学者・研究者として日々仕事をしています。研究をして、英語で論文を書いて、学会発表をして、ときには海外で講演をしたりしています。日本の科学力の衰退が叫ばれて久しいですが、それはいくぶん国の政治や文部科学省のせいも多少はありますが、やはり大学や教育をする者(私を含めた我々自身)の責任の方が遥かに大きいと思っています。まあ、大学教員のほとんどは、国が悪いとSNSで愚痴っているだけですが・・・ 同様に、日本のSFをダメにしているのは、作者自身とそれを評価する身内、つまり業界全体が自滅しているだけではないでしょうか?と、この本を読んで強く思いました。別に、中国SFを持ち上げるわけではありませんが、ちゃんと「翻訳可能な文章」として世界に輸出できるような、感動できるような、世界の読者を獲得できるような、そんな世界標準の物語を書けるSF作家は日本にいないんでしょうか?芥川賞作家の円城塔ですら、ほとんどの作品が英訳されていない状況は、かなりやばいのではないでしょうか? 日本のとある数学者は、誰にも理解できない論文を500ページ書いて世界から顰蹙を買い、それでも日本人はみな絶賛していましたが、身内受けもいいところです。日本人って昔からこうな気がします。 | ||||
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著者の他作品が好きで手に取ってみました。 書き出しから世界観が全くわからず、挫折。しかし、なんとか読んでみたいと再挑戦した際、巻末の便概に気づき、かなり理解の助けになりました。が、やはり最後まで読み通せませんでした。 作者が「参考」として付記したあとがきには、「あらゆる理解は誤解である」と記され、また「あてもなく書き始めた」小説であることが明かされます。もはや読解を拒否しているのかも知れません。 そして単純に、面白さを感じる部分がありませんでした。 これはハヤカワSF大賞だというのは甚だ疑問ですが、意欲的にSF思考を世に発信する著者を見出してくれた意味では良かったのかも知れません。 読まれる方は覚悟して、もしくは冒頭数ページや巻末の便概をチェックしてから読み始めることをオススメします。 | ||||
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テーマへの取り組み上必要とはいえ、さすがに読み辛いにも程がある。そもそもテーマ自体そこまで目新しいものでもないので、頑張って読み解いてこれか、という感もある。私の読解が足りないだけかもしれないが。本文後の”参考”で言い訳から始まるのも気分が悪い。 これがSF大賞は流石に時代錯誤が過ぎる。古の翻訳SFではあるまいし、難読文であればそれ相応の内容が伴ってほしい。 | ||||
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文章構造文体共に欠陥があり、とても義務教育を受けた人間が書く文ではない 内容、世界構造の甘さを文章量、読みづらさでごまかしただけの中身のない本であった。 まともな本を読みたい人が購入しても時間をどぶに捨てるだけの行為になってしまうため 購入することをお勧めしない。 これが大賞に選ばれる選考にも問題がありそうだ。 | ||||
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小説の構造としては理解できても作品としては特に面白くないので 「まるであらかじめ何かの目的を持って書かれたツールのような読みざわりだな」と思っていたら、文学部卒の筆者の現職は外資系ITコンサルタントだそうで、本作は関心領域が極めて狭い人物がそれを糊塗した上で(直截に表現すれば)「これを褒め理解できると主張することによって頭が良いと思われたい人々」に向けて書き下ろしたツールであり、実際そのように機能していることが当時の評伝まわりを調べると立ち上がってくるのでなんとなく腑に落ちた。 作中内小説がつまらないというのはこの作品の数ある欠点のひとつだが、 虚構が正しく機能していない上にさらなる虚構を積み上げたところでそれが機能しないのは至極当然の起結で、引用が饒舌であることが作品の面白さに直接寄与しないことと同様、読んできた物語が振り返ると道になっているような体験をこの作品に求めるのは酷であろう。 | ||||
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小説そのもの、SFというジャンルそのものを小説の形で描く、という、見るからに失敗しそうな、はなはだ無茶な話。恐ろしいことに、その蛮勇はかなり成功している。 単著を一冊も出せないまま亡くなった英国SF作家ダニエルの遺稿から始まり、派手な展開もあるが、雰囲気は終始、静かで哀切。会話文にカギ括弧を使わない独特の表記が密度を高めている。そのムードを打ち破る、ライジーアの反逆とスチームパンク・ユートピアのビジョン。ロバート・オーウェンには興味を引かれた。 結局どういう話だったのかはよく判らなかったけれど、意外なほど面白く読めた。「ティプトリーの話」は読みたかったかな。 | ||||
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ただの知識の羅列になっていて著者が自分に酔っている感じがすごいです。思弁的っていうの? だから単純に読んでいてつまらなくて...。人に読ませる文章じゃないです。文体がだるくて内容を理解する気にもならない。 これに付き合うほど暇じゃねーんで自分は途中で読むの止めました。もっと他におもしろいSF小説あるし。 | ||||
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糞つまんね | ||||
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私にはこれが「小説」とは思えませんでした。 淡々と描かれた説明文の類のものです。 最後の肝のところで哲学者たちの論文をそのまま載せているのもどうなんでしょう? ですが一部のSFオタクには大うけなようで、そのニッチで精鋭ともいえる読者たちには感動ものらしい というわけで私の評価は低いですが、こういう小説?を書く作者は貴重なのかもしれません。 | ||||
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全ての物語は多元宇宙での起こりうる世界の一つであり、言語によって記述される。 ハードSFであり、スチームパンク的な記述部分もあり、ジャンルとしては何になるのだろう。 多元宇宙の階層システムの中で父と子の物語は進んでいく。 多元宇宙の解釈は興味深いのだが、物語部分としては正直面白く感じられなかった。 本作は樋口恭介氏のデビュー作にして、東浩紀氏の「クォンタム・ファミリーズ」へのオマージュ作品になっているが、 次作以降どのような作品を書くのか興味深い(このまま互換作家になってしまうのか、はたまた大化けして違う作風で攻めてくるのか) PS:H.G.ウェルズが無性に読みたくなった。 | ||||
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ハイレベルだったらしい第5回ハヤカワSFコンテストの大賞受賞作というだけでそのヤバさはヤバく、まずは論理構築の凄まじさに圧倒される。しかし読み進めるとその要塞のように聳え立つ論理のなかから、作者の温かな愛が溢れ出してくるではないか!哲学的問いも随所に散りばめられており、それぞれについて作者の考え抜いた痕跡がみられグイグイ読ませる。これは極上のSFでありエンターテインメントであり哲学書である。このような作品を可能にしたのは恐らく作者の鍛え抜かれた強靭な頭脳であり、作中にみられるあらゆる徹底が読者に感動を呼び起こさずにいない。そうした意味で、この小説はミホノブルボン的である。いや、ミホノブルボンそのものである。 | ||||
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ハヤカワSF大賞受賞作との事で読み始めましたが第2章で挫折。 あまり小説読むのを途中でやめた事はないのですが何を言っているのか意味がわかりませんでした。 何か難解な感じの言い回しで雰囲気を作ろうとする技法なのかもしれませんが意味不明の言葉の羅列で肝心のストーリーを読む気になれません。 「俺こんな難解なの理解出来るぜ!」と自己陶酔出来る人には良いのかもしれません。 | ||||
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第5回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。 敷居こそとんでもなく高そうに見えるが、実際に跨いでしまえば非常に分りやすく出来ている構成となっている。 亡くなった父親の書いた未完のSF小説を中心とし、自己と「書くこと」についての記述が全編に渡って展開される。 作中の語りはある一定のポイントから「群体小説」とでもいうべきか、語ろうとする存在がそれこそ複数おり、それらは与えられた材料を咀嚼し、入れ替え、主題の変奏を繰り返す。H・G・ウェルズ『宇宙戦争』、ウィリアム・ギブソン『ディファレンス・エンジン』といったSF小説からの要素、ジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ等の哲学の要素、父と母、そして子の重ねてきた挿話と共に、当地となったイギリスの歴史と共に解体され、アトランダムな組み換えと置換を経て、複数の語り手によって「語り直されて」いく。パズルの組み換えのように、思考実験のように。 もちろんこの分野には偉大な先駆者として円城塔の諸作があるわけだが、あちらが遊び心とユーモアに満ちた脱線と緩急で出来ているとするならば、こちらの語り手達には余裕がない。何故か? この作中の「群体達」は語ること、語り直し「検証すること」、それ自体が生きる目的であり、すなわち自らの存在理由だからである。懸命に語り続けるその姿勢はシステムにエラーが起こってもなお続き、7章『Engines』においては正常な語りはなく、まるでウィリアム・バロウズのカットアップにも似た手法で進められていく。今までに言及した事柄が、それらが積み重ねてきた歴史さえもが磁力を失いバラバラになっていく最中、本来の意味が失われた記述になってもなお忠実に語ろうとしていく姿勢に胸を打たれた。なんと血の通った『記述』であり『記述者達』であろうか。 惜しむらくは既に円城塔がこの『パラフィクション』という概念を創ってしまった後に発表されたことであろうが、もっとも、そちらの影響抜きには成し得なかった試みであろうから致し方ない。人情味と言おうか、親子の間の愛情をこのジャンルと結びつけた点はあっぱれだと思う。 是非とも次作が読みたい。 | ||||
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円城塔+神林長平的な気がした。 面白かったが、自分の好みからちょっとずれているような気がしたが、 ラスト近くで好みの方に寄ってきて面白かった。 神林長平的な気がするけれどもな。 | ||||
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既にこのジャンルは先人がいるわけで、よほど新しい要素をつぎ込まないと物足りなく感じるように思える ただ勢いは感じるので、次回作に期待したい。 | ||||
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2章の途中で挫折。「それらのプロトコルが頻繁にエラーを返した」って何? プロトコルエラーってのは確かにあるけど、プロトコルとプログラムは別ものだし。らしい言葉を使うときは、その意味をずらしたり新しい意味を付加したりする場合でも、読者が了解しないかぎ、たんなるしったかぶりの誤用。少なくとも、ここまで読んだかぎりでは、サイバーパンク的ガジェットのほうがまだマシです。 1章2章には雰囲気理系ワードちりばめられているけれども、すべてが上滑りで、くどい。 ひょっとしたら、SF批評を親子の物語風にしあげ目くらましに平行宇宙とイミフ理系ワードをぶちこみました、的なもんじゃなかろうかと、この段階で思ってしまった。 とはいえ、大賞とった作品なんだから、これら思わせぶりな散文は、きちんと回収されるんだろうなぁ。 ともかく、今は、ここでページを閉じ、別のとき、別の場所でトライすることにします。 | ||||
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本作を読んで、東浩紀や柄谷行人などをパラパラとめくっていた大学時代を思い出しました。 物語(宇宙)の階層構造をサーバーの物理マシン/仮想マシンの構造に擬える発想や、 あり得たかもしれない世界(宇宙)、の数を単に増やすのではなくそれらの世界に再帰を含む発想に驚嘆しました。 物語のラストにある『それでも、あなたに出会えてよかったと、最後のときにわたしは思う。』の一節が印象深く残りました。 久しぶりに小説を読みふけるという興奮を思い出しました。大変素晴らしい作品を読ませて頂き、ありがとうございます。 | ||||
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