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悪魔には悪魔を
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悪魔には悪魔をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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もちろんそれなりの面白さはあるのですが、新宿鮫シリーズや狩人シリーズのようなヒリヒリする緊迫感や臨場感がないまま話が展開し、こんなものなのかなを思っている間に最後まで行ってしまいました。 | ||||
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麻薬取締官の潜入捜査員が行方不明になる。そこでその捜査官の双子の弟が強引にリクルートされて「麻薬取締官の潜入捜査員になりすます」という設定なのでもうこれは典型的なエンタメ小説だ、と割り切って読むことをおすすめします。 「麻薬組織、暴力団、警察、麻薬取締部、それぞれの思惑がややこしく入り組む」と書かれているとおりの展開で裏切り者と巨悪のラスボスを探して、双子の兄を救出できるのか?というお話です。 もちろん常道である「初対面でも貴重な情報を提供してくれるひと」や「援助を惜しまない協力者」なども続々と登場しますが、肝心の謎解きはほぼ会話のなかでしか登場しない人物に責任をすべて押しつけますので感情移入的なものはあまりありません。また、あくまで潜入捜査員なのですが意外と簡単に複数のひとに身分を打ち明けてしまう、という安易さもありました。 | ||||
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『 新宿鮫 』シリーズで知られるハードボイルド作家の第一人者である大沢在昌の最新作『悪魔には悪魔を』! 20年ぶりに帰郷した加納将。アメリカ陸軍入隊経歴を持つ彼は双子の兄である麻薬取締官の良が任務中に姿を消した事を知り、捜査協力として兄の代わりに凶悪な密売組織に潜入する事となる。 大沢作品による読書遍歴でいえば、『 新宿鮫 』は昔から愛読しているので新刊のたびに読んでおり、『 新宿鮫 』は毎回読み応えがあって大好きな作品だ。他にも『 天使の牙 』『 天使の爪 』も面白くてできれば韓国映画で作ってほしいと思えるくらいの内容だった。 ただ、その一方で通俗小説も多く(多作であるが故に東野圭吾にもいえることだが)、以前に『 魔女の笑窪 』『 魔女の盟約 』『 相続人TOMOKO 』(どれも女性が主役のハードボイルド作品)などを読んできたが前者と比べるとそれほど夢中になったワケではなく(だからといって面白くないワケではないのだ)、今回も久しぶりにたまたま新刊を読んでみたが本作もどちらかといえば後者にあたる作品だ。 本作でも主人公である双子の弟がアメリカでの軍隊経験があるという設定もさる事ながら良の上司である麻薬取締官の菅下清志、別ルートで麻薬組織をつけ狙う男勝りの警視庁組対の女刑事・大仏香織里(通称・大仏)、西田(良の偽名)の恋人であるベトナム人女性・マイ、西田を慕う若い売人・小林秀人(ヒデト)、マイの兄である・グエン、池袋で麻薬をシノギとする北島会やベトナム犯罪組織「クィー」など個性豊かな面々や組織が登場するのだが特に感情移入しやすいワケでもなく、展開も通俗性の域を超える事はなかった。 近年読んだ『 サイレント・トーキョー 』や木内一裕小説よりはプロットや作り込みは上手だが『 新宿鮫 』ほど夢中には読めなかった。キャラクターの問題なのか『 新宿鮫 』は鮫島という絶対的な存在であってキャリア官僚でありながらある事が原因で一般部署で現場の刑事として活躍する彼の言動に魅了されるし、それを取り巻く登場人物たちもそれぞれ魅力があって読んでいて心地がいいが本作もそれなりに人物設定が描かれているものの生活感を感じさせなくて形だけの人物設定ではなくてどこか人間臭さ(喜怒哀楽)を描いてくれればもう少し違った印象を持ったかもしれない。視覚で表現できる漫画や映画と違って文章でわからせる作業は難しいかもしれないがそれほど感情移入するほどのキャラでもないのであまり物語が入ってこなかった。 | ||||
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スピード感あって、その勢いで最後まで飽きることなく読ませる。 相変わらずの設定の緩さに始まって論理破綻も色々あるけど、それは著者の作品を読んでいる人ならまだ我慢できる範囲。 それでも流石に記憶喪失とは呆れを通り越して失笑してしまうので、ここで無理って人も多いかも。 風呂敷広げて登場人物増やして、回収がイマイチなのも規定通り。 あえてこんな変化球つけずに、もっと日常ベースに違和感なく作品を描ける作家だと思うけど。 | ||||
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先日読んだ『帰去来』もそうだったが、最近の大沢は設定がかなり特異なミステリーが多い。 本作は、双子の兄弟の兄がマトリとして潜入捜査中に失踪し、アメリカで兵隊をしていた弟が身代わりとなって潜入捜査を継続するという舞台設定だ。 この設定の特異性自体については言うことは無い。 それでも面白く読ませてくれれば、それは作家の勝ちだからだw が、本作は粗が目立ちすぎて、ストーリーに浸ることができない。 理由は2つあって、1つは大筋としてのストーリー展開が目まぐるしくはあるが、かなり粗雑に組み立てられていて、ご都合主義に過ぎると感じてしまうことだ。 もう1つは、論理や表現が破綻している部分が多すぎるということ。 例えば、潜入した「兄」が殺されているのではないかという疑念をめぐるマトリの上司と「弟」との会話で、「潜入捜査が発覚すれば、殺して、見せしめにするのが麻薬組織の常だ」と上司が言い、マトリの中のスパイが「兄」のことを密売組織に知らせたのだとすれば「兄」の死体が見つかるのは困るから、死体が隠されたのだと言うのである。 潜入捜査をしている「兄」が殺されて死体が見つからないのは、マトリの中にスパイがいるからだとする論理的根拠があまりにも薄弱なのだ。 これがストーリーの出発点だというのに。 こんな風に論理的に説明しようとして破綻しているところが、大沢の作品には多々あって、それが以前から気になっていたのだが、それでもこれまではその違和感を圧倒するような迫力が作品全体から立ち上ってきていた。 しかし、本作はそんな論理破綻が目について、どうにも浸れないのである。 潜入捜査をする兄弟が出入りする六本木のバーのバーテンダーにだけは正体を明かし、潜入捜査の経緯や誰が疑わしいかすらも話していたという設定も鼻白む。 冒頭に、設定の特異さは構わないと書いたが、本音を言えば特異な設定ではなく、始まりは日常のごく近いところで、そこから目もくらむような遠くまで連れて行ってくれるような小説が読みたい。 大沢在昌は、そんな小説が得意な作家でもあるはずだから。 | ||||
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