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無事、これ名馬
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無事、これ名馬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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宇江佐真理さんの時代小説が大好き この作品も昔、とても面白く読んだ。 今でも好きなページを読み返したくなる。 派手な世界観や奇想天外でなくても、上手い文章、描写力があれば読者を惹きつける事が出来る。 最後のページは、映像が浮かんで何時も目頭が熱くなる。 もう新刊が読めないのが寂しい限りである。 | ||||
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読み残していたので購入。村椿五郎太のその後かと思っていたら息子・太郎左衛門の方だった。話としては町火消しの頭・吉蔵 娘のお栄 の方がメイン。 「春風ぞ吹く」の感じとはちょっと違う。宮部みゆきさんの「日暮らし/おまえさんの弓之助・おでこ」 系と言えば分かるかな。 | ||||
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無事これ名馬とは言い得て妙だ。これという取柄もない泣き虫で臆病な太郎左衛門。武家の家に生まれ癇性の母親にはうとんじられ、子供なりに男稼業の火消しに男気を学ぼうと頭の家に通い始める。心優しい市井の人々との交わりの中で、愛情をたっぷりもらって僻む事なく、育ってゆく。太郎左衛門の祖母の里恵は、武家という特殊社会の中でこれという抜きんでたもののない孫に、過大な期待を寄せる事なくありのままを受けいれ肯定する。 江戸時代が舞台だが男と女の切ない感情のもつれや、親子の情、老いるという事など、いつの世もどこでも、人の世の営みは切なく哀しく、愛しい。 読後、優しい気持ちになれる。 | ||||
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正直、前作は面白くないと思った。が、これはテンポよく進み、楽しめた。 やはり、火消し組の人はテンポがいい。 あっ、前作の子供がこの子かと途中で気付き、多分いい加減に読んでいたのだろうと思った。 タイトル通り、「無事、これ名馬」と最後に思えた。 | ||||
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読んでいるうちに吉蔵の気持ちになりタロちゃん頑張ってと何度も思いました。明るい話ばかりではなく辛かったりやるせない話も有りそれぞれ心のひだを丁寧に書いています。何事も無くすんなり来た人なんていないのだろうなと思います。 春風ぞ吹くも大好きです。村椿家の親子関係も口ではいろいろ言いますが心の中の暖かさが伝わります。 題名は禅語の「無事是貴人」からでしょうか?宇江佐真理さんは題名の付け方も素敵です。 | ||||
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しみじみといい作品ですねぇ。 生きていれば誰しも割り切れない思いをかかえます。そんなグレーゾーンといかに折り合いをつけるか。宇江佐作品にはちょっとしたセリフにそのヒントがかくされている、そんな気がします。 だからこその、読後のさわやかさなのかもしれません。 順番としては逆になりますが、すかさず「春風ぞ吹く」も購入しました。楽しみです。 | ||||
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宇江佐真理さんの作品は、いつも本当に美しい。 作者の心ばえがやさしく品があるのだろう。 表現がとっぴなのでもなく、唐突な設定もない。 市井の人々が過ごす日常。 時に涙し、理不尽に憤り、そうしてほっこりと笑う。 ただの日常がこんなにも貴重でいとおしい。 それに気づかされる、珠玉の作品。 巡りあえてよかった。 | ||||
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臆病で取り柄のない7歳の少年・太郎左衛門が、 “男気”を学ぶために火消しの頭に弟子入り。 そして火消し一家に出入りしながら、一家の揉め事や行事に関わって行くのだが、 少年の成長というより、武家の坊ちゃんと火消し一家とのちぐはぐな関係が面白い。 あまりにも情けなく、しかしとても礼儀正しい坊ちゃんと、 気性は荒っぽいのに、あくまでも武家と町民の身分をわきまえた言動に徹する火消し一家。 読んでいて気分が滅入ることもなく、ほのぼのとした時代小説で、 宇江佐さんらしい味を出している。 作中に登場する男たちの何人かは、 皆それぞれに小説世界を彩り、それぞれの生き方を貫きながら、やがて命を落としてしまう。 しかし太郎左衛門はぼんやり生きているようでいて、それなりに成人し、それなりに人生を歩んで行く。 だからこそ“無事是れ名馬”なのかもしれない。 この小説は、続編ではないが『春風ぞ吹く−代書屋五郎太参る』にリンクした作品である。 なんとすれば、太郎左衛門は、春風〜の主人公・村椿五郎太の子。 今作の中には、五郎太やその母・里江、ヒロイン・紀乃らも登場するので、 宇江佐ファンとしては興味深い。 「この親にしてこの子あり」とも思えるし、「あの青年がこんな親に」とも思える。 できれば、春風〜を先に読んだ方がリンク性を楽しめると思う。 春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る (新潮文庫) | ||||
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幕府表御祐筆役の倅、太郎左衛門と、 江戸の町火消し「は組」の頭、吉蔵一家との交流を軸にした、 市井の人々の暮らしを描く連作時代小説。 宇江佐真理の子どもを見守る暖かい視線に満ちた佳作だと思います。 小さな太郎左衛門の可愛らしさ、 吉蔵の娘お栄の結ばれなかった縁、 江戸に暮らす町人の濃密な人間関係が、 本作のメインテーマです。 善人、吉蔵は、 本作中、傍観者であり、 読者はやがて吉蔵と同じ目線で、 太郎左衛門やお栄を見守ります。 本作で魅力的な登場人物は、 幼く弱虫だが、大人物の器も備えた太郎左衛門、 気が強く愛情に満ちた娘、お栄です。 太郎左衛門とお栄は、 この作品中疑似母子だと思います。 二人が周囲の登場人物をひっぱって物語が動いていきます。 物語の最後、成長した太郎左衛門の祝言が描かれます。 まさに物語の終焉という、一種の寂しさをともなった祝福の様子に感動しました。 一種の群像ものですから、 だれか1人の主人公に感情移入することはありませんが、 宇江佐ワールドに惹き込まれること請け合いです。 | ||||
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宇江佐真理は、引き出しの多い作家だ。 髪結い伊三次シリーズで、江戸の市井に生きる人の「ちょっといい話」 「切ない話」などを書いたと思えば、 「雷桜」で、骨太の恋愛小説を書く。 今度は臆病で剣術の弱い太郎左右衛門の成長小説だ。 ときにユーモアも交え、ときにほろりとさせる。 いろいろな人生模様が大げさでなく描かれていて読後感は爽やか。 世の中には、強い人も弱い人もいる。 そのことをしっかり踏まえた上での物語構成だ。 人に対する視線も温かい。 涙とともに笑いも出てしまう、「いい小説」である。 | ||||
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この作者の作品はいつもハッピーな気持ちになる。この物語で春風ぞ吹くの登場人物のその後がわかって懐かしい人たちに会ったような気持ちになった。春風に出ていた主人公の村椿五郎太の息子のたろちゃんがなんともいえずかわいい味をだしている。いなせな火消しの人情味あふれる物語です。 | ||||
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火事と喧嘩は江戸の華。ただでさえ騒がしい火消しの頭一家に巻き起こる事件のいろいろ。 著者の描く女性は大体おしゃべりで口が立つキャラクター。かたや男は「男は黙ってサッポロびーる」を 地でゆくような無口が多い。 一人ひとりの人物像も丁寧に描かれていて、いづれのキャラクターも主役ばりの個性の強さだが、 なかでも、こまっしゃくれたサムライの坊やが面白い。 登場人物の男の中でひとりだけおしゃべりの設定で、しばしば他のオトナどもをやりこめる。 流れるような会話で江戸の庶民の日常を鮮やかに描き出す、爽やかな一冊。 | ||||
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