■スポンサードリンク
(短編集)
玄冶店の女
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
玄冶店の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以下はネタバレ的なところがあるので未読の方はご注意ください。 宇江佐真理の「髪結い伊三次捕物余話」シリーズがとても気に入っているのですが、それなら他の作品も面白いだろうと思って読んでみると、どうも今ひとつでがっかりするものばかりでした。 ところがこの『玄冶店の女』は登場人物もエピソードもよくできていて、読み始めるとお話にすっかり引き込まれてしまいました。 これは当たりだと喜んでいたのですが、物語の終盤になってがっかりしました。 お玉は最後には青木を追って旅立つのですが、そこに至るまでの筋書きに無理があると思います。 お玉は青木を断るために「卯助と所帯を持つ」と嘘を言って、しかも卯助には何の説明もしません。 お玉に好意を持っている卯助が真に受けるのは当然で、その後のお話で卯助が嫌な奴であるように描写して辻褄を合わせようとしていますが、それは無理な話で、人情話の主人公が平気で人の気持ちを踏付けにするのですから本当に興醒めです。 青木の病気も含めてですが、ここまで無理に話を作らなくても、お玉の揺れる気持ちが最後には青木を選ぶ、あるいは選ばないストーリーで充分だったのにと残念です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お玉を中心とした、江戸の、吉原の女の粋、意地がうまく描かれていて、とても面白かった。 30歳を前にすれば、若い人の勢いだけのような行動はできないし、分相応ということを大人として意識し、 将来への不安も増してくる。 そんな女性の複雑な心が見事に描かれていて、この女性の複雑な心境は今の時代にも通じ、読む人(女性)に自分はどうやって生きていくのかを問うてくる。お玉と同世代の20代後半から30代半ばの女性に読んでほしい一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こんなに思い切りの悪い姐さんの話だっけ…?と、思いつつ、ラストの「帳尻があう」の一言で全部腑に落ちちゃいました。 再読です。すっかり忘れてましたがw初読の時もこう思ったんでしたw 楽しく読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸時代当時、実際に日本橋の一角にあった玄治店という お妾さんが多く住んでいた町が舞台です。 吉原から見受けされ小物屋を営むヒロインのお玉は29歳。。 お玉と幼少の小梅を含む親友たちの織りなす悲喜こもごもの 物語が季節の章ごとに書かれています。 色々な事情のある女たちの友情が本当に素晴らしくて感動しました。 特に吉原上がりのお玉は気持ちが練れていて精神的に大人であり、 みんなに姉さんと慕われる素敵な女性です。 そのお玉と小梅の師匠である青木陽蔵との恋の行方に最後まで目が離せません。 宇江佐さんの秀作の一つだと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「雷桜」に続く2作品目を読んでみました。 お玉の優しい語り口調に引き寄せられ、さらにお玉と青木の恋の行方も気になり気がつくとあっというまに一気読み。 8編ともいろいろ考えさせられたりしんみりとした気分になったり、どれもいいお話でしたが、中でも「鈴虫」が一番好き。 青木先生が有無を言わせず強引にお玉を連れ去る場面にきゅんと、、^^ 後半のどんでん返しも満足のいくものでした。 癒されるひとときです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「悲しい水音」を読んで以来、大ファンになりました。 これまでの作品と同様に、江戸の人情味あふれる生活が大変心地よく、途中から、早くも続編を期待してしまいました。 しかし...この時代の女性の旅の大変さ、青木先生との今後を考えて、ハッピーエンドではないのか、と思い、映画「卒業」のラストシーンが目に浮かびました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
玄冶店とは東京・人形町あたりに実在した長屋らしい。 本作は、そこに住む女たちの日常をつづった連作短編で、それぞれの性格や言動がなかなか小気味いい。 ま、日常といっても、登場する女たちのほとんどはお妾さんなので、一般人たる我々からすると“非日常”なのだが。 お店という狭い世界でのホームドラマを描かせたら、宇江佐さんはとてもうまい。 話の内容は違うけれど、同じ作風の発展系としては「あやめ横丁の人々」がおススメ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は玄冶店に住むお玉。花魁あがりの20代後半のまじめな女。 身請けしてくれた旦那に去られ、孤独に苛まれながら、新しい恋に落ちるが・・・。 というお話。 玄冶店に住む似た境遇の妾たちのストーリーも同時に進展して進む。 結構売れているようですが、 本書、他の宇江佐作品と比べると満足感がちょっと低かった。 ずばりお玉の相手役、青木の描写が不足していたように思う。 本作は作者が主人公のお玉に感情移入しており、 お玉の内面だけが浮き上がってくるような、 そんな長編(連作)ものになっている。 最後まで青木が今イチ動かないのだ。 山本周五郎のように、 内面の描写をもっとはしょって書いてもいいのじゃないかと思った。 宇江佐さんは私の期待値の高い作家だけに、 若干フラストレーションが溜まった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本の中に出てくる人達は、みんな忙しく働く女性ばかり。小梅ちゃんはまだ子供だけれど、将来の為の習い事(三味線や手習い)でいつも忙しい。 みんな訳ありな人生だけど、前向きに一生懸命生きてる。そりゃ、グチも言うけど、みんなの事を考えながら生きているところが、けなげだねぇ。 江戸時代も今も、女って、案外同じような事で悩んでるんだなって所がいいねぇ。 時代小説は沢山あるけれど、女の目から見た話って、意外となかったのよね。 働きすぎて疲れている女性のみなさん、ぜひ、この本を読んで、その後一風呂浴びて、疲れを癒してくださいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作は8編からなる連作短編集でとっても読みやすくなっている。 それぞれ季節感を醸し出すタイトルが決っていて、いつも以上に読者を物語に引き込んでくれる。 お玉を中心とした4人の主要登場人物の人物造形が際だっている。 幼少の小梅を除いてすべてわけありの人生を歩んできてるので性格はキツクてもどこか遠慮がちなところがかわいくてほっとする。 それぞれ、自分の幸せについて葛藤し模索しています。結果として死を選んだものもいたが、4人すべてが幸せな人生であったと信じたく思う。 女のしあわせについて色々考えさせられる作品であるが、宇江佐さんなりの理想をラストで描ききれているような気がする。 たとえ離れててもきっと心は通じあっていると信じあえてるのでしょうね。 誰もが納得し切ないけど清々しい気持ちで本を閉じれる秀作である。 私にとって宇江佐さんの作品の中で最も読みやすさ・わかりやすさという観点においてオススメの作品となった。 特に女性に方に強くオススメしたく思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!