■スポンサードリンク
(短編集)
半分世界
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
半分世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作の他、「吉田同名」、「白黒ダービー小史」及び「バス停夜想曲、あるいはロッタリ-999」の4つの作品から構成されるSF短編集。以下では発想の奇抜さが際立つ「吉田同名」と表題作について。 「吉田同名」は吉田大輔という人物が突然2万人近くに(同一人物として)分身して同時に出現し、政府の意向で幾つかの施設で保護(管理・隔離)されるという短編。一見面白そうだが、筒井のドタバタSF流に展開がエスカレートして読者の着想外の着地点に導く訳でもなく、「自己(アイデンティティ)とは何か?」という形而上学的考察を掘り下げている訳でもなく、同一意志を持った2万人近くの(同一)人間を上手く組織化出来るかという組織論的考察をしている訳でもなく、隔離された「吉田同名」が反乱を起こすとかの異質物排除への批判となっている訳でもなく、正直、竜頭蛇尾の感を免れなかった。表題作は更に意図不明。藤原という家の道路側半分がなくなってしまうが、そのまま住み続ける家族の様子に興味を持った「フジワラー」の生態を描いた短編。ネット社会で無責任に興味本位の言動を取る(それが拡散する)現代人への批判とも取れるが、そこまで練ってあるとは思えなかった。尚、両編共、何故そのような発端状況になったのかを説明していないのは作品の性質上良いと思った。 また、全般的に衒学趣味が目立つのも嫌らしい。上述した通り、発想の奇抜さは良いのだから、もっと物語の構成・展開を練った今後の作品を期待したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本を読んで二つ勉強した。 一つ目は、Amazonのレビューは2名くらいでは信じられないということ。 私はこの本を読む前にネットで調べてみたら、2名が2名とも星5個、絶賛していたので読んだわけだ。しかしよく考えると作者とその奥さんかもしれないし、出版社の人間かもしれない。やはり少なくとも100名くらいの評価を聞きたいものだ。 二つ目。この本は「筒井康隆が好きな人はお勧め」と評価されていた。実際に私は大学時代に筒井に出会って滲透してしまい、全集を買ってしまったほどである。私の友達で私以上に筒井好きという人はそうはいないと思う。 筒井といえば、時をかける少女や、家族八景・七瀬ふたたび・エディプスの恋人の三部作のようなまともな(純文学的な)SFがあったり、大いなる助走とか東海道戦争、熊の本本線のような、無茶苦茶で世が世なら不敬罪で捕まっているのでは…という方面の作風があるのだが、この「半分世界」は、後者の方なのだ。だがしかし読んでいて全く面白くない。 短編集で一つ目が、吉田大輔という一般市民がいきなり3万名くらい増殖してしまいとんでもないことになる話。二つ目がいきなり家が半分に割れてしまいそこに住む父親母親娘息子のプライベートが丸裸になったのだが、その住人は普通に暮らし続けて…という話。三つ目がどこかの町で白チームと黒チームに分かれてサッカーする話なのだが…。 そこで思ったのが、私が歳食ったからこのようなはちゃめちゃSFが面白く無くなったのか? それともそもそもこの小説が面白くないのか? その答えは、もう一度筒井の作品をどれか一つ読んでみることにする。それで面白ければこの作者はダメということだ。筒井が面白くなければ、私が歳をとったということ。さて、楽しみである。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!