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(短編集)
半分世界
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半分世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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不思議な小説で、設定が奇抜、奇妙で、その状況説明で面白さのピークを迎えているような気もしたけど、読んでいるうちにじわじわとくる。 うまく言葉にできない。 特に最後の「バス停夜想曲、あるいはロッタリ-999」については、壮大な物語を読んだ気分になり、一番面白かった。 他の作品も読んでみたい。 | ||||
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小学生の頃、名門フライドチキン小学校シリーズと、かいけつゾロリシリーズをボロボロになるまで読んでいました。 大人になってからの読書は、どこかアカデミック、気品漂わせてる風を装って読んでいましたが、アステロイド・ツリーの彼方へに収録されていた著者の作品(吉田同名)と出会い、小学生だった頃の心がブワァァァ!と蘇ってくるのを感じました。 他の作品も読んでみたいと思い本書を購入。世界観の構築や発想はすごいと思いました。しかし、他のレビュアーさんが指摘している通り、クリエイターあるあるだけど「竜頭蛇尾」に陥りがちかも? 新作を楽しみにしています。 | ||||
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一言で言うと、変な話です。 創元SFで言うと、『うどん、きつねつきの』とか好きな人は好きなんじゃないかな。 ラテンアメリカ文学あまり知りませんが、予告された殺人の記録とか好きな人も。 変な設定を、状況を決めて突き詰めて行くとどうなるかが見られます。 私は非常に面白かった。状況がおかしいだけではなく、それが少しずれた視線から語られるから、漂うユーモアがすごい。笑ってしまう。 他の方のレビューで、『衒学趣味がある』というのがあり、なるほどというところはありますが(ラテンアメリカの小説名とかがよく出てくる)、最後のバス停の話とかは、多分架空の書名使って遊んでたりするので、小道具の一つと考えて読めば良いかもしれません。 | ||||
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表題作の他、「吉田同名」、「白黒ダービー小史」及び「バス停夜想曲、あるいはロッタリ-999」の4つの作品から構成されるSF短編集。以下では発想の奇抜さが際立つ「吉田同名」と表題作について。 「吉田同名」は吉田大輔という人物が突然2万人近くに(同一人物として)分身して同時に出現し、政府の意向で幾つかの施設で保護(管理・隔離)されるという短編。一見面白そうだが、筒井のドタバタSF流に展開がエスカレートして読者の着想外の着地点に導く訳でもなく、「自己(アイデンティティ)とは何か?」という形而上学的考察を掘り下げている訳でもなく、同一意志を持った2万人近くの(同一)人間を上手く組織化出来るかという組織論的考察をしている訳でもなく、隔離された「吉田同名」が反乱を起こすとかの異質物排除への批判となっている訳でもなく、正直、竜頭蛇尾の感を免れなかった。表題作は更に意図不明。藤原という家の道路側半分がなくなってしまうが、そのまま住み続ける家族の様子に興味を持った「フジワラー」の生態を描いた短編。ネット社会で無責任に興味本位の言動を取る(それが拡散する)現代人への批判とも取れるが、そこまで練ってあるとは思えなかった。尚、両編共、何故そのような発端状況になったのかを説明していないのは作品の性質上良いと思った。 また、全般的に衒学趣味が目立つのも嫌らしい。上述した通り、発想の奇抜さは良いのだから、もっと物語の構成・展開を練った今後の作品を期待したい。 | ||||
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う〜ん…発想は面白いかもしれない。 でもそれだけだった。 | ||||
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文句なく面白いです。 私も筒井康隆のファンで、前のレビューのかたも言及しているのでそこの違いも述べたいと思います。 本書「吉田同名」と筒井康隆氏「平行世界」を読みくらべると参考になると思います。 どちらもある日複数の「自分」が出現するというIFです。 筒井氏の短編はIFのあとも、エスカレートが続いていきます。そのIFをめぐって、その矛盾がどんどん広がっていくという面白さです。複数の自分は微妙に違っていてそれが増幅していくとトンでもない自分が出現していくというおもしろさですね。 それに対して石川氏の場合はIFのあとは、普通の生活というか、そのIFを受容して世界が進行する様子がリアリティーを追求して進行していきます。 そのリアリティーは歴史や官僚制、家族生活、社会現象を準拠枠としていて、それを面白いと思うかどうか、そこで読者の感想が分かれてくると思います。最初のIFが骨董無形であればあるほど、その後つづいていく、もっともらしい生活、それがありそうであればあるほどその落差で笑ってしまうという感じですかね。 職場の飲み会にいって「もし明日から残業が一切禁止になったら」とか「もし社内が英語だけしかだめになったら」あたりの話題から、なにが起こるか、罰則はなにか、誰がなにをしそうかとかで盛り上がることがありますよね。 それをプロの作家にやってもらっているといえるかもしれません。 「白黒ダービー小史」は町が二つに分かれてフットボール(サッカーか?)を続けていく話で スケールといいそのいかにもありそうなエピソードといい 作者によほどの力量がないと書けない力作だと思います。 文句なく名作だと思います。 過去のSFに例えるなら、IFの部分は筒井康隆テイストですがその後のリアル展開は小松左京チックだといえるかも知れません。 ただ、リアル展開の部分の面白みというのは過去になかったものだと思います。 石川宗生氏、宮内悠介氏と 日本SF界に新しい面白さ、幅の広さがでてきたのはうれしいです。 | ||||
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この本を読んで二つ勉強した。 一つ目は、Amazonのレビューは2名くらいでは信じられないということ。 私はこの本を読む前にネットで調べてみたら、2名が2名とも星5個、絶賛していたので読んだわけだ。しかしよく考えると作者とその奥さんかもしれないし、出版社の人間かもしれない。やはり少なくとも100名くらいの評価を聞きたいものだ。 二つ目。この本は「筒井康隆が好きな人はお勧め」と評価されていた。実際に私は大学時代に筒井に出会って滲透してしまい、全集を買ってしまったほどである。私の友達で私以上に筒井好きという人はそうはいないと思う。 筒井といえば、時をかける少女や、家族八景・七瀬ふたたび・エディプスの恋人の三部作のようなまともな(純文学的な)SFがあったり、大いなる助走とか東海道戦争、熊の本本線のような、無茶苦茶で世が世なら不敬罪で捕まっているのでは…という方面の作風があるのだが、この「半分世界」は、後者の方なのだ。だがしかし読んでいて全く面白くない。 短編集で一つ目が、吉田大輔という一般市民がいきなり3万名くらい増殖してしまいとんでもないことになる話。二つ目がいきなり家が半分に割れてしまいそこに住む父親母親娘息子のプライベートが丸裸になったのだが、その住人は普通に暮らし続けて…という話。三つ目がどこかの町で白チームと黒チームに分かれてサッカーする話なのだが…。 そこで思ったのが、私が歳食ったからこのようなはちゃめちゃSFが面白く無くなったのか? それともそもそもこの小説が面白くないのか? その答えは、もう一度筒井の作品をどれか一つ読んでみることにする。それで面白ければこの作者はダメということだ。筒井が面白くなければ、私が歳をとったということ。さて、楽しみである。 | ||||
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ラテンアメリカ文学、筒井康隆や安部公房が好きな方に。次回作の購入を誓うくらいには面白かったです。欲を言うと、飛び抜けた新しさや独特のスタイルが欲しいところ。希代の作家になるかどうかは、いつか書かれるであろう長編小説を読んだら分かりそう。 | ||||
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