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警視の謀略



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【この小説が収録されている参考書籍】
警視の謀略 (講談社文庫)

警視の謀略の評価: 4.00/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

主役は、セント・パンクラス国際駅

「警視の謀略 "To Dwell In Darkness"」(デボラ・クロンビー 講談社文庫)読みました。
 警視・ダンカン・キンケイドは、スコットランドヤードから「警視の挑戦」の影響下、ホルボン署に左遷?させられています。舞台は、ロンドン。セント・パンクラス国際駅。帰宅ラッシュ時の駅の構内で男が火だるまになり、白リン手榴弾により爆弾テロを疑われ、パニックが発生します。居合わせた女性刑事・メロディの活躍。そして、ダンカンがテロ対策班と協力して捜査を進めていくとゆるーい「環境保護活動」グループの存在が浮上します。テロはあったのか?殺された男は誰?誰が何故、彼を殺害したのか?スリラーですから、これ以上そのストーリーを書くことができません。

 ダンカンとダンカンの妻、警部・ジェマ・ジェイムズとの「家庭」が優しく描写され、子供たちが捨て猫を拾ってきた顛末が微笑ましい。そして、ジェマが担当する小さな事件もまたさり気なく、合理性を持って、描かれています。まあ、シリーズ物の中、「傑作」とは呼べないものの、特に2/3を過ぎたあたりから最後までサスペンスが強く継続します。ある人がある家を訪問するシークエンスは、デイヴィッド・フィンチャー映画を想起しました。また、いわく言い難い幕切れによって、次作への期待もすこぶる高まります。
 本編と共に各章の先頭で「セント・パンクラス国際駅」に纏わるエピソードが語られていきますが、とても巧みだと思います。ロンドンの或る一角をアクチュアルに描くことで、美しい都市の魅力を際立たせて、とてもユニークな仕上がりだと言っていいでしょう。故に、今回の主役は、ダンカン以上に「セント・パンクラス国際駅」。
警視の謀略 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:警視の謀略 (講談社文庫)より
4065201667

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