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大穴
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大穴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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ディック・フランシスの競馬シリーズを読むなら、まずはこの「大穴」から始めるといいと思う。 もとチャンピオン・ジョッキーで探偵のシッド・ハーレーを主人公にしたこの傑作には、ディック・フランシスが物語に盛り込む要素がほとんど盛り込まれている。ミステリとしての構造はシンプルだが、屈辱・恥辱・苦痛に耐える主人公と、最後にそれを「10倍返し」する爽快感、馬を駆るシーンの的確な描写、イギリスの不変の階級社会ぶり等々が、読み手を見事に刺激してくれる。 ど派手なアクションシーンが連発したり、国際謀略が飛び交う作品がお好きな方には、地味に感じられるかもしれないが、ディック・フランシスのすばらしさは、静かな緊張感にある。読後の余韻も楽しめる、大人の読み手に強く奨めたい作品だ。 | ||||
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20台で何度も読んだ小説。 また読みたくなって購入しました。 自尊心の大切さを教えてくれます。 | ||||
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競馬ファン以外でも楽しめるのはいいことですが、反対に競馬ファンには舞台が競馬場ってだけじゃ消化不良を起こします。今回は特にそれが顕著ですね、レースシーンがないし。主人公シッド・ハレーの屈辱と再生の物語と思えばそこそこ面白いし、「大穴」の意味もそこにあるのかな? | ||||
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この競馬シリーズ、 騎馬に馴染みがないためこれまで敬遠していましたが、いざ手に取って見ると大変な良質な探偵小説でした。 手軽に読めるのも良いです。 | ||||
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「犯人はお前だ!!」っていうような探偵小説とはまた違った味わいのある小説でした。 不遇な主人公の再起がテーマの一つで、主人公サイドの人物描写は繊細でしたが、 犯人サイドがちょっと小物すぎたかな…。 結末のカタルシスがもうちょっと欲しかったです。 | ||||
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ディックフランシスというより菊池光のかわいた文体を久しぶりに読みたくなり購入しました。小説としては面白い。が、記憶の中の菊池節ほどドライでなかったので、競馬シリーズの続作も読まなければ。 | ||||
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競馬ファンだが、最近までこの作家も作品も知らなかった不明を恥じた。 ミステリーで何度も読み返したくなるのは、やはり他のレビューにもあるように 翻訳の文章の魅力と、人物描写の魅力なのかと思う。 同シリーズの他の作品に慌てて飛びつくのが勿体ないと感じたので、 じっくり味わって読みたい。そして、前作Kindleで読めるようにしていただきたい。 | ||||
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いろいろな本を読み疲れたときに読みます。読みやすいし、構成が複雑で、登場人物のキャラクターがしっかり描いてあるので、しばらく間を開けると、2度は読めます。 | ||||
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後半になるに従って物語の緊張感が高まり、最後は一気に読みきりました。 | ||||
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ディック・フランシス作品は、邦題が漢字二文字なので混乱しやすい。 主人公の職業は様々でも、内面的なキャラクター設定に共通点があまりに多いので、さらにどの作品を読んだんだか読んでいないんだかわからなくなる。 出版順に注意して買わないと、間違えて同じのを二冊買ったなんてことも。 ただ、本作の主人公、シッド・ハレーは忘れない。 四度にわたって登場する主人公はディック・フランシス作品には他にいない。 隻腕の元チャンピオン障碍騎手、現在は辣腕の探偵(本作の当初は辣腕ではないが)。 いかにもミステリ用に作り上げられたキャラクター設定がみえみえなのだが、そんなことはお構いなく、彼のキャラクターは魅力的なのだ。 主人公の内面描写と会話を中心にストーリィは展開していく。 謎解き、トリック重視のミステリを期待するには不向きだが、 「正義感」の強い、不屈の男の物語を、冒険小説、ハードボイルド小説として楽しむには、これほどすぐれた作品は他に思いつかない。 「競馬」シリーズという位置づけであっても、競馬を知っている(ましてや馬券好きである)必要はない。 本作、「利腕」、「敵手」、「再起」のシッド・ハレー四部作は、本棚にあってもいいのではないかと思う。 | ||||
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次々といろいろな展開が起こるわけではないのに、 主人公に感情移入できるところがすごい。 ディック・フランシスの小説は初めて読みましたが 他の作品も読みたいと思います。 地方競馬場の窮状についても語られているところも いいですね。 主人公のハレーはカッコイイです。 | ||||
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英国のスパイ小説や冒険小説は昔から私の大のお気に入りであった。しかし、ディック・フランシスの作品だけはその評判にも拘わらず、たぶん競馬に対するアレルギーからか手に取ることはなかった。最近の新聞書評に菊池光氏の独特な翻訳も然ることながら読み始めたら止まらなくなってしまったと書いてあるのが目に止まり、ようやく本書を読んでみたのである。 何と深みのあるプロット、大人の雰囲気、そして洒落た構成であろうか。何と上質で、センスがあり、また品格を感じさせる翻訳であろうか。文字通り一気に読まされてしまった。読書好きにとって金鉱を掘り当てたようなこの気持ち、わかっていただけるだろうか。 1970年代に初版が出ているので、そばにありながら30年間もフランシスの素晴らしい作品群に触れていなかったことになる。大変遅くなったが、これからこの30年間を取り戻そうと思う。競馬の世界にも興味が湧いてきた。 | ||||
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英国のスパイ小説や冒険小説は昔から私の大のお気に入りであった。しかし、ディック・フランシスの作品だけはその評判にも拘わらず、たぶん競馬に対するアレルギーからか手に取ることはなかった。最近の新聞書評に菊池光氏の独特な翻訳も然ることながら読み始めたら止まらなくなってしまったと書いてあるのが目に止まり、ようやく本書を読んでみたのである。 何と深みのあるプロット、大人の雰囲気、そして洒落た構成であろうか。何と上質で、センスがあり、また品格を感じさせる翻訳であろうか。文字通り一気に読まされてしまった。読書好きにとって金鉱を掘り当てたようなこの気持ち、わかっていただけるだろうか。 1970年代に初版が出ているので、そばにありながら30年間もフランシスの素晴らしい作品群に触れていなかったことになる。大変遅くなったが、これからこの30年間を取り戻そうと思う。競馬の世界にも興味が湧いてきた。 | ||||
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「興奮」、「利腕」等と並ぶ競馬シリーズの代表作。その「利腕」で再登場するシッド・ハレーを主人公にして男の"魂の再生"を描いた秀作。 シッドは障害レースの元チャンピオン騎手だったが、落馬事故のため片腕を損傷し引退を余儀なくされる。現在は探偵社に務めているが、かつての栄光と現在とのギャップの大きさに自尊心を保てず、無為な生活を送っている。ところが義父の計らいで、競馬場乗っ取りを狙う男と対峙した事で眠っていた闘争心が目を醒まし、乗っ取り阻止のため闘いを始める...。闘いの中では肉体的危機に何度も遭うが、その恐怖を克己する事で自尊心を取り戻すのだ。シッドと共に闘う探偵社の仲間の描写もチコを初めとして巧みに描かれている。作者としては当然、競馬について詳しく書き込みたいところだろうが、必要最小限に抑えている所も心憎い。それでいて、警備と称してシッドの騎乗シーン(しかも落馬付き)を加える辺りは流石。ハードボイルドと言う観点では見かけ上のハデな展開はないものの、シッドの精神的起伏を追うだけで手に汗握る。イギリスにおける階級の問題にも踏み込んでいる点も鋭い。それにしても、謎の宛名「ジゴロ・カノ」には参りました。良く調べているものである。 地の文や会話のちょっとした一言で人生の一断面を切り取る手法には感心させられる。ストイックな男の生き様や全編に溢れるリリシズムは読む者を痺れさす。どんな境遇にあっても、生きて行く希望を持つ事の大切さを訴えたシリーズの秀作。 | ||||
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「興奮」、「利腕」等と並ぶ競馬シリーズの代表作。その「利腕」で再登場するシッド・ハレーを主人公にして男の"魂の再生"を描いた秀作。 シッドは障害レースの元チャンピオン騎手だったが、落馬事故のため片腕を損傷し引退を余儀なくされる。現在は探偵社に務めているが、かつての栄光と現在とのギャップの大きさに自尊心を保てず、無為な生活を送っている。ところが義父の計らいで、競馬場乗っ取りを狙う男と対峙した事で眠っていた闘争心が目を醒まし、乗っ取り阻止のため闘いを始める...。闘いの中では肉体的危機に何度も遭うが、その恐怖を克己する事で自尊心を取り戻すのだ。シッドと共に闘う探偵社の仲間の描写もチコを初めとして巧みに描かれている。作者としては当然、競馬について詳しく書き込みたいところだろうが、必要最小限に抑えている所も心憎い。それでいて、警備と称してシッドの騎乗シーン(しかも落馬付き)を加える辺りは流石。ハードボイルドと言う観点では見かけ上のハデな展開はないものの、シッドの精神的起伏を追うだけで手に汗握る。イギリスにおける階級の問題にも踏み込んでいる点も鋭い。それにしても、謎の宛名「ジゴロ・カノ」には参りました。良く調べているものである。 地の文や会話のちょっとした一言で人生の一断面を切り取る手法には感心させられる。ストイックな男の生き様や全編に溢れるリリシズムは読む者を痺れさす。どんな境遇にあっても、生きて行く希望を持つ事の大切さを訴えたシリーズの秀作。 | ||||
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ディック・フランシスの作品に共通する派手さはないが、抑制が効いて深みのある傑作だ。 主人公のシッド・ハレーは以前は花形ジョッキーだったが、落馬で腕をつぶされて引退を余儀なくされ、探偵事務所ようなところに雇われてぶらぶらしている。その上、妻とは別居状態で人がうらやむ状況とは程遠い境遇にある。そんな彼が軽い弾みで引き受けた仕事で運が悪いことに銃で腹を撃たれて入院している状況から物語が始まる。 本書はミステリーとしても上質であるが、最大の魅力は主人公のSid Halleyと彼にかかわる人との関係にあると思う。Sidは観察眼に秀でており頭も切れるが、つぶされた腕には深い劣等感を有しておりいつもポケットに入れて隠している。そんな彼と若いころに事故にまきこまれて顔に深い傷をうけて、それ以来ひっそり生きている女性のゼナとの交流と再生には心をうたれた。 本書はコンパクトであるが、中身が凝縮された上質で品の良い作品である。 | ||||
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ディック・フランシスの作品に共通する派手さはないが、抑制が効いて深みのある傑作だ。 主人公のシッド・ハレーは以前は花形ジョッキーだったが、落馬で腕をつぶされて引退を余儀なくされ、探偵事務所ようなところに雇われてぶらぶらしている。その上、妻とは別居状態で人がうらやむ状況とは程遠い境遇にある。そんな彼が軽い弾みで引き受けた仕事で運が悪いことに銃で腹を撃たれて入院している状況から物語が始まる。 本書はミステリーとしても上質であるが、最大の魅力は主人公のSid Halleyと彼にかかわる人との関係にあると思う。Sidは観察眼に秀でており頭も切れるが、つぶされた腕には深い劣等感を有しておりいつもポケットに入れて隠している。そんな彼と若いころに事故にまきこまれて顔に深い傷をうけて、それ以来ひっそり生きている女性のゼナとの交流と再生には心をうたれた。 本書はコンパクトであるが、中身が凝縮された上質で品の良い作品である。 | ||||
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推理小説というものは、犯人がわかれば、何回も同じ本を読み返す類のものではない、というのが常識であるが、ディック・フランシスの競馬シリーズ、その中でもシッド・ハレーものは再読、再々読に値する。このシリーズでは、探偵役を演じる主人公は、登場が原則として、1回きりである。にも拘らず、シッド・ハレーはこの「大穴」に初登場してから、2007年初頭までに計4回我々読者の前に現れる。フランシス自身が、シッドという個性に惚れ込んでいるのだろう。「大穴」は、シッド・ハレー初登場ということで、とても重要な一冊! それにしても、この本を読んで感じ入るのは、英国上流社会のいやらしさであり、彼らによる弱者いじめの陰険さである。そして、それにストイックに耐えるシッドの勇気に我々は、拍手を送るのだ。 | ||||
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推理小説というものは、犯人がわかれば、何回も同じ本を読み返す類のものではない、というのが常識であるが、ディック・フランシスの競馬シリーズ、その中でもシッド・ハレーものは再読、再々読に値する。このシリーズでは、探偵役を演じる主人公は、登場が原則として、1回きりである。にも拘らず、シッド・ハレーはこの「大穴」に初登場してから、2007年初頭までに計4回我々読者の前に現れる。フランシス自身が、シッドという個性に惚れ込んでいるのだろう。「大穴」は、シッド・ハレー初登場ということで、とても重要な一冊! それにしても、この本を読んで感じ入るのは、英国上流社会のいやらしさであり、彼らによる弱者いじめの陰険さである。そして、それにストイックに耐えるシッドの勇気に我々は、拍手を送るのだ。 | ||||
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フランシスの小説をここまで読んできていくつかの特徴に気づいたのだが、本書はそうした特徴を裏付ける典型的作品であった。 まず第一にのっけから読者をストーリーに引きずり込んでしまうショッキングで否も応もない出だし。この作品では主人公が銃撃を受けた直後の入院シーンで物語が始まる。おかげで主人公に最初から負わせられたハンディキャップ……銃撃を受けて引き裂かれた腹の痛み……に読者はずっと付き合わされることになる。中でも固形物が食せないためにビーフ・ジュースなる、ぼくに は想像もつかないしろものを四六時中飲んでいるシーンは、痛々しいことこの上ない。 そして第二の特徴は主人公が地獄に落ちるような苦痛を舐めるという点である。受ける苦痛でもこれまでの作品を見ると肉体的なものと精神的なものと二種類があったが、本書での肉体的な苦痛の高さはおそらくシリーズ中でも屈指なのではないか。肉体的な苦痛を避ければ精神的苦痛との二者択一に出くわさねばならないという過酷な設定。試練はどこまでも試練でしかない。 そして第三の特徴は徹底した悪人どもと、そのエゴイズムの凄まじさ。どちらかといえば、主人公の側と同列とはとても言えないやる気を見せてくれる悪党どもの積極的な動きがある。主人公シッド・ハレーは騎手での落馬経験以来、抜け殻同然にその過去の名前だけを探偵社に預けていたため、本質的には素人探偵という設定。その上肉体的なハンディキャップが追い撃ちをかけるし、その上、敵は複数。自分は独り。読者側から見たらこれほど不利な勝負はないのである。そうしたハンディキャップ・マッチを如何に闘うのか。これこそが本書の見所であり、シッド・ハレーの不屈さの見せどころであろう。 そして上述のことに自然と繋がってゆくのだが、第四の特徴はアメリカ小説にはなかなか見られない、英国冒険小説伝統の「名誉」という生き方の中心的概念。騎士道精神と言い換えてもいいのだろう。これある故に、主人公らは常に内的葛藤を闘わねばならないし、自己破壊を免れるためにストイックであらねばならない。 第五の特徴は、まさにこれを一人称でストイックに記述している文体の技術である。自分に都合のいいことはおよそ一言も言わないその文体に接すると、自然主人公の語らないほうの側面にだけぼくは眼を向けてしまう。また、それがフランシス作品の正当な読み方であるように、ぼくは思ってしまうわけである。 | ||||
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