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インビジブル
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インビジブルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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黒田清が仮名で「黒井」。しかし司馬遼太郎は本名のまま「福田」になっている。笹川良一も本名そのまま出ている。基準がよく分からない、不思議だ。 | ||||
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文章が読みやすく、丁寧に書かれていて好感が持てました。ストーリー展開が読めてしまうのが残念でしたが、新しい書き手の登場だと思いました。 | ||||
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内容については 他の方々が書かれてますので、斜め目線からの発言です。 え〜大阪環状線がまだ輪になってなかった頃、その東側、天王寺駅から大阪駅を城東線と言ってました(た、たぶん)。 ワタクシ 幼き頃それに乗った記憶があります。玉造駅を過ぎて車窓から大阪城を見ていると なんや大きな焼け跡が通り過ぎていく…子供心に不思議で不気味な景色でした。そこが舞台なんやね〜 で、読んでて思ったことは 昭和29年の大阪弁は も少し軽かったんとちゃうか?と思った次第です。 はい。 | ||||
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当時の情勢を精緻に調べた感がある。それだけでも読む価値あり。テンポも良い。 ただし、犯行に至る動機やそれを引き起こした根源、そして警察の正義という作者が取り上げるテーマが多くてそれぞれがあっさりしてしまっている。 | ||||
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ディテールの調査と描写が素晴らしく一気読みしました。普通の刑事物(現代の)も読んでみたいと思ったな。 | ||||
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とにかく文章が素晴らしい。 本当に現地取材に行ったのではないか?とすら思う生々しさ。 何気ない言葉選びのひとつひとつから舞台である戦後間もない大阪の異臭が漂ってくる。 | ||||
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「新しい時代を突き進む者たちが、いまだに古い考えや常識によって動いている。そんな一断面は、戦後九年経った大阪のあちこちで見られる。近江絹糸の争議も、そして自分たちが取り組んでいる今回の事件もそうなのかもしれない。あの敗戦で、根本は何も変わらなかったのだろうか」 と、とある一文。 1945年敗戦、52年サンフランシスコ講和条約からの「逆コース」の時代、1954年の大阪を舞台に、「大阪市警視庁」の刑事を主人公にしたミステリー。並々ならぬ決意で書かれたのだろうが、わりと爽やかな読後感だった。文体や会話も含めて案外テイストはライトなのだ。 54年って設定がまた秀逸で、自民党一強の「55年体制」は90年代で終わったとされるが2020年代の今も実質続いている感じもあるーーそのあたりの狙いはかなり成功したと思う。より地方自治を実現した民主警察という形もありえたのか。 「バディもの」とされるが、「踊る大捜査線」とかのようにエリートと叩き上げの組み合わせってのはオーソドックス。登場人物は生き生きしているのだけど、まあそこまで強烈なキャラクターは出ないと。惜しむらくはミステリー部分の弱さか。民主主義についての論争もちょっと説教臭く感じる人もいるかも?いや、そこはむしろカッコいい部分だけどね。 まあそれでも、現代の読者を対象とした、1954年が舞台の「社会派」のミステリーとして読んで損はない作品だと思う。おすすめです。 | ||||
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舞台は昭和29年の大阪。頭に麻袋を被せられた刺殺体が見つかり程なく被害者は代議士の秘書だと判明する。政治テロルの疑いを持った国家地方警察大阪本部は帝国大卒のエリート刑事守屋を自治体警察である大阪市警視庁に派遣して来る。その守屋と2人1組で捜査に当たる事になったのが、中卒刑事新城。当初は守屋に反発していた新城だが、捜査が進むうちに2人は互いを認め合って行く。日本が満州で行っていた非道政策の記述もあり戦後日本の闇の記述もあり、兎に角重厚な社会派警察ミステリーです。そして作中の「奪われるくらいなら、最初から幸せなんぞ要らんかった」という一節が印象的でした。 | ||||
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戦後の大阪の警察を舞台にした、連続殺人もの。 大阪の当時の様子や警察の内部描写が目に浮かぶような描写で惹きつける。 中国でのアヘン栽培という軍の裏の顔と、それによって甘い汁を吸っていた人物達への切り込みが、ストーリー全体の骨格として際立っている。 歴史的な部分も丁寧に描かれており、また人間関係の描写も良いアクセントとして盛り上げる。 ミステリーという謎解き部分が少し弱いが、警察ものとしても時代物としても今後の作品が楽しみ。 | ||||
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警察がまだ国家地方警察と自治体警察という組織に分かれていた時代、戦後9年の大阪を舞台にした本格警察小説。 デビューまもない作者とは思えない臨場感溢れる文体で、猥雑で混乱した戦後間もない社会の様子が伝わってきました。 戦争の傷跡や悲劇をミステリーに上手く取り込んでおり、新米の中卒刑事と帝大卒のエリート警部補を中心に、警察のありようが揺れ動く中、自らの信念をもとにぶつかり通じ合っていく様は読み応えがありました。 | ||||
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緩衝材などは一切入っておらず、本の表紙の角が折れた跡が入っていました。残念です。 | ||||
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満蒙開拓団の人々の悲劇と満州でアヘン製造で巨万の富を得た人達を描き切った。 この小説では前半で出てくる殺人事件と満州での労働の苛烈さ、日ソ不可侵条約を破って南下してきたソ連軍の侵攻の悲惨さがキーとなる。この2つの要素が1つに繋がった時に私達は日本が数十年前に辿ってきたその歴史的史実に戦慄するだろう。だがこれが真実なのだ。 王道楽土を夢見て満州を渡った日本国民が戦後どのような半生を送ることになったのか。1950年代の混乱期の大阪を舞台に娯楽的ミステリー小説として昇華している点は瞠目すべきであろう。東大の歴史学科卒という著者だけあって参考文献も幅広いし、卒論としても十二分に価値のある論考ではないか(実際には小説形態の論文などないけど)。 一つ難点をあげるとすると後半で重要となる事実をある人物の後出しじゃんけん的発言としてあっさり処理してしまった点だ。その肝要となる事実を狡猾なある人物のキャラクター性に託けて出し渋っていた、というのは著者のご都合主義に他ならないように思えた。後から「実はこうでした」「こんなこともありました」と言わせれば畢竟何でもありになる恐れがある。キーとなる発言を伏線として前半部分に忍ばせてこその伏線回収である(重要になる会話が登場するのだが、こんな発言あったっけな?と確認してもなかったため後出しじゃんけん的発言と判明)。 だからこそ、「ああ、あの時のあの発言はそういう意味だったのか」という伏線回収のカタルシスはそれ程味わえなかった。勿論、チャプター冒頭の謎のモノローグの人物とある人物が同一人物だったのか!とか本事件に関わる3人の関係性が徐々に明らかになっていく行程は読んでいて気持ちが良い。これぞミステリーの妙味ではある。 また本書のタイトルであるインビジブルだが、英語で「invisible」と記述して、目に見えない、表に出ない、姿を見せない、などなどといった意味になるとの事で、霊界、神、といったイメージでも使われるらしい。 私はこのタイトルがダブルミーニングではないかと推察する。 1つは蛭子様という目に見えない神を意味して、もう1つはは浮浪者(ルンペン)を意味するのではなかろうか。目に見えない蛭子様を信仰していた男と戦後人とも扱われずにいた浮浪者こそが本作の重要人物であることは明白である。 本書は日本史、近現代史好きにはたまらない歴史的ミステリーであり、戦後日本の動乱期の暗部を抉り出した松本清張を彷彿とさせる社会派ミステリーでもある。 このような骨太な小説を令和に読める喜びに感謝したい。 追伸 本書のブックカバーを外すと装丁に描かれていた人々が雲散霧消の如く立ち消えてしまってます。これはインビジブルという意味と関係しているのでしょうか??どちらにせよ江戸川乱歩の少年探偵団シリーズの装丁を想起させる奇々怪々としたイラストが素晴らしい。 純粋にこのような娯楽作が直木賞取ってほしいなと思う。 | ||||
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評判がよかったので読んでみましたが、中盤を過ぎても面白くならない。キャリアとノンキャリアのバディものとしてもことごとくツボがずれている。中心となる殺人の謎も終始興味をひかれないので自分には合わなかったのだろう。 | ||||
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前作「へぼ侍」に惹かれ「インビジブル」も読んでみた。 期待を裏切らない、そして前作からさらにグレートアップした作品だと思う。 ただお願いだが是非巻頭に「登場人物」の一覧が欲しい。 時代が錯綜し登場人物も多いので途中何度も前に戻って人物の名前を確認した。 これからも骨太の長編小説にチャレンジして欲しい。 是非「登場人物一覧」にもご配慮を。 | ||||
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大阪府警(旧大阪"警視庁"(戦後の一時期存在した))の"戦争が家族に影を落とす"(母親は空爆死、父親はヤク中、姉の冬子が母親代り)若手刑事の新城を主人公とした戦争の暗黒面を色濃く出した警察小説。冒頭、ある男が幸三という男と共に満州に渡った事が記される。そして、時代は戦後へ、舞台は大阪へ。新城は自身としては初の殺人事件、代議士の北野の秘書の宮益を被害者とした殺人事件の担当となる。そこへ、北野の関係者の右翼団体の総師の仁科が同様の状況(麻袋を被せられる)で轢死体として発見されたとの報が入り、連続殺人の様相を呈する。ここで、満州で生きる"ある男"の様子の描写が挟まれる(全体がカットバック形式ではない)。どうやら、(現在の公安に当たる)国警と(アメリカ式の)自治警との緊張関係・確執がテーマの1つらしく、新城も国警の守屋(元海軍でエリート意識の強い国粋主義者で高飛車の癖に現場を知らない)と組まされて辟易する。 また、佐藤栄作の造船疑獄や吉田茂の「吉田学校」も言及され、往時の政治情勢を描く事もテーマの1つらしい。ここで再度、満州の"ある男"が祖国の敗戦を知り、ソ連軍に依って収容所送りとなって苛酷な経験をした後で、ソ連軍から帰国を告げられる顛末(その際、<えべっさん>(恵比寿様)の名前を口に出す)が挟まれる。次いで、安治川で"土左衛門"が発見される。この"土左衛門"と上述の2つの殺人との関係も謎だし、"ある男"がこれらの事件とどう係わっているかが今後の焦点だろう。そして、聞き込みによって、"土左衛門"が菅沼というヤクザという事が判明し、刺殺に使われた凶器が三十年式銃剣に酷似していると言う。そして再々度、"ある男"が登場し、"立派な先生"に対して呪詛の言葉を投げ掛ける様子が挟まれる。一方、捜査は進展し、仁科が戦犯だった事、宮益と菅沼に金銭トラブルがあった事が判明する。そして、北野が製薬会社の社長だった事が判明し、全てが繋がった感がある。 戦争のドサクサに紛れて麻薬で大儲けを企んだ悪党達及び麻薬の売人だった浮浪者達が"見えなかった"(<invisible>)警察の混乱・失態を描こうとした意匠は良く分かる。しかし、本線ではないにしても、捜査が自動的に進んでしまうので緊迫感に欠けるというミステリ的瑕疵がある。麻薬に係わる新城と事件との因縁などの要素を上手く作中に散りばめている上に警察を初めとする往時の大阪の猥雑感を巧みに描く力量を持っているだけに残念だと思った。ミステリ的手腕が向上するであろう作者の今後に期待したい。 | ||||
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大阪市警察庁という戦後短期間の存在と、戦時中国でのアヘン栽培という日本軍部の暗部を描いた画期的な警察小説として興味深い。 | ||||
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まだ警察が国家地方警察(国警)と自治体警察が存在していた時代の大阪で、殺人事件が発生。最初の被害者は三十八度線の空き地で死体が発見された宮益(北野衆議院議員の秘書)。次に、国鉄線路上で轢死体で発見された政治団体代表の仁科。そして、水死体で見つかった菅沼の三人。関係者は北野議員とのつながりから政治テロルのセンで捜査をする。 捜査をするのは、大阪市警視庁東署の新城巡査と国警から来た守屋警部補の二人が中心となる。それぞれ考え方が違う組織で、ぎくしゃくしながらも刑事の矜持で捜査をする。一方、戦中に満州に渡った“俺”の物語も並行して進む。事件と“俺”との関係がなかなかリンクしてこない中、最後には新城や守屋の前に“俺”が登場する。ミステリなんだけど、犯人を推理するより戦後の混乱期を知り、当時の闇を生々しく知ることができた。 | ||||
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まだ戦後間もない昭和29年。大阪で、政治家の秘書殺しに端を発する連続殺人事件が起き、大阪市警視庁の新米巡査と国警のエリートキャリア警部補がコンビを組んで捜査に当たることに。捜査が進むにつれて、戦争にまつわる悲劇と、裏に隠された大掛かりな犯罪が明らかになっていく。 最初は全くちぐはぐだった二人が、徐々にお互いを認めあっていく姿が面白い。戦争の跡が色濃い大阪の風景もよく描かれていて、当時の市井の雰囲気もよく伝わって来た。是非続編を書いてもらいたい。 | ||||
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本自体の取り扱いだと思いますが、傷が気になります。梱包されている袋もペラペラでクッション性が無く、これでは輸送中にも傷がつきかねないと思います。自分では絶対選ばない品物です。 | ||||
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「明治大阪へぼ侍 西南戦役遊撃壮兵実記」もユニークでおもしろかったが、本書は格段にグレードアップ。 戦渦を引きずりつつも、高度経済成長に向けて、激しく揺れ動こうとしていた昭和29年。 戦禍を生き延びた人たち、未だ戦禍の傷跡を引きずっている人たちが住む昭和29年。 その大阪が舞台。 高層ビルがそびえたつ街並みの今では跡形もなく消されてしまっている情景。 眼下には、庶民の暮らしぶり、その場所、地の言葉があり、郷愁にかられつつも、初めて知ったこと。 「インビジブル」、そう、”見えないもの”が視点を変えれば見えてくる。 国家地方警察大阪府本部、自治体警察の大阪市警視庁が統合され大阪府警察となろうとしていた時。 キャリアとノンキャリとのコンビネーション。 国警と自警、部署、役職といった垣根を越えて、大阪を守るために全員が全力投球している姿はアツかった。 | ||||
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