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星の子
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星の子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 81~95 5/5ページ
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文学としての価値はよくわからないのですが、面白くてあっという間に読んでしまいました。 主人公の女の子の一人称で物語が進行します。なかなかかわいそうな環境の女の子ですが、友人たちがそれなりに彼女と仲良くしてくれていて、主人公を一方的に不幸な子どもとして描いていない点に、作者さんのセンスが光っている気がしました。 月並みな感想ですが、幸せとは何か、ものすごーく遠い場所から問いかけてくるような不思議な魅力のある作品です。 同じ作者さんの「あひる」も「こちらあみ子」もおすすめです。 | ||||
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淡々としているのに 静かに忍び寄る何かがたまらなく恐ろしい。 ラストはわたしにはバットエンドだ、、読み終わってタイトルを理解するタイプの本です。 | ||||
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ラストの捉え方が難しい作品だ。 私はこれをバッドエンドとして読んだ。 ハップーエンドと読むには、要所要所に不穏なワードが見え隠れするから。 最後のシーンが夢みたいに美しい事だけが救いだ。 | ||||
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病弱だった主人公を救うため、新興宗教にのめりこんだ両親と、家族と縁を切った姉。主人公を家から切り離そうとする従兄弟。信仰を馬鹿にする友人。憧れの先生。 様々な登場人物が出てくるが、その多様さに反して展開はとても穏やかだ。主人公は幼い頃に特別な「水」に病気から救ってもらったという経験があるからか、信仰に没頭する両親から進んで離れることはない。だからといって両親や信仰を否定も肯定もせず、ただただ普通のことと受け入れるだけだ。「支部」の友人たちと楽しく遊び、学校に行けば別の友人と話し憧れの先生を遠く眺める。自身を取り巻く異常性が彼女の生活の中に自然に溶け込んでいる様子が淡々と描かれ、怖さがうっすらと漂う。 ちょうど思春期に入っている彼女は、恋や友情にたくさんの想いを馳せる。しかし、家族に対しては、どこか思考を停止してしまうようである。仕事を辞め信仰に尽くす両親にもこれが普通だから、と感じている彼女の思考には読者の計り知れないものがある。物語が彼女の主観で進められるため、淡々と描かれる一文にも背景の流れに想像を要する。事件性のなさ、しかし少しずつ含まれる異常性が穏やかに描写され、一つの生々しい家族の実情が確実に存在している。 | ||||
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作者が書きたいのはここまでだったのかしれないが、面白くなるのはこの続きからだと僕は思った。 書いてないことを読ませる筆力はあると思う。その点に関しては凄い。ただ、もっと面白くなりそうな素材なのに勿体ないな、という気持ちがどうしても残る。作者の筆力で書かれたこの後の物語が是非読みたい。 | ||||
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それが当たり前で、だんだん他の家と違うことに気づいてきてもそれが我が家、と思おう。生育環境で全てが決まるとは限らないが実際には選択肢がほぼ見えてくる。 親子の仲だけで言えば、すごく羨ましくほのぼのした。 その後の展開を色々想像出来る(オチはない) | ||||
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カルト宗教にはまる両親と、自分が病弱なためにカルトにはまった両親の「愛情」のためカルトから離れられない娘(主人公)。 カルトの話ではあるが、こういう親子関係はありがちだ。「あなたのために」と言われて、息苦しくても離れられない娘の話は多々ある。 お受験、習い事、ステージママ。確かに子どもも、その甘美な世界で享受するものもある。また親の子どもへの愛情とエゴが絡み合って存在するので、無下に拒否することもできない。 カルトに惹かれる人がいるのは、やはりそれなりに魅力もあるのだ。そして辞めたら大変なことになるという思い込みの恐怖にも支配されるから辞められない。 家を出て行ってしまったちひろの姉や、声が出なくなって引きこもりになりその後歪んでしまった先輩信者の落合さんの息子のことも、その後が知りたい。 子どものために始めた信仰がもう子どものためでなくなっていることに、気付かない親たち。 実際にこういう人いるんだろうな、と思う。 カルトと言ってもソフトなカルトなので、大きな事件はない。少し詐欺事件が描かれるが。 カルトにはまるのは勝手だが、子どもの人生は子どもの物だ。 主人公のちひろも気づきかけているが、このまま目をつぶって気付かないふりをして生きていくのか、それとも姉のようにいつか爆発するのか。 続編を読みたい。ちひろ、春ちゃん、姉、落合の息子は今後、どうなっていくのだろうか。興味がある。 | ||||
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なんとも不思議な物語。 子どもの成長物語にもみえるし、新興宗教のあやしい物語でもあり、 家族の絆のお話でもあったり、さりげなく貧困問題も埋めこまれている。 からといって、話の焦点がちらばるでもなく、うまくまとまっている。 世界観というかバランスがすばらしいということかもしれない。 とても魅力のある著者である。 | ||||
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父母の有り様に対して、自分のせいではないと思いつつ、さらに心深い所では自責の念を抱いているように感じられる、心の機微を行間に滲ませる作者に敬服。 そして、さらりとした文体で家族の形を変化させた事柄を扱える作者のセンスも個人的には凄いと思う。 | ||||
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簡素な文章で、読みやすい。ある日、娘のアトピーをきっかけに新興宗教にはまる両親を持つ娘が主人公。とくに目立った事件が起きるわけでもないのだが、それだけに日常のささいな出来事が妙にリアルに感じられました。両親のせいで嫌なことがあっても新興宗教をとくに否定するわけでもなく、かといって肯定するわけでもない。細々と、淡々と生きていく主人公に共感できました。 | ||||
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新興宗教を信じる親の下で育った主人公が中学を卒業するまでが描かれる。 主人公は、自分を愛し気遣う両親を受け入れているが、成長するにつれ、次第に周囲との違和感を感じていく。 信じるもの、価値あるものと認めるものは各々違う。一見正しいものにひどく傷つけられることもある。そのあたりの描き方は淡々としかし冷徹で見事だ。 多様な価値観の中を自然体で生き抜き、成長していく主人公。 ラストシーンは美しく余韻を残す。 読み易い文章200ページ余りで、文学が楽しめる良作ではないだろうか。 | ||||
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この作者の作品は初めて読んだが、深く胸を打たれた。 人が人とのつながりの中で共有する価値観は他人から見れば奇妙で嫌悪感を抱かせるものもある。当事者は中の価値観と外の視線や反応との間で苦悩することになる。ましてやそれが子供であった時に、小さい頃は価値観の中で違和感なく過ごしたものが、大人になるに従って困惑や葛藤を抱くことになるだろう。 この物語の主人公ちひろは自身の病気が原因で奇妙な信仰にのめり込んだ両親と主人公を取り巻く親戚や学校の友達達の好奇の眼差しに囲まれて成長して行く中で、最後にその価値観から巣立って行く機会が訪れる。しかしその最後の時になって主人公を育ててきた両親の奇妙な価値観は、主人公への深い愛情によるものだと改めて思い知らされるのだ。 物語では、愛するものが信じるものを一緒に信じるために、奇妙な価値観に自ら足を踏み入れる青年も描かれる。一方で、主人公の両親は自らの価値観から主人公が旅立って行くいくことを予感し、迷いつつも主人公を愛するが故にそれを許容し、巣立ちゆく主人公をきつく抱きしめる。信仰や特殊な価値観に目が奪われがちだが、これは子を慈しむ親と、親から巣立って大人への道を歩み始める少女の自立の物語である。読み手は物語の最後の最後に、どんなに風変わりな価値観を持った家族にも当たり前に親子の愛情と離別の悲しみが存在するという至極当たり前のことに気付かされるのだ。 その胸に迫るラストシーンを淡々とした短い会話の羅列で描き切る作者の力量に驚嘆した。 | ||||
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この作家の文章は好きです。あえて平易な言葉を使って、それとなく深い所に読者を引き込みます。 ただ、本作品は、「誰もがわかる物語」にしようとして、上手くまとめ過ぎちゃったかな、という感じ。 もっと要所要所に、シンボリックな描写があっても良かったかもしれない。 でも、いい作品。所々に表れる「痛烈な一言(一文)」に、何度もひっくり返った。 狙ったのか、狙ってないのかよくわからないその一言が、この小説のどこか不思議な世界観を、じわじわと形作っている。 これは才能だ。 個人的には芥川賞とって欲しい。 | ||||
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この方の作品、いつも一気に読んでしまいます。 最後は、信仰と家族、世の中との距離が描かれた様に思え、このまま進んでいく家族の様が思い浮かびました。 信仰の中にいる人と外にいる人との間にあるものが描かれ、外にいる自分も中の人はこういうものかも知れないと思わされました。 もっと細かい描写があってもいいような気もしましたが、ないからこそ前のコメントの方が表現されたように深刻ながら「カラッと」した作品になってるのでしょう。 この方の作品の登場人物、外からみると色々問題抱えた人が多いながら、皆優しさがあって、人間味を感じます。 今後も楽しみに作品を待ちたいです。 | ||||
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宗教にのめり込む両親とその原因になった娘の話である。身体の弱い娘のために使い始めた「水」が思った以上に効果を現したら…。そこに信仰を阻む物はなくなるのだろう。だれに何を言われようと宗教を捨てない親、それに何の疑いも持たずただ付き従う純粋な娘。一歩間違うと危険な信仰のリアルな話であり、この家族の結末を悲観しながらも読み進めてしまった。最後の思わせぶりな終わり方は、返って現実味を帯びていて怖いと感じた。さらりと読めるが、心の底に余韻の残る作品だった。続編も読んでみたいと思った。 | ||||
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