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星の子
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星の子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 1~20 1/8ページ
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Amazon商品紹介より以下。 物語の語り部「わたし」は中学3年生、林ちひろ。 ちひろは未熟児で生まれ、生後半年目には原因不明の湿疹に苦しむ。 両親は医者が薦める薬やあらゆる民間療法を試したが、効果はない。 困り果てた父親は、勤務先の同僚がくれた「金星のめぐみ」という水を持ち帰り、助言どおりちひろの体を洗う。 すると、ちひろの夜泣きが減り、2カ月目には全快したのだった。 これを機に、両親は水をくれた同僚が所属する新興宗教にはまっていく。 父親は会社を辞めて教団の関連団体に移り、母親は怪しい聖水をひたしたタオルを頭にのせて暮らすようになる。 叔父が忠言しても両親は聞き入れず、家は転居するたびに狭くなり、ちひろより5歳年上の姉は家出する。 読者から見れば、この展開は林家の悲惨な転落話となるが、ちひろはそうでもないらしく、淡々と冷静にこれまでの家族の内実を語っている。 親の愛情を日々実感しながら育ったからか、外は外、内は内で対応してきたのだろう。 しかし、将来がちらつく中学3年生になると、ちひろにも変化が訪れる。 今村はその予兆を、そして実際の場面を丁寧に、これでもかと繊細に描いてみせる。 人の内と外がつながることを「成長」と呼ぶかどうかは知らないが、そのとき人は、それまでの自分と決別する。 『星の子』はちひろと両親の別れを予感させて終わり、読者には、自身の過去の分岐点を思い出させる。 評者:長薗安浩(週刊朝日 掲載) * 第39回 野間文芸新人賞受賞作。 2018年本屋大賞ノミネート。 これまでに芥川賞や映画化で注目を浴びている、新星というか流星のようなインパクトのある作家さんですが、本作が初の長編となるようだ。 一応これまでに何冊か読み、作風が分かったからきっと本作も何かあるなと思ってワクワクしながら読み終えた。 あーこれは宗教の話、偏見とか、そういう話やなーと序盤で思ってから中盤、段々と浮いて孤立していく中でクラスメイトや同じ宗教団体仲間との交流なんかを書いていく。 作家の作風である「ただの日常を書く」。 ただ、「宗教2世と呼ばれる子どもの目線」で書かれていく日常。 きっとそんなもんだ。実によく書かれているから、すごい。 そして読み終えた時。やっぱりな、こんな所で終わるんだ感で終わる。 そしてまた読み返してみてもいい(しなかったが)。 本作は長編だから、短編のようなインパクトは無い。緩やかな余韻を残して終わっている。 作品については以上、これからは勢いで独自の意見となる。 なぜわざわざ幸せを壊そうとしたり、無い問題をあるようにしようとする? 多数決で決まるこの社会に、少数派を受け入れない理由は何だ? 拒否するだけの事が(さらに攻撃する事が)恥ずかしいと思わないのか?、などなどと指摘する。 何に対しての怒り?かって、小さい頭の「偏見」への怒りだよ。 宗教って聞くとマイナスイメージがあるのは、実際にあった凶悪な事件のせいだな。あれはいかん。 でも普通の会社や学校でだって下手すりゃ宗教よりも圧倒的に凶悪な事件が多いじゃないか、団体、集団の中での問題というのは。 入ったら中々抜け出せないとか、お金がかかるとか、洗脳されるとか、失礼な話。 奉仕活動をしている宗教だってあるのに何か悪いのか? むしろ宗教でなくてもどこかで団体に所属したら?っていうかな。 私は心臓の手術で必死に考えたな、すがるものがないって絶望だな。 自分の力と医者の腕、神様だったな。すがるもの。運だな。 運をよくするためには(助かるためには)善行だな。奉仕やな。 1つの団体に所属しておけば、他の鬱陶しい勧誘を断りやすい。 政党、宗教、他の団体。 「あ、私、〇〇に入ってるから」 楽だよ~(笑)。 まるで魔法のような言葉だ。 話は作品に戻るが、作家さんは、余計な事を語らない。 もし作家さんの本を読んで何も分からないなら、失礼かもしれないが、自分ヤバいかもとよく考えたほうがいい。 他人を自分事だと置き換えて想像できるか? 他人の気持ちが理解できてるか? これまでに発達障がいの方目線で書かれた作品もあったが、 ある意味、感性を試されている作品とも言えるような作品を書く作家さんだなと思う。 | ||||
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奇妙な宗教なんだけど、主人公である娘の視点がいまいちボケている。家を出た長女が1番正直でマシな人物像に思えた。いとも簡単に宗教に浸かっていく両親の心理が見えない。つまり、迷ったり疑ったり、悩んだり怒ったりと気楽以外な感情があって人間なのに喜怒哀楽ではなく気楽しかない親。宗教の裏側も見えない。 | ||||
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宗教2世の少女を主人公とした物語です。 宣伝文句にある「家族の歪み」に暗さを想像して読み始めました。 中盤までは先入観と異なるカラっとした明るい雰囲気に驚きました。 けれど、何気ない会話の背後に漂う違和感がだんだんと強くなり余韻を残す読後感に著者の巧みさを感じました。 宗教2世の物語ということで、学校の友達からいじめられたり、親から無茶な生活習慣を強要されたりという生活を想像していたのですが 主人公は至って屈託なく、親とも、宗教に反対する親戚とも教団の関係者とも、教団の友達とも学校の友達ともごく普通に接しています。 学校の友達にはあからさまな悪意を示されるシーンも稀に差しはさまれていますが、主人公のあまりに屈託のないリアクションによりごく普通の学友間の若さゆえの歯に衣着せぬやり取りに落着してゆきます。 この屈託のなさは主人公の親にも共通しています。 入信以降、教団の紹介により父が転職したことを含めて食べ物に困窮するほど生活レベルが低下していったことも 主人公の姉や親せきから距離を取られていることも両親の言動に表面的には暗い影を落とすことはないように見受けられます。 教団のバザーで買ったおそろいの緑のジャージを着て両親が公園のベンチに座っているシーンも、落ちぶれた哀れさよりも自らの生きざまにゆるぎない信頼を抱く人の幸福感を強く感じさせるものでした。 この両親の屈託のなさは主人公を超えています。 緑のジャージしかり。 教団幹部のお宅での食べ残しを主人公の夕食に持ち帰り、他人の食べ残しを喜んで食べると信じている感覚しかり。 両親と対比することで、一見あっけらかんとした主人公ですが、両親よりは自らの置かれた境遇に違和感を感じていることが焙り出されます。 主人公を取り巻く教団以外の人々のリアクションは概ね好意的で 宗教という背景にとらわれず主人公の主体を見据えて交流していく様は爽やかです。 宗教は身長や、好きなスポーツなどと同程度に、彼女の持つ単なる属性の一つとして捉えているようです。 なので、特定の登場人物のあからさまな悪意の歪みがかえって鮮明に浮かびだす見事な構成となっています。 更に、終盤の長い一日の流れを追う部分では これまで随所にさりげなく埋め込まれていた違和感が、単調な描写を通して読者の心中に明確な不安感として形を成すように仕組まれているように感じました。 それがなんだか中途半端な感じの結びと相まって、ステレオタイプにはめ込んで解釈させない、一件落着なんかさせない、という著者の問題提起を感じさせます。 個人的には、主人公の明るさと屈託のなさが爽やかな印象を残し、どういった道を選ぼうと、彼女の将来に幸あれと願わずにはいられない思いになりました。 巻末の小川洋子さんと著者の対談が嬉しいおまけでした。 | ||||
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つまらない。 とにかく内容がなく面白くない。結局なんだったのか、、、 | ||||
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初めてこの作家さんの本を読みました。 題材としては面白く、文体もクセがそんなに強くないので読みやすかったですが、最後の落ちがなく、結局、作家さん自身が掘り下げられない、書く力量がなかったのではないかと思い、残念でした。 こう言う本は初めてだなー。 | ||||
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通常なら耐えられない家庭と周りからの視線の中にいてそれを悲観もせずにさらりと受け入れて生きる少女 面白かった | ||||
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本書はその独特の語り口と深いテーマ性で読者を魅了している。 一見普通の家族を描きながらも、次第にその裏に潜む異質な部分が明らかになっていく構成が秀逸。 物語は主人公の少女の視点から語られ、彼女の家庭環境や学校生活を通じて、現代社会が抱える問題や人間関係の脆さが浮き彫りにされる。 特に印象的なのは、主人公の両親が「水」に対して異常なまでの信仰を持つ姿。 これは一種の宗教的な信仰を思わせ、その狂信的な行動が家族の日常に大きな影響を及ぼす。 主人公はその中で葛藤し、自分のアイデンティティや家族との関係に疑問を抱き始める。 読者は主人公の視点を通じて、純粋でありながらも複雑な感情を共有し、主人公の成長を見守ることになる。 著者の筆致は非常に繊細で、日常の何気ない描写にも独特のリズムと詩的な美しさがある。 会話や心理描写が巧みに組み合わさっており、登場人物たちの内面がリアルに伝わってくる。 本書は、一見平凡な家庭の物語を通じて、現代社会に潜むさまざまな問題を浮かび上がらせるとともに、個人と集団の関係や信仰の力について深く考えさせられる作品であると感じる。 著者の巧みなストーリーテリングと、登場人物たちのリアルな感情表現が相まって、読後には深い余韻が残る。 現代日本文学の一つの到達点とも言えるこの作品は、心に残る一冊。 | ||||
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答えも解決策も何もない、なんだかちょっとおかしな人が おかしな生活を送るのをぼんやりと見つめるだけの小説、という読後感です。 作家さんの感性が私から遠いのか、これで2作目読了になりますが 肌に合わないなあという感想でした。 この作家さんは殺人鬼の日常とか、そういうサイコパス系の題材の方が面白いかもしれません。 | ||||
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宗教と思って読むのを躊躇してましたが、思ってたストーリーじゃなく、読み味が良かった。 | ||||
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やっぱり今村夏子さんは「ちょっと変」を書かせたらすごいなぁと思いました。 今作は「だいぶ変」でしたけど。 | ||||
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「むらさきのスカートの女」を読んで面白い作家さんだなと思って他のも読みたくなり、2冊目はこちらを。 以下ネタバレ ラストはいろんな捉え方があると思いますが、私は洗脳された両親によってちひろを連れ出させ、海路さんと昇子さんの手によってちひろは変えさせられてしまうんだと思います。 最後の研修旅行の行きのバス割が海路さんたちと両親が一緒だったのに対し、ちひろだけ別で、そこから両親には星を見に行くところまで全く会えないという描写が怖かったし、ラストを物語っていると思う。 その前に、昇子さんが、「春ちゃんは変わる。だけどそれは春ちゃんの意思ではない。」と恐ろしいことを言っていたのも伏線になってる。 ちひろの揺れ動く感情や、宗教二世の苦悩等も描かれていてとても考えさせられた。 両親の儀式(頭に特別な水をかけ合う)なんて日常だったはずなのに、先生やクラスメイトのいる前で見てしまった時、まるで初めて見たような感情になるとことか、すごくリアルだった。 やっぱり好きな作家さんだなと改めて思った。 他の作品も読みます。 | ||||
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ハッピーエンドじゃないけどその方がリアルで面白かったです。 生まれて来た子供が心配で藁をも掴む気持ちはすごく良くわかります。それで偶然にも結果が出たら信じてしまうのかもしれません… ただ関心が子供ではなく水の方に行ってしまって周りが見えなくなって…怖いですよね。 個人的にはお父さんの勤めてた会社が損保っていうのも妙にリアルでした。 私も損保の代理店に勤めてたことあって社長に水の結晶の本…を貸してもらってなんか宗教っぽい内容だったので読み進められず途中で社長に返したのを思い出しました笑 子供の目線や感情が残酷でもあり普通っぽくもあり、先生の態度も含め変に綺麗にまとまってないのが新鮮で良かったです。 | ||||
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三島由紀夫の美しい星のように奇妙なリアリティがありながら進んでいく。エンディングが美しいのか、美しくないのか。何かを突きつけられた読後感が怖い、怖い、凄く怖い。 こんな作家がいるのかと驚きました。 | ||||
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宗教二世を扱っているのでどうかと思いましたが、エグさはあまり強くないです。 親に対して素直な分、思考を奪われていてこれが我が家の平生と受け入れているところが、この問題の根源なのかなと感じます。 最後は親子揃って過ごす時間が描かれていますが、子供への愛情のようでもあり束縛のようでもあり、何とも不気味です。 | ||||
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カルト宗教の熱心な信者を両親に持つ、中学3年生の少女・ちひろを主人公にした小説。 野間文芸新人賞受賞作にして、芦田愛菜主演で映画化された話題作だ。 出てくる宗教は架空のものだと思うが、集会の様子などのディテールには確かなリアリティがある。 教団名は出てこない。タイトルは教団機関誌(?)の誌名『ほしの子』と、ラストの流れ星の場面に由来しているのだろう。 作者の宗教に対するスタンスが、とてもニュートラルである点がよい。 凡庸な作家が同じテーマ・設定で書いたなら、この宗教のアヤシさをもっと強調し、ちひろの両親についてももっとあからさまな狂人のように描いただろう。 だが、今村夏子はそのように安易な善悪二元論(=「カルトにハマった人は悪/ハマらない人は善」)には陥らない。 両親は、カルトにハマっている点を除けば善良で優しく、ちひろに対する思いやりも深い。 また、教団の研修旅行に向かうバスの中は、まるで遠足のような雰囲気で描かれる。 教団内には、外となんら変わらぬ普通の人間関係がある。 要するにこの小説は、カルトという要素を差し引けば、ごく普通で日常的なのだ。 さりとて、もちろん作者はカルトを肯定しているわけではない。 否定も肯定もしないニュートラルなスタンスで、〝たまたま「カルトの子」に生まれた普通の少女〟の青春を描いているのだ。一段高いレイヤーから人々の営みを虚心坦懐に見つめるように……。 「エホバの証人」信者の家庭に育った著者が自らの少・青年時代を振り返った、『ドアの向こうのカルト』という本があった。 同書は、エホバの証人に対する告発書というより、「たまたまカルトに入っていた男性の風変わりな青春記」という趣であった。本作もイメージとしてはそれに近い。 | ||||
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実写も最高。 | ||||
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宗教二世の少女をめぐる、比較的フラットな小説。文章は読みやすい。宗教、家族、幸せといったものがテーマにあるのだろう。 | ||||
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良かった | ||||
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不憫」という言葉が浮かんできた。「わたし」は、親の愛もあるし友達もいるし、まだ、なにも不憫ではないのだろうが。でも、これから親が信じるものに懐疑を抱いたとき、親から多分躊躇なく捨てられることになるだろう。親は子を見るのではなく、信じるものを取るんだろう。その時の孤独を想像すると、いたたまれなくなる。宗教二世という言葉で、実相が明らかになりつつあるが、信じるもののためには子さえ捨てていく信仰とはなにか? これから絶望に近い孤独と向き合わなければならない「わたし」を想像させるラストであった。 | ||||
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統一教会のことでクローズアップされた「宗教二世」の問題を考えながら読むと、複雑な気持ちになる。勿論反社会的な犯罪行為はあってはならないが、その小宇宙内で幸せを感じている家族(子供が嫌がっているなら別だが)を批判するのも難しい。 | ||||
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