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(短編集)
罪人の選択
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罪人の選択の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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貴志 祐介といえば,私が読んだ中で一番怖い本「黒い家」の作者。この本がどれくらい怖いかというと,ページをめくるのが怖いのだ。本当に。夜中読んでいると自分の後ろから切り付けられそうになるくらい。(残念なのがこの黒い家が映画化され,大竹しのぶという事で期待して見に行ったのだが,見るに堪えない内容だった…) で,この「罪人の選択」は短編集。最初の一発目が思いっきりSFで読むのをやめようか…と思った。私は本は好きだが多分SFは受け付けないのだろう。ただし筒井康隆的なSFは大好き(あれはSFというのか??)。 で,表題の「罪人の選択」に関しては,時代はまたいでいるがSFという事ではなく,なかなか面白かった。自分が戦争に行っている間に,自分の嫁の面倒を見て助けてくれた友人が自分の嫁と出来ていた。ただ「戦死した」という連絡があった後なので仕方ない面がある。といっても素直に,仕方ない…で済ますには自分の気持ちが治まらない。用意したのは,どぶろくと缶詰。そのどちらかには,即死する量の青酸カリが入っている。どちらかを選んで口にせよ…という。1/2の確率で助かったら水に流すと。これくらいしないと自分もあなたも許せないと。 同時進行で15年後に同じようなシーンが描かれる。その戦後に争っていた二人の子孫が同じような状況で向き合っている。今度は男が女をだましてその騙された方が自殺,その姉が15年前に作られた缶詰とどぶろくを持ち出して,やはりどちらかを口にせよという。全く同じ状況なのだが,後の方は大きなアドバンテージが。そこに白骨化した死体が転がっているのだ。それは15年前にどちらかを飲んで死んでしまった死体だと聞かされる。 その死体を見ていると,大きなヒントが。ああこっちに毒が入っていたのか。だったら今度はその反対を飲めば良い。しかしそれに気づいたことがばれれば,有無を言わさず殺されるかもしれない…。何とかその場を平然とやり過ごしバレることなく前とは違うものを口にしたのだが…。 この話は面白かったが,後のは読まなかった(笑) | ||||
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イマイチでした。 | ||||
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SF三作とミステリ一作を収録する。発表年代も掲載誌もバラバラだ。 未収録の作品がこんなにあったのか。SFは周辺作ではなく、ド真ん中の王道だ。 「夜の記憶」(87)どことも知れぬ惑星の海底で、彼は目覚めた。体表の感覚毛で周囲を探り、たくさんの泳行肢で前進する。実は彼には人間としての記憶があって・・。 長編デビュー前に書かれた作品で、SFマガジンに発表した。ミステリ作家にしてはしっかりしたSFを書く人だと思っていたが、スタートはSFだったのか。 「呪文」(09)遥かな未来、巨大な星間企業が宇宙を支配している。貧しい植民惑星「まほろば」の住民は、神を崇めるのではなく貶める宗教を持つ。企業から派遣された金城は、住民の行く末に心を痛める。民俗学SFとでもいうのか、生臭くて因襲に満ちた宇宙小説である。陰性の迫力に惹きこまれた。超資本主義社会の瓦解を暗示する結末が余韻を残す。 「罪人の選択」(12)目の前に焼酎と缶詰を置かれた。どちらかに猛毒が入っている。好きな方を飲食せよと命じられた。無毒のほうを選んだら、罪は許してもらえる。 究極のデスゲームは、18年の歳月を経て再び繰り返される。サスペンスみなぎる佳作である。先がまったく読めない。 「赤い雨」(15-17)海も大地も赤く汚れ、ほとんどの生物は絶滅した。遺伝子改造を施した藻類チミドロのせいだ。雨までが赤く染まり、人々は全身を食いつくされて死んでいく。スラム出身の女医・瑞希は、エリートの住むドームに研究のため病死体を搬入しようとする。だが、その行為は深刻なタブーだった。 本書の核となる中編で、本格SFの力作だ。チミドロが生まれた経緯は、科学的な説得力と強烈な風刺に満ちている。パンデミック小説であり、ディストピアSFでもある。 社会と個人の関係に踏み込んだ筆致は、小松左京か小川一水を思わせる。 未収録作品集なのだろうが、傑作選と呼びたいくらい質の高い逸品が揃っている。 お買い得な一冊と言えるだろう。 | ||||
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繊細で独特の世界。想像したこともない感覚 | ||||
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文句なしに面白い。 個人的に4本目の赤い雨が気に入っていて、是非長編作で見てみたい。 夜の記憶だけがかなり難しくあまりハマらなかったのが残念。 | ||||
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「赤い雨」は感傷的すぎて駄目だが、他3作は素晴らしい。特に、「呪文」は傑作レベル、「夜の記憶」はデビュー前の作品とは思えないほどの出来栄え。しかし、できれば、「新世界より」(超傑作) までの諸作品のような、読み手の常識を破壊するような、貴志先生ならではの傑作長編を、もう一度読んでみたい。 | ||||
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貴志祐介マニアなのでジャケ買い。今回の短編は、どれも勢いで読ませるタイプではなく、グロ描写や悪ノリを抑えた「青の炎」のような透明で切ない文章で綴られているのが特徴だと感じた。 「夜の記憶」と「呪文」は、短編で消費するにはもったいないアイデアが詰まった一級品のSF短編で、ぜひこれらをベースに長編を書いていただきたいレベル。SFでもぜんぜん行けるぞ貴志祐介。 「赤い雨」は山田宗樹の「人類滅亡小説」とネタがあまりにも似すぎていて「これはいったい!?」と頭がクエスチョンマークでいっぱいになったが、初出を見ると「赤い雨」が2015年、「人類滅亡小説」が2018年とのことで、同時期に書かれた偶然の一致なのだろう。 | ||||
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全体的に満足ですが、 個人的に『呪文』を推したいです。 SF的世界観の中に、オカルティズムが散りばめられている点は、 『新世界より』に通ずる感触を受けました。 | ||||
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かなり寡作な作者さんですので待望の新刊です。 過去に連載した4作を掲載した短編集ですがどれも期待に違わぬ面白さで、1987年とかなり過去の作品が読めるのも嬉しいです。 物語はホラーよりもSF寄りで、『新世界より』に通ずるような話もあり個人的にはこれが一番でした。 ただし長編のような物語の重みや厚みを求めると少し違うかもしれません。サラッと読める貴志作品としてはかなりおすすめです。 | ||||
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最初の作品はラストがよめてしまいましたが…他の作品は、とても楽しく読めました。 | ||||
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2017/10月、「ミステリークロック」以来になりますが、貴志祐介の「罪人の選択」(文藝春秋)を読みました。4つの短編が収録されています。 ①夜の記憶・・・・著者デビュー前の一篇だそうですね。瑞々しい「感性」と余韻。 ②呪文・・・・・・「諸悪根源神信仰」、「まほろば」、「マガツ神」。純粋さに溢れた希望。 ③罪人の選択・・・傑作です。一升瓶と缶詰。リドル・ストーリーにもう一つのリドル・ストーリーをかけ合わせることによって、帰納的推理が浮上し、「謎」が消滅します。幕切れに思わず「快哉」を叫ぶ。 ④赤い雨・・・・・前半、「ブレードランナー」の土砂降りの作品世界のような、血塗られた「赤い雨」のイメージがこの作品を覆い尽くしています。今日、今、この時、ある生物(ウイルス)の存在がこの世界を簡単に変えてしまう。 繰り返しになりますが、私は基本的にはスリラーの読み手ですので、表題作「罪人の選択」が類を見ない傑作だと思います。 | ||||
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