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妖都
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妖都の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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妖しく恐ろしい“死者”達が引き起こす数々の事件、そして馴染みが薄くてもどこか懐かしい90年代の雰囲気たっぷりで、そのあたりはとても楽しめました。 ただ、他所の感想でもありましたが、広げた風呂敷をほとんど畳まず、放り出すようにして終わってるので… 読者の想像に任せると言えば聞こえは良いですが、これでアリなら、どんな話も思わせぶりな伏線っぽい事件さんざん起こして、そこに理屈もオチもつけず、後は読者の想像にお任せ!こいつらの戦いはこれからだ!で許されるじゃん…っていうのが正直な感想です。 近い年代のTV版エヴァンゲリオンが確かそんな感じで大絶賛されてるので、当時の流行なんですかね… でもそういう感じの投げっぱって、どう理屈付けられてもズルい気がするので、普段はあまり読まないんですが、ホラー小説にこういう系統がもし多いなら気をつけたいと感じました。オチがない以外は楽しかったんですよ本当に…。 | ||||
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この世にこの世ならざるものを幻視する。 死者が溢れる東京。 一人のロックヴォーカリストが遺した歌詞。 それは神話の謎、人類の謎を解く鍵。 我々は彼の忘形見。 | ||||
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ラノベ少女小説作家”津原やすみ”から幻想小説家”津原泰水”へと移行して最初に書かれた1997年の作品です。 津原氏作品は本当に多様で、「ルピナス探偵団」や「たまさか人形堂」シリーズのようなほのぼの系から、音楽テーマの「ブラバン」や「クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」、そして、奇っ怪で尖った幻想風味の「少年トレチア」や「幽明志怪」シリーズなど、とても同じ作家が書いたとは思えないほどです。この「妖都」は後者の毒が含まれた幻想的エピソードに入ると思います。 私事で申し訳ないですが、アメリカのダーク・ファンタジー作家ジョナサン・キャロルのファンで最近昔読んだ作品を最初から再読していたのですが、ふとこの「妖都」が長い間積ん読状態になっているのに気がついて読んでみることにしました。その後で津原氏がジョナサン・キャロルを敬愛していることを知り、なにか共通した雰囲気に魅かれて、それが呼んだのかもなどと思ってしまいました。 この作品は最初、内容が過激すぎるとみなされ予定していた部署から出版を拒否されたそうです。が、友人であった綾辻行人氏の推薦で講談社の別部署から出版されることになったとか。確かに、夢も希望もない結末で、しかも内容はよみがえる死人、肉が裂け血が飛び散る阿鼻叫喚の残酷シーンの連続です。メンタルが弱っている時にはどーんと落ち込んでしまいそうで、あまりおすすめできません。 ロックを愛し、自らもロックバンドを主宰されている津原氏らしく、ここにもCRISIS(危機)というビジュアル系らしいバンドが登場します。美貌で両性具有ではという妖しい噂のあったボーカリスト、チェシャが投身自殺。その頃から東京で突然の自殺や異様な変死が激増していく、登場人物たちの中には、人間ではない、幽霊でもない、生きて?動いている死者としか呼びようのない者を目撃してしまう者が増えていきます。 しかもこの登場人物たち、暗く屈折して、利己的な意図で自分のことだけでいっぱいな人間たちばかりで、共感したり感情移入できるようなまともな人物がひとりもいませんでした。アクが強く暗黒のイメージで、かなり人を選ぶ作品だと思います。 ”津原泰水”としてのデビュー作ということで構えすぎた感もありです。その後の作品の方が肩の力が抜けてリラックスして書かれているように感じます。 ただ、人物の造詣、話の構成、雰囲気作りなど、どれを取っても大変緻密で、細かな伏線が複雑にからみあって、よくこんな話を思いついたなと思いました。小説としての完成度はとても高いと思います。好き嫌いは分かれると思いますが、すぐれた作品に違いありません。 | ||||
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鬼畜ぶり わざわざお金出す作品ではありません! ゲスの極みですね!! 作家の性格は、短気そのものであり、 下品などすけべ根性の本!! ゼロにしても良いくらいです | ||||
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金子先生の表紙に惹かれ衝動買い!読んでみて懐かしい感じがしてよくよく見たら復刊とのこと…世紀末感漂っていたあの頃も今に比べたらまだ未来があったな~と感じた作品。 | ||||
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初めて読んだのですが「あ、これってこんな話だったの!?」とびっくりしました。 津原先生の本を読むのは初めてです。 霊感のある少数の人々が人間とも幽霊とも違う〈死者〉という謎の殺戮妖物を見るようになって……というあらすじ。 黒沢清監督の『回路』とも世界観が似ていますね。 〈死者〉は死んだ人から現れるのですが、実体があり、生きている人たちを無差別に殺します。 しかし、実体があるのに霊感のない人には見えないという設定なので、人々はフラフラと駅のホームに飛び込んだり突然見えない刃でバラバラになったり、猟奇的な結末を迎える。 徐々にパニックが広がっていくという設定。 『トリフィド時代』と同じく、ポスト・アポカリプスの〈過程〉を楽しむ作品ですね! 展開はちょっと遅いし、90年代独特のわかりづらい言い回しがあったりで読みにくいのは確かなのですが、作中で立ち現れる『リング』『呪怨』を彷彿とさせる気味の悪いクリーチャー〈死者〉の造形が秀逸。 映画化したらおもしろそうです。 おススメ! | ||||
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1997年に出た単行本の文庫化。 死者が蘇って生者を殺していく異様な世界を描いた長編ホラー小説である。 テーマとしては、両性具有や自己の再生産といったあたり。 ストーリーはあってないようなもので、むしろ残酷な場面、耽美な世界、奇怪な舞台を描くことに主眼が置かれている。場面ごとの異常さを楽しむべき小説だろう。 多数の登場人物が入り乱れ、謎が明らかになるようでならないまま、結末ともつかないラストを迎える。そういった話に耐えられる人なら……。 | ||||
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相変わらずすごいです。綾辻さんとか小野不由美とか絶賛してるけど、もう決して褒めすぎじゃない。少年トレチアを読んだときも思ったが、こういう大作を書ける力量の人はあんまりいない。読み手を選ぶ作品だろうとは思うけど、傑作でしょう。 ゾンビものというか、幽霊ものというか、それに様々な変態チックな心理とオカルトめいた耽美的雰囲気を、東京という殺伐とした都市にぽんと放り込んでぐちゃぐちゃにミックスしたような作品です。 雰囲気作りも最高だし、最後のほうの展開は嫌になっちゃう人もいるだろうけれども自分的にはオッケーです。おすすめ。 | ||||
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内容は面白い。対称的なキャラの美少女二人や謎めいたヴィジュアル系シンガー、退廃的な美青年など物語のつくりは魅力があるし、適度に変質的・猟奇的要素も盛り込まれているからホラー好きにはまあ愉しめる。しかし一読してまず思ったのは詰め込みすぎだということ。 起承転が長く結が短いから収まりが悪い。 加えて、シーンのカットごとに描かれる情景は鮮烈なイメージに溢れているが、細部は雑。チェシャが歌手であったこと、彼の悪意の本質、雛子の存在の変容など例をあげればキリがないが、説明が足りない。かなり読者を選ぶ一冊。 | ||||
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常識が覆され蔓延していく過程をひとつひとつ丁寧に書き上げている。 ―見えないと思いこめば見えないものだろうか― 教室という狭い空間で―いじめという行為は行われてはいけない―と思う教師には、―いじめは行い得ない―に変換され、そのフィルターで物事を見てしまうという話を聞いた事がある。おめでたいが、本人の身体にはいいらしい。 しかし、いじめは起るとしよう。そうしている内にじわじわと―いじめはしなければならない―ものとなり、その行為が否が応でも目に入る。恐怖にたじろぐ者、なれていく者。最後まで見えない者。 本書は「死者」が見える世界の生まれる過程と死者と関わる人々の変化を描いている。 見える者、受け止める者、吸収されていく者、利用する者、見つめる者。 あなたは、見える世界でどうお過ごしになりますか? 準備運動をこの本で。 | ||||
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好き嫌いの評価が分かれる作品かも知れませんが、私にとっては大変お気に入りの作品です。何と言っても作品から湧き出るというか滲み出るというか、他では味わえない妖気。。。。深夜一人、旅先の六畳一間の布団の上に寝転んで、薄暗いスタンドの電気の下で読んだ時は、かなり現実世界から離脱することが出来ました。 | ||||
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多数の登場人物がみんな魅力的です。 内容は良いのですが、文章の工夫がもう少し必要です。 多数の人物の中で語り手が移り変わっていくのですが、厳密に言うと第三者が語っています。 ころころと主要人物が変わっていく中で、第三者からの語りは文体の雰囲気が淡々とし過ぎています。作品の中に読者が入りにくい。 異型な文体を活かすには、もう少し工夫が必要だと思います。 幻想的なホラーが好きな人じゃないと、ほかの作品も読みたいとは思わないかもしれません。 | ||||
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