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他言は無用の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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Richrd Hullの『Keep it Quiet』(1935年)の翻訳。 ロンドンのクラブを舞台としたユーモア・ミステリだ。 シェフがバニラの瓶と有毒物質の瓶を取り違えたことから始まる騒動を描いているのだが、クラブに集うメンバーや従業員たちが、いかにもイギリスっぽく描かれていて楽しい。途中から「犯人」のクラブへの脅迫が始まるのだが、その内容がまた……。 ただし、ユーモアはきわめてイギリス的。けっして派手さはない。 犯人像は意外。 | ||||
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ハルの名前は、「叔母殺人事件」が三大倒叙推理小説として国内では古くから喧伝されていたこともあり、私も子供のころから記憶に刻まれていた。 実際「叔母...」はかなりおもしろい作品だったが、本作も舞台や登場人物はこじんまりしているが、なかなかにおもしろい。 いわゆる、英国紳士の「倶楽部」なるものが舞台なのだが、まず、本作がちょっと異色なのは、犯人・探偵・メインとなる犯罪...がいまひとつはっきりしないまま、団子状態でストーリーが進んでいくことだろう。 ...といっても、パット・マガーの作品ともまた毛色が違う。死者は物語の最初の方ででてくるし、真犯人(?)も最初の方から登場してくるのだが、どこに話の焦点があるのか、微妙にはぐらかされた状態で本の半ばまで進行するので、その絶妙の「わからなさ感」がなんともいえないのだ。 本作の前に、カーの作品を何作か立て続けに読んでいたのだが、はっきりいって、「小説」としては、本作の方がはるかに上だと思う。 カーは仕掛けが大仰なくせに、ページを捲らせていく推進力に欠けるし、読後感もなんだかさっぱりしないものが多い。 カー・マニアはまだ日本の推理小説ファンには多いと思うが、ハルに関してはどうなのだろう? | ||||
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原題Keep It Quiet(1935年刊) 世評高い『伯母殺人事件』(1935年刊)や邦訳のある『善意の殺人』(1938年刊)よりも数段上の出来。 英国独特のクラブ文化の実相が皮肉たっぷりに描写される面白さ、謎の脅迫者に翻弄される登場人物の愉快な行動・・・ユーモア小説としても超一級 傍流の挿話と思われる蔵書窃盗の事件が本筋に意外な形で絡む意外性。そして中盤に訪れる大胆な構成の転換に秘められた企み・・・仕掛けとツイストに満ち、愉快なサタイアと巧妙なプロットの傑作。 結末も見事・・・大いに笑えてやがて底意地の悪さに慄然となる。 リチャード・ハルはもっと翻訳されるべきだ。いわんや、このような傑作が絶版とは残念の極み。 | ||||
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紳士の憩いの場であるクラブでおきた、料理人のミスによる事故。人命にかかわるまでになってしまい、クラブの体面を気にする幹事は、医者を味方につけてウヤムヤのうちに事態を収拾してしまう。これで一安心と思いきや、今度は脅迫状が届けられ・・・。書き方一つではドタバタ劇になってしまうような内容なのですが、ジックリ落ち着いた文章で語られていきます。何とかクラブの平和を守ろうと悪戦苦闘するのだが、根が優柔不断なために何事もうまくいかない幹事の姿には、気の毒だと同情をおぼえながらも思わずクスッ、細かいことにうるさい弁護士の繰り広げるシャーロック・ホームズばりの名(迷)推理にはニヤッ、というように、読んでいるとついつい笑いがこみ上げてくるような、「余裕」のようなものを感じさせるユーモアのあふれるミステリです。 | ||||
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