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青が散る
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青が散るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 41~60 3/5ページ
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誰もが、青春の影を抱えている。 光が強ければ強いほど、影もまた強い。 美しさの反対に影を。 強さの後ろに、もろさや不安を。 真っ直ぐさのうしろに、心の揺れを。 作中で出てくる“業病”。 それは、家族がみな自殺をしてしまうという血が流れている安斎だけではない。 許されない恋、 勝負への態度、 ビジネスや事業。 みな、業病だ。 夏子を好きだからこその最後の燎平の決断は、 なんともいえない読後感をもたらす。 汚れちまった哀しみだなぁ。 “「それは業病やそォ」” | ||||
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知人に勧められて読んだ本、 『青が散る(上)』、 おもしろいです。 宮本輝らしい世界が表現されているように思います。 生きるって何なのか、自分の命って何なのか。 新設大学の一期生の燎平。 そこで知り合った学生の夏子とつきあいたいからテニスを始めて、 テニス中心の生活へ。 高校まで全国大会などで活躍していたが病を理由にテニスを離れていた安斎とであったり、 お手本からはほど遠いようなテニスをするけれども妙な強さがある貝谷とであったり。 勝利への貪欲さへの、「王道」と「覇道」と。 人間くさく、変わった奴らの、はいつくばるような生き様。 爽やかなスポーツとしてのテニスではなく、 どろどろとした人間くささを含んで描かれているのが、なんだかよい。 “王道とは何であろうかと燎平は考えた。そして、貝谷の言う覇道とは何であろうか。すると燎平の心に、社会の中で、あるいは力弱く悄然と生きているかも知れない数年後、数十年後の自分の姿がふいに浮かんできた。” | ||||
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著者は、1947年生まれ、「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞した宮本輝。 (1985.11.25 – 1995.11.5 第20刷) 椎名遼平は新設大学でテニス部を金子に半ば強引に誘われるままに創設する。 テニスというスポーツをひたむきに取り組み、遼平が入学から卒業・就職までの四年間、男友達、女友達らと青春の光芒を描く切なく鮮やかな感動の長編小説。 上下巻に分かれているものもあるみたいだけれど、自分は一冊タイプを読んだ。 結構なボリュームで、読み終わった後は、寂しいというか切ない満足感があった。 第10章から始まるとても長いポンクとのシングルス試合は文章を読んでいるのに、本当の試合を観戦して息が詰んでしまうような緊迫感で充ちていて、終わった後の生意気だったポンクの真っ直ぐな言葉には心を打たれてしまった。 知っている地名もたくさん出てくるし、関西ならではの言葉のニュアンス、気遣いの仕方が読んでいて懐かしくもあり、“関西の粋”が詰まった一冊でした。 宮本輝作品の中でも自分が一番好きな作品です、宮本輝作品は映像化しても表現できない、“小説”がからこそ表現できる洗練された空気感が自分は好きです。 ───「もう二度と、私の講義を無断で休んだりせんと誓うか。誓えるならこの珈琲を飲みなさい。誓えんなら、このまま私の部屋から出て生きなさい。どっちも気味の自由や。若者は自由でなくてはならないが、もうひとつ、潔癖でなくてはいけない。自由と潔癖こそ、青春の特権でないか」(p.362) | ||||
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青春時代の著者のテニス経験が彷彿とした上巻につづく好著で、読みごたえあり。 | ||||
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20年前に読んだことがあって、かなり面白かった印象があったので、再び読みました。期待以上に面白かった。 | ||||
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読まなきゃソンですね。大人へと、また、一人の人間としてと成長してゆく過程がなんともいえない後味を残して いきました。読み終えた後の感情が血となり、肉となる・・・名演奏を聴いたあとの感情に似ています。 何度も読み返したい、忘れそうな感情を思い起こさせる秀作です。 | ||||
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20数年ぶりに読み返した宮本輝の「青が散る」。大学時代の懐かしき思い出。大学入学手続きを迷う燎平の前に現れた夏子の不思議な存在感。金子との地道なテニスコート作り。この素晴らしい作品が電子書籍となって後の世代に残される事がとても嬉しい。 | ||||
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20数年ぶりに読み返した宮本輝の「青が散る」。大学時代の懐かしき思い出。夏子に「何遍も何遍も…」と告白された燎平の深い哀しみ。辰巳教授から贈られた「潔癖」と「王道」の色紙の意味。この素晴らしい作品が電子書籍となって後の世代に残される事がとても嬉しい。 | ||||
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著者の大フアンで、すべての文庫本は、読破したが、なぜか、青春小説というので、いい年をしていまさらと思い60過ぎになるまで、よまなかったが、たまたま本屋で、手に取りその気になり読み出したら、上下いっき読み、4,5日で、読みおわつてしまった、やはり、宮本輝は面白い。 | ||||
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学校の課題図書でしたが、タイトルがギリギリに判り慌てて買いに行きましたが近くの本屋さんと図書館と古本屋さんを回りましたが、結局手にはいりませんでした。が、!こちらで見つける事が出来ました。本の状態も読むには十分でした。探し回った時間を返して欲しいです。次からは先にこちらで探します。 | ||||
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最初期の、自伝的な要素をモチーフにして書かれた作品群に俺は大学生当時、かなり救われている。 氏の書いた小説に於ける主人公たちの置かれた立場が、氏の境遇を反映しているのと同様、それは俺にもピッタリ当て嵌まる…リアルなものだったのだ。 宮本の文章の底流には、いつだって《闇》がある。ユング風に言えば《影》。 宮本の描く主人公たち〜例えば『青が散る』の燎平は、自分と他者の関わりの中から、《闇》があやなす不条理な情感の、様々な機微を《垣間見》る。 この時間と空間からでしか叶わない、《垣間見る》ということの特異性… 卒業後の青年期や壮年期においては「垣間見られる」当事者そのものとして、その後の生を生き続けなければならない。 無為にたゆたう四年間という神話としての時間の流れに、純粋な《コト》として立ち現れる、エロスと死。 それを、《垣間見る》ことで燎平たちは、傷つき、さまよい、もがき、苦しみ…背負わされた荷物の、引きずるべく足枷の、それぞれの重みを積み重ねていく。 …ただ、彼らには、その背負わされた荷物の《意味》を自分の《価値》に昇華するための、特別の時間が与えられているのだ。 非生産的な「勝ち負け」を純粋に追求する、テニスというスポーツを縦軸に…非生産的な、損得勘定の介入の余地がない他者との関わり方を横軸にして…彼の、彼だけの…背骨を貫く不変のルールを形成していくのだ。 その過程は、新しい生のちからを得ると共に、青が散る…死ぬことも内包されている。 ………大学の、あの四年間、今でも俺にとっては《郵便局》なのだ。あの四年間という空間を通して今でも手紙が送られてくる。 散ってしまった、青の残滓に透けた封筒の中に、自分のちからと、自分のルールと、自分の夢が書かれた便箋が入っている… そして、今日も俺は旅先から誰かに読んでもらいたく手紙を出す… | ||||
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新設された大学で大男の金子に強引にテニスサークルに入れさせられ、戸惑いながらものめり込んでいく椎名遼平。彼が思いを寄せる女性、夏子。不安神経症で天才テニスプレイヤーの安斎。爽やかな青春小説。 青春小説として、この上なく清清しく快活な一作。皆それぞれ悩みを持っており、それを1人で解決しようとして失敗する。しかし、仲間達の温かい支えがあり、友情の素晴らしさを実感させる。 王道や覇道、潔癖などの講釈もアフォリズムとして心に残る。 青春小説はどうしても物語が軽くなりがちだが、太宰治の「正義と微笑」のように重厚で忘れられない一作となった。 | ||||
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この物語の登場人物達は不器用で多感、そして未熟。 未来への不安を抱えながらも、溢れるエネルギーをテニスに、日常生活にぶつけて行きます。 楽しいことばかりではなく、未来に対する鬱屈や友の死、上手く行かない恋、それぞれの挫折があります。 それらを抱えながら不器用に走り抜け、彼らなりに掴み取って行く姿に感動を覚えます。過ぎ去って初めて気づく眩しく大切だった時代。 その時代の輝きと優しさが、今を生きる力を与えてくれる作品です。 | ||||
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二度と戻らない特別なシーズン。 あの頃の感じ取ったものを大人になったからと捨てられるだろうか? 実際、捨てたり、忘れたりすることはあるだろう。 でも、胸を切なくさせながら次のドアを開けていくのが人間ではないでしょうか。 きっと遼平もそうして行くでしょう。ただ切なくさせるだけでなく、思い出に負けないくらい今を走り抜けてみたいと感じさせる作品でした。 | ||||
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小説のなかのほとんどがご本人の体験したことであると 聞いていますが、普通の大学時代の青春ドラマという だけではなく、宮本輝作品を読んだ読者の好きな名作で いつも上位にランクされ、映画化もされた小説だけに 宮本文学の執筆で、読み終えると一種の爽快感が漂う。 | ||||
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切なくなるほどの大学生青春小説ってあまりない。 この分野では小説より、圧倒的に少女マンガの方が強いって 個人的には思います。 その中で、本書や柴田翔(されど我らが日々・・、贈る言葉)や 村上春樹(風の歌を聴け 三部作)等 名作もある。 ただ、これは俺のひがみの部分もあるが 柴田翔:東大 村上春樹:早大 という、いわゆるインテリ大学生が舞台で そういう舞台の憧れ半分、嫉妬半分で読んでしまう。 --- 本書は、著者 宮本輝 の追手門学院大学がモデルになったためだろう インテリ大学でもないし、バカ大学生って感じでもなく “普通の大学生”という、偏差値に偏らない(笑)大学生像だと思う。 *どちらかというと勉強しないではいれるバカ大学だが 登場人物はおおらかだが、バカっぽくはない --- 青春のみずみずしさや純真さを描いている。 セックスに対して過剰な意味を与えがちな若者、とも言えるが それだけ純粋だ。 酔った勢いでやっちゃいました。とか 腐れ縁でフラフラしちゃいました。とか リアルではそっちの方が多いと思う。 そういうのが好きなら本書は”考え過ぎだろっ!”だし 原田宗典の小説の方が向いているかも知れない。 仮に、考え過ぎだったり過剰な意味を与え過ぎだったとしても そこに青春の醍醐味を感じる。 --- 他のレビュアーで 【主人公と同年代だが“羨ましい程集約しすぎ”】というのがあったが 確かに、羨ましい程だ。 何にもなかった、さえない大学生活を送った者としては ポール・ニザンの名言 【私は20歳だった。これが人生の最良の時だとは誰にも言わせない】 がふさわしい。 現実は、それほど密度濃くないですよね。 でも、だからこそ 青春のみずみずしさを感じさせてくれるこの小説は素晴らしいのだ。 | ||||
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受付窓口で出会ったかわいい女の子、夏子につられるようにして、もともとたいして入りたくもなかった新設大学に入学した主人公、遼平。最初は大学に入ったところで何の目的もなかった遼平だが、次第にテニスにのめり込んでいく。テニスと恋愛、さまざまな個性的な人との出会いを通して遼平が成長していくさまが描かれています。 文庫本の解説にも書かれていましたが、登場人物たちはみんなエネルギーにあふれていながらもどこか醒めた目を持っているし、皆それぞれの挫折を大なり小なり経験して卒業していきます。そのような人たちの生き様がたくみに描かれています。 大学の新入生なんかが読んでも楽しいでしょうし、あるいは大学時代が遠い過去になった方々が読んでも、懐かしくちょっと切ない気持ちになるんじゃないでしょうか。私も折に触れて読み返してしまう小説です。 | ||||
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1982年初版、 新設大学テニス部を舞台とした青春小説。 恋に、スポーツに、未来に悩む内容で、 小説版「タッチ(あだち充)」といったところでしょうか。 ただ主人公は、 恋も、スポーツも、未来も、華々しいエリートというわけではありません。 よって作風も爽やか一色ではなく、 少し内向的な、冷めた感じになっています。 「ライバルはお金持ちでスポーツ万能」という トレンディドラマのようなベタな設定なので、 読みやすく、 主人公の持つ青春特有の悩みに強く共感できると思います。 | ||||
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ほろ苦い青春小説です。 テニスに打ち込む青春小説でもあるのですが、 主人公にからむ様々な人物がまた魅力的です。 ん十年前の石黒賢のドラマの印象が大変強く、ドラマを 思い出しました。 なつかしい青春時代のひとこまです。 | ||||
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「潔癖」と「王道」 いずれも担当教授が主人公に贈った色紙の言葉である。 この2語がこの作品を物語るキーワードのように感じます。 青春時代の友人関係や異性との関係をうまくまとめたほろ苦い作品です。 | ||||
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