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(短編集)
アメリカひじき・火垂るの墓
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アメリカひじき・火垂るの墓の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 21~40 2/3ページ
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アニメーションで何度も「火垂るの墓」を見たが、原作は初めてで、 野坂作品としては「エロ事師」と「マスコミ漂流記」以来ですが、焼跡文学そのものです。 どれも人間の弱い部分をよく描き、最近の3.11での日本人評価と比べてしまいます。 収録作品は火垂るの墓、アメリカひじき、焼土層、死児を育てる、ラ・クンパルシータ、プアボーイ。 死児を育てるは子供のころの体験がいかに大きいかを表し、今に通じるテーマです。 プアボーイは切なく、秀作だと思います。 | ||||
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子供の学校の課題用に購入しました。 私も読みたいと思いました。 | ||||
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「あの兄ほどに妹をかわいがってやればよかったと、 野坂さんは『火垂るの墓』について、 自身が戦争孤児だったときには、 この兄のようにやさしくなかった。 1歳4か月の妹より自分の食欲を優先することが多く、 泣きやまないと、脳震盪をおこすほど 頭をたたいたこともある、とくり返し贖罪している。 幼くしてそんな十字架を背負わなければならなかった 野坂さんも、亡くなった妹さんも、痛ましすぎる。 野坂さんは作家として半世紀以上にわたり、 亡くなる直前まで 反戦平和を唱え続けた。 2015年8月にも、若い世代に「戦争について考えてほしい」と、 朝日新聞に3週連続でエッセイを寄稿した。 「戦争で最もひどい目に遭うのは、子どもたちだ」という 野坂さんの叫びを、語り継ごう。 | ||||
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再度読み返しました。 野坂昭如らしいユニークな文体 この時勢の時、私は17歳、我が身にせまる小説、感銘を受けた。 | ||||
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ある意味タイムリーな内容の書物だった為、久し振りに目を通してみたが、相も変わらず衝撃を受ける内容だった。 こんな事があったのに、またもやこの惨劇を引き起こそうとしている愚かな政治家共に読ませてやりたい。 自衛権だけならばまだ良い、「徴兵制が違憲ではない」と主張し、またこの惨劇を引き起こそうと着々と準備を始める、馬鹿な老害政治家共。 自分達には年齢的にも徴兵制には関係が無く、金や地位もあるから守られる立場にあるからこそこんな惨劇を再び起こそうとしているのだろう。 親に見守られながら着々と成長していく幼い子供や、これから幸せな家庭を築いていく時期を迎える十代、二十代の若者。 幸せな家庭を持ち日々を懸命に生きる三十代、四十代の世知辛い現代社会を支える働き盛りの方々。 子育てを終えて可愛い孫と共に余生を過ごす五十代、六十代の親としての大変な義務を果たし、幸せになっていく子供を見守る権利を得た方々。 戦争時代、戦後復興期、めまぐるしく変わっていくこの世界を生き抜き、そして漸く人生を謳歌する事が出来ている七十代、八十代のご老人方。 またもやこのような一般市民達が、意味もなく犠牲になろうとしている。 戦争時代を生き抜いたご老人方がどんな思いで「二度と戦争をしてはならない」と主張しているのか、よく考えて欲しいと思った。 | ||||
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「火垂るの墓」。 6月の大空襲で焼け出され、母を失った幼い兄妹が、8月15日の敗戦を挟んで9月20日過ぎに神戸・三宮駅で餓死するまでを淡々と、しかし状況を積み重ねてリアルに描く。 お涙ちょうだいを拒否するようなひどい悪文(特に前半)なので、読んでいて涙は出ないが、野坂の想いが吹き出す文体には必然性が感じられ、シンプルであるにも関わらず重苦しい。平凡だが楽しい生活がふとした弾み(とちょっとした判断の狂い)で地獄へ変わる、その過程が不思議なほど鮮やかに描かれている。それが戦争の恐ろしさだと静かに主張している。 「アメリカひじき」。 アメリカでも「ひじき」を食べていたのかと不思議に思っていたタイトルだが、“ブラックテー”をひじきと間違えたと知って笑った。戦中派のアメリカコンプレックスが戯作調・浪速講談調の饒舌な文体で賑やかに、これでもかと書き込まれていて、笑いながらも読むのが辛くなる。今の若い世代にはこの感覚はわからないだろう。 「焼土層」。 「火垂る」の清太が生き残って成人したような男が主人公。育ての母が死んだと知らされ、神戸へ戻ってその人生を回想する。戦中戦後の庶民の苦しい生活にあくまでも拘る焼け跡派の怨念の深さ。この作品の方が直木賞にふさわしいのではないかと思った。 「死児を育てる」。 可愛い盛りの2歳半の娘を殺してしまった母親。なぜ殺したのかというミステリ的興味で引っ張っていくが、交互に疎開の思い出が挿入され、結末は途中から容易に想像できるようになる。しかし、その一瞬の描写は想像を越え、ぎょっと身を引いてしまう凄まじさ。冒頭の文章が伏線として効いていて、グロテスクさは骨我身峠クラスの衝撃がある。 主人公の久子は、節子を死なせてしまった清太が生き延びた姿、つまりは著者自身だろう。 「ラ・クンパルシータ」。 この短篇集でいちばん良い出来ではないか。野坂らしい軽い戯作調で笑いがいっぱいあるし、同時にとても哀しい物語でもある。 主人公・高志のキャラ設定が良い。空腹に泣くうちに飢餓恐怖症となって食べ続けずにはいられなくなり、ついには盗んでも食うようになってしまった生活が滑稽に描かれる。 この主人公は野坂の恨み骨髄が人格化されたキャラクターだろうが、この短篇集の各作品と同様、戦争末期から敗戦直後にかけての社会状況が凄まじいまでに活写されて迫力がある。 | ||||
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掲載されている内容は特に問題もなく読めました。 ですが、文章間の句読点の使い方がおかしいのか、少し読みにくかったです。 現在から過去の話(回想)に行く時も、唐突に行くので若干戸惑いました。 | ||||
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モデルになった神戸に住んでいるので、御影、三宮、夙川、満字谷…実在する知っている地名が出てきたので、小説にあれ地名を散歩がてら訪れながら読むと、よく解る。 | ||||
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子供の時の記憶が呼び覚まされた。火垂るの墓で、妹を庇い、必死に生きようとする子どもの知恵だけでは、あまりに厳しい困難が、妹を引き剥がし、父の死が彼の生きる希望を無残に砕いた。こんな悲しい小さな命をどれだけの図絵に積み上げtたら、気が済むのだろうか。愚かしい過信と傲慢がまたぞろいきふきかえして、原発再稼働など触れてならぬ神の領域を安易に弄ぼうとしている。人とは、なんと愚かしく悲しい生きものであろうか! | ||||
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野坂昭如氏の独特の流れるような文体。最初は戸惑いましたが、すぐに慣れ、むしろ心地よい感じさえしました。とても悲しい話が数話ありますが、やはり火垂るの墓が圧倒的に心に残りました。しかし前記の通り流れるような文体で悲しさをさらりと書き流していくため、読んでいる途中より読み終えた後にじわじわと心にしみ込んできます。名作ですね。 | ||||
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本体、配送すべて満足いきました。 なにせ、価格1円+送料とは…。 逆に、これでいいのだろうか?と、申し訳ない気持ちでした。 | ||||
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戦争の悲惨さが忘れ去られないように、若い人も読んだり、DVDを見てほしいと思います。短大の授業で取り上げたのですが、かわいそうとは思っても、平和を続けるためにという、自分にかかわることとして考えられない。また自分の子供ができたときに同じ思いをさせたくないと感じられる人はごく少数であり、戦争が遠いことになってしまっていると感じました。なんとかせにぁ・・・ | ||||
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この映画の意味が。」戦争孤児となったセイタとセツコの健気な姿が、悲しくも逞しい。母が死に、困窮したセイタが盗みを働くシーンは胸が痛んだ。改めて気づかされた、戦争は残酷だ。そして世界のどこかでは、今もそれが行われているということにも。 | ||||
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本の質はすごくいいけど、内容はちょっと、留学生にとって言葉が難しすぎる | ||||
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川上未映子さんを読んでいて、その文体からの連想か、いつ以来かの再読。表題の「火垂るの墓」「アメリカひじき」ほか、短編が六つ収められていますが、いずれも腰とアクの強い文体が慣れればクセになる作品です。焼跡闇市派と呼ばれていたのは、扱う題材に由来しているのでしょうが、いま読み返すと、その文体のほうが後世に受け継がれた特質であるように思われます。一度は泣け、何度も笑える短編集です。 | ||||
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著名であるけれども未読だった本書を読めて良かった。 京阪神を舞台に、地元の語り文学の型を踏襲して、敗戦と空襲の記憶を日本国民のプライドのあり方と共に結晶化させた傑作。 京阪神の土地勘があると、なお現実感のある読書になると思います。 個人的な所感としては下記3つ。 '@日本という国が真剣にこれまでの歴史を糧にして国民を再生産していこうと考えるのなら、あらゆる面について第二次世界大戦の振り返りは不可欠なので、本書や「野火」や永井荷風の日記や「黒い雨」や、はたまた当時の国威発揚のための大本営発表の研究やミャンマーやニューギニアからの撤退の記録などを読ませた方がよいのではないでしょうか。 臭いものに蓋をしたい気持ちはよくわかるが、面白半分に命を弄んで、時には飢えたり焼け出されたりして、その中で思い出すのもはばかられるようなことを経験しながら、何とか生きながらえた(あるいは生き残れなかった)という記憶を後の世代に引き継がず、第二次世界大戦の何を国民に語り継ぐつもりなのか疑問です。 'A京阪神間は当時も非常に都会的で豊かだったんだなということを文章の端々や行間から感じました。 関東でも関西でもない田舎の出身である私には鼻につきました。 'B国土に爆弾を落とされるということがどういうことなのか、イメージが持てました。 北朝鮮から核弾頭が飛んできたら都市生活がどうなるのかを考える上で非常に有益でした。 著作の描写がかなりきついので、「(いろいろな意味での集中と意志の強さを)強いられる読書」となるでしょうが、読んでおいて損はないと思います。 現在70代から80代になろうとしている人たちのことを理解する上でも、非常に有益でしょう。 | ||||
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おれは、戦争が悲惨だなんて云わない。というか、戦争を経験してないんだから、そんなこと云えるはずもない。そして、わざわざ、戦争を追体験せしめるような物、つまり戦争について記録した小説だのエッセイだのを読んだことは一度たりともなかった。ところで、野坂昭如氏の火垂るの墓これだけは読んだ。文章が散文詩的で美しいので読むに耐え得るものだった。郷愁を誘う、威厳のある日本語に感慨を催した。物語、これは難渋性は全くなく、坦々と進行していきながら、妹の死という、残酷に、しかし感動的なほど美しい形で終局をむかえる。火垂るの墓、題名からして粋だ。イメージがポエジーとして昇華してゆく小説、火垂るの墓。何度読んでも飽きないぞ。 | ||||
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おれは、戦争が悲惨だなんて云わない。というか、戦争を経験してないんだから、そんなこと云えるはずもない。そして、わざわざ、戦争を追体験せしめるような物、つまり戦争について記録した小説だのエッセイだのを読んだことは一度たりともなかった。ところで、野坂昭如氏の火垂るの墓これだけは読んだ。文章が散文詩的で美しいので読むに耐え得るものだった。郷愁を誘う、威厳のある日本語に感慨を催した。物語、これは難渋性は全くなく、坦々と進行してゆき、妹の死という、残酷に、しかし感動的なほど美しい形で、終局をむかえる。火垂るの墓、題名からして粋だ。イメージがポエジーとして昇華してゆく小説、火垂るの墓。何度読んでも飽きないぞ。 | ||||
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「火垂るの墓」という短編は映画化され、 毎年八月になるとテレビの前の視聴者の 涙腺をゆるませていること、みなさんご承知のことと 思います。 しかし、原作者の野坂さんは映画を観て 「感動しました。素晴らしい」と、 ファンの人に言われると、 「あれは映画を作った人が偉いだけ。ぼくの手柄ではない」 とおっしゃるそうです。 どころか、書いた後、一度も読み返していない そうです。直木賞まで取ったのに!! 主人公とセツ子の実際はもっともっと悲惨で、 自分と義理の妹さんをモデルにして、 ある意味美化して描いたこの短編を、 野坂さんはあくまで認めません。 世間の声がどうだろうと!! その実際の、戦災当時の記録と懺悔を記した 「わが桎梏の碑」という本があります。 アニメに涙する前に、いや、後でいいから 目を通して欲しい一冊です!!原作ともども!! | ||||
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火垂るの墓<第58回(1967年下半期)直木賞> アメリカひじき<第58回(1967年下半期)直木賞> 焼土層 死児を育てる ラ・クンパルシータ プアボーイ の六篇に、尾崎秀樹の解説を加えた作品集である。 全篇を通して作者の「大東亜戦争の思い出」が様々なカタチで描かれているようだった。 野坂昭如の饒舌体は最初は非常にとっつきにくく感じた。 読んでいるうち慣れたのが不思議であった。 『火垂るの墓』はズバリ言ってしまうと幼女と少年が死ぬ話で、 アニメ版のような可愛げはない。そして饐えている。疥癬と下痢の連続である。 ちなみにアニメ版で有名な「なんでホタルすぐ死んでしまうん?」という台詞は出て来ない。 あれは高畑氏(もしくは別のアニメ版スタッフ?)の創作だったようだ。 本作は『アメリカひじき』とともに直木賞を受賞したそうだが、 よくこんな饐えた重苦しい作品が選ばれたものだと思う。案外、懐の深い賞なのかもしれない。 『アメリカひじき』はTVCM制作のプロダクションに勤める男:俊夫とその家族が、 アメリカ人夫妻を日本の自宅に招いたことを描いた作品である。 俊夫一家とアメリカ人夫妻との関わりがユーモラスに描かれている。作中にはたびたび俊夫の戦争の思い出が挿入される。 当時の日本人にはここまで大きなアメリカ・コンプレックスを持つ人もいた、というのが新発見であった。 『焼土層』は男が死んだ養母を訪ねる話。 養母の屍を前にして、男の幼少時の思い出が描かれる。 『死児を育てる』はとある主婦が自分の娘を殺す話である。 本作品集の中では内容的に最も面白く感じられた。 野坂氏の女性目線の語りが妙に様になっていたように思われる。 『ラ・クンパルシータ』は枚方少年院出張所に入れられた高志という少年の話、 『プアボーイ』は同少年院を出所した辰郎という少年のその後を描いた話である。 これでもか、というほど汚物が描写されるので、読むときは覚悟して当たられたし。 ユーモラスではあるが、とにかく汚い。 人間には目を背けてはならない真実というのがある。 その真実がどうにも汚らしいこともある。 その汚い真実に敢えて目を向けることも必要なのだろう。 また、映像では生々し過ぎて表現できないことから生々しさを削いで表現する、 というのも文章の真っ当な使用法であるのだろう。 私は上記二つのことを頭では理解した。 それでも汚さへの不快さは拭えなかった。 バッチいものはバッチい、という思いはどうやっても消えなかった。 たぶん私が不快に感じたということは、作者の試みが成功したことになるのだろう。 という訳で★は四つとさせて頂いた。 私個人の感情としては好きになれないけれども、存在意義は分かる、という感じ。 | ||||
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