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陰翳礼讃
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陰翳礼讃の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 1~20 1/4ページ
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『源氏物語』訳で、角田光代先生のものは、谷崎のものと違い主語が明瞭で分かりやすい、故に良いという投稿を拝見し、苦笑したものでした。良いか悪いかそれは好みにすぎず、主語を省くというのは谷崎が意識して作り上げた文体の特徴、方法です。元となる彼の文章は非常に読みやすく、味気ないくらいです。翻訳調です。初期の『痴人の愛』などびっくりするくらい読みやすい、素朴な文章です。内容はともかくとして。ためにコンプレックスを持ってらしたらしく、いろいろ工夫して、作り上げてゆくわけです。陰翳礼讃し愛しながら、陰翳に乏しい文体であったわけですから。そして、陰翳礼讃と堂々と謳えるまでになるわけですね。虚仮威しに見えなくもありませんが、本著に仕組まれたレトリックの効果は抜群です。努力家ですし、読書家な方です。そうはいっても、著者のものを、私はそう好みはしませんが。 | ||||
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中古品とは思えないくらい綺麗でした。 | ||||
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谷崎潤一郎が日本文化を形作る基本的な要素の一つとして陰翳(陰影)があることを、衣食住を中心にして美しい文章で綴った本、「陰翳礼讃」に、写真家の大川裕弘さんが谷崎潤一郎の文章を目で見えるような写真にして数多く掲載しています。 光と陰、いやむしろ陰が主役の写真は、ため息が出るような美しいロケーションや櫛や和菓子、家具など完成された純日本の品々は見つけるだけでも大変だったのだろうと思います。巻末の写真の説明を見ると中には超高級旅館もあって、非常に美しいけれど値段を見るとまぁいいや、と思ってしまいました。 谷崎潤一郎さんは本書のなかで陰翳の美しさを知っている日本人に対して、何でもツルツルピカピカにしないと気が済まない西洋人を対比していますが、何かの本で、パリにガス燈が大規模に設置されたときは「我々の夜を返せ!」と抗議デモがおきたくらいなので、陰翳の美しさもヨーロッパ人はちゃんと分かっています。教会やカテドラルの闇に差し込む光や荘厳なステンドグラスも陰翳があってのものです。 なので、ツルツルピカピカは西洋文化ではなくて、日本も西洋も同じ現代文化と置き換えれば良いかと思います。 私が最近感じたのは、満月の夜で満月は半月の20倍も明るいと言われていて、昔は満月の夜は月に照らされた夜を皆が楽しんだわけですが、今では街灯だけでなく飲食店などの電燈のおかげで満月でも新月でも誰も気にしないし、おまけに全員スマホしか見ていないので何だか貧しさを感じます。 本書にあるように、まぁ、こういうことを言っているのは老人だけで(とは言うものの谷崎潤一郎は当時まだ50歳前ですが…)、若者は拡声器(スピーカー)から音楽が流れて様々に照らされた空間を「オシャレー」と言ってわいがいがやがやと騒がないと子孫繁栄につながらないわけで、仕方がないといえばそうなのでしょうね。 | ||||
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センスの良い友人にプレゼントするものがなく、、、この本を差し上げたら、とっても喜んでもらえました。 日本の美学再発見! | ||||
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名随筆である。 京都の料亭「わらんじや」の燭台による照明の美、障子のもたらす日本家屋内の光の美しさ。。。 日本人が古来から親しむ日本の美・・・光と影の綾なす融合した美の空間・・・について、微細な感覚を以て書き上げた、古今の名文である。 | ||||
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写真と言霊の絶妙なバランス。 幼い頃の薄暗い厠を、走って居間に戻った記憶が蘇る。 暖かな、そして背筋がピンと伸びる一冊です。 | ||||
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やけに美文名文と誉めそやされる『陰翳礼賛』だが、この文章の巧みなところはそのエクリチュールの美しさの下に織り込まれた、当時の歴史社会的な文脈を読者に一向に感じさせないところだ。 特にあげつらうべきなのはしばしば登場する「われわれ」という言葉で、「われわれ」は、西洋に対する「東洋人」であったり、「黄色人種」であったり、はたまた純一な「日本文化」を保持する「日本人」といった具合に伸縮自在な概念として使用される。 純粋な日本文化を論じた文章かと思えば、かくの如く論の規模がアジアにまで拡張してしまう。 「東洋」という大きな枠で語れば当然ながら純一な「日本文化」を論じることは難しいはずだが、この文章では中国などからの日本文化に対する影響は巧みに排除される。 というか、西洋諸国との文化的差異を列挙するにもかかわらず、中国朝鮮との差異を全く論じないので、読者の側では「美しい日本文化」を論じた文章として読みながら、「中国朝鮮との文化的差異?まあ、うん...」といった風に読み進めざるを得ない。 中国朝鮮とは東洋という非実体的な観念で結ばれた、なんとなく日本と似ている文化圏で、なんとなく日本文化はそれらよりも純粋に独立して論じることができると言わんばかりなのだ。 敢えて左翼文学理論風に語るなら、1933年に発表されたこの文章の罪は、そんな風に中国朝鮮と日本とのなんとなくの同一性を検証しないまま語り進めることで、満州国建国を支えるイデオロギーであった五族協和(=満漢蒙朝日民族による国作り)と、民族間の同一性の演出による同化主義を文化的に補完するイデオロギー装置となってしまう点である。 しかし戦後も国語教科書にこの文章が残り続けることができたのは、日本人=単一民族という神話を日本文化を論じることで演出する文章でありつつ、中国朝鮮などを一見貶めないように見える「無害」な文章だからなのだろう。 こうも「日本文化」を疑わないレビューの数々をが90年後を健在であるのを見ると、谷崎先生のレトリック操作の技術に驚くとともに、疑いようもなく彼が日本語の達人なのだなぁと思わされる。 | ||||
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国語の本です。写真がきれいな本です。 | ||||
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当方、20代ですが、この本を読むの感性が磨かれると思います。 若い方に読んでいただきたいです。 | ||||
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文章と写真映像の一致がとても良いです。谷崎先生の感性が文章になっていますが、現代の私達には捉えにくい繊細な部分が映像化されています。読解を補助してくれます。 | ||||
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美しい写真が挿入されたことが何よりもわかりやすく素晴らしい。 内容は多少の主観を混じえ、頑固すぎるようにも思える信念を、日本の忘れ去られた心を感じ取れる、そんな作品。 | ||||
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まずもって驚くのは著者の文章のあまりに読みやすいこと。 1930年代に書かれた作品という事ですがつい先日書かれたような瑞々しい感覚を文章がいまだに持っていることに非常に驚きました。 流れるような平易な文章で当時を生きた人の感覚をそのまま伝えてくれている印象をほぼ90年後に生きている私に届けることが出来るというのはこれは本当に驚くべきことです。 「日本の建築の中で一番風流に出来ているものは厠かもしれない。」 「風流は寒きものなり」 「漆器の碗の良いところは暗い奥深い底に容器の色とほとんど違わない液体が音もなく澱んでいるのを眺めた瞬間の気持ちである」 「美は物体にあるのではなく物体と物体との作りだす陰翳のあや、明暗にこそある。強いてその醜さをみようとするものはそこにある美を自ら追いやってしまう」 「われわれは己の置かれた現状に甘んじ暗いことに不平を言わず返ってその闇に沈みこみ己の美を発見する」 「古人は女の紅い唇をわざと塗りつぶし豊穣な顔から一切の血の気を奪った。闇の灯りに浮き立つように」 「元来嘘を本当らしく見せるのはなるべく簡単に書くのに限る」 「小説の中の会話を読んでも一つ一つの単語に違いは無くても必ずジェンダーの違いの区別がつく」 「直訳体にならないで我々が純然たる日本風の表現を獲るとしたらむしろ原文より短いくらいになる」 「日本は元々ジェンダーの差を設けてあるのにわざわざ平等という名のもとに折角の国語の機能を滅ぼしている」 読んでいて面白いのは特別に「厠」への思いがあるとしか思えないほどトイレ事情に異様な情熱を燃やしている事だ。 これは海外旅行に頻繁に行く人なら非常によく理解できることだと思いますがトイレ事情ほどその国の文化を表すものは無いと言っていい。 そこを掘り下げて掘り下げているのは本当に面白いです。 そして解説ではこの陰翳礼讃を根底からひっくり返すような否定的な文章に溢れておりそれも本当に面白かったですね。 | ||||
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文筆に関わる方であれば、何遍も読み返す一冊であった。 他方で内緒にしたいが、「青空文庫」でも閲覧可能だ。 モニターでみるのは味家ないので、縦書き印刷できる環境があれば、 楷書フォントで原稿用紙風に起こしてみるのも一興であろう。 | ||||
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とにかく写真が素敵、写真集のようです | ||||
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「陰翳礼讃」など5篇のエッセイを収録しています。 特に興味深いのが「文章読本」です。本作は谷崎本人による谷崎文学・日本文学の案内書でもあり、 文章のノウハウや文学鑑賞に指針を与えてくれる内容です。 用語、文体、含蓄といったテーマに沿って、古今の名文の優れた点を指摘し、文章の書き方の工夫を細かく指南してくれます。 散文文学作品の読み方・書き方ガイドとしてもたいへん分かりやすく、参考になりますし、 文学の素養がない私も文学鑑賞をしてみようという気になりました。 本書を足がかりに、谷崎潤一郎の他の作品を読みたくなりますし、 漱石・鴎外・志賀直哉といった本書で称揚されている作家の作品を手にとってみたくなります。 素人にも文学鑑賞への意欲を湧かせてくれるお買い得な一冊だと思います。 | ||||
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日本建築の持つ陰影の美しさを、西洋との比較により説明しているため、日本と西洋の建築史を同時に勉強できるような内容でした。 淡々と説明が続く建築史の参考書とは違い、日本建築に落ちる光や影がどのように美しいのかが繊細に表現されています。 最後に谷崎とは逆の解釈があることや、この本が書かれたモダニズム流行中の時代背景が解説されており、建築を多方面見ることができて視野が広がりました。 | ||||
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写真が美しい!大きなサイズで見たいと思いました。 | ||||
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ありがとうございます | ||||
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インテリアや照明に携わる職業の方々に幅広く読まれている本書。日本家屋についてだけではなく、すぐれた日本人論としても読める珠玉の一冊。 日本人が好む美しさとは、省略の美であるということ。空白を持って画面を構成する日本画もそうであるし、無駄な言葉や描写のない小津安二郎、北野武の映画も実に日本的な美と言える。宮崎駿さんが「アニメーションは三歩あるいて十歩あるいたように見せなければ意味がない」というような主旨のことを何処かて語っておられたが、それも日本の美なんだなあと強く思った。また、世界で評価されているのはまさにそれら省略の美そのものなのだ。 その点では若者の流行言葉の略語なども日本独自の文化なのだと思う。一から十まで説明過剰というのは西欧文化なのだろう。しかし、現在の日本では行き届いたサービスや過剰な説明などが多くなり、かなり文化は変化してきている。もちろん外国文化を取り入れることで快適になり、発展するのはうれしいことだ。一概に善し悪しを言えることではないが…。比較文化論としても興味深い内容だった。もっと谷崎を読んでみたい。 | ||||
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この文章は彼にしか書けません。魅力的でぐいぐい読んでしまう。「廁のいろいろ」は特に面白かったです。よくあるような周りくどい、表現に余裕を持たせるようなものではなくて、圧倒的彼の感じたことをそのまま適切な言葉選びで彼なりの表現をしています。本当に魅力的な文章。 | ||||
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