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(短編集)

血染めの旅籠



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【この小説が収録されている参考書籍】
血染めの旅籠 (月影兵庫ミステリ傑作選) (創元推理文庫)

血染めの旅籠の評価: 3.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

安物チャンバラ小説

月影兵庫の連作からミステリ風味の作を選択した短編集である。17篇収録。
十年ほど前にも月影兵庫の小説が復刻されたことがある。たぶん一作も重なっていない。
兵庫と言えば、誰もが近衛重四郎主演のTVドラマを思い出すだろう。私もだ。大好きだった。
ドラマのユーモラスで爽快な味わいは欠片もない。品川隆二が演じた焼津の半次も登場しない。
主人公の名前と旅をしている設定以外は、まるで別物である。
南條が「原作の意味がない」とクレームをつけたので、花山大吉という新シリーズに変更されたらしい。
そういう背景があったのか。五十年ぶりに知る裏話だな。

ドラマと違っても面白ければ文句はないのだが、あまりたいしたことないな。
連作から抜粋したので、話が飛んでいる。妻帯したかと思うと、次の話で流産で死んでいる。
ミステリとも呼べない。事件を解明するというよりは、勝手に話が転がって決着がつく。昔の大衆時代劇だなあ。兵庫の「上段霞切り」は一瞬で敵の首をはねる技だそうな。説得力皆無で、安っぽい。
いくつか印象に残る話もある。
『私は誰の子でしょう』神隠しから十年ぶりに戻ってきた子が二人いた。
『乱れた家の乱れた話』夫婦が両方とも浮気している。このシリーズは性愛絡みの事件が多い。
本作は比較的できがいい。
『殺しの方法は色々ある』ひとつの殺人に四人の容疑者がいて、全員が自白する。バカミスもどきである。
原作小説よりTVドラマのほうが上品で高品質だ。こういうのも珍しいな。
血染めの旅籠 (月影兵庫ミステリ傑作選) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:血染めの旅籠 (月影兵庫ミステリ傑作選) (創元推理文庫)より
4488425216
No.1:
(4pt)

焼津の半次は出てきません!

夕方の再放送でよく見ていたテレビ時代劇の名作『素浪人月影兵庫』。
1958(昭和33)年から数誌にまたがって連載された内から
ミステリとして楽しめる作品をセレクト。
昭和30年代発表のワリに
“犯人”
“被害者”
“容疑者”
と、そこかしこに混じる時代物らしからぬ言葉から
現代の風が吹き込んでくる。

『銭形平次』や『人形佐七』はモチロン、
創元推理文庫で同趣向の短編集が編まれている
“木枯し紋次郎”“眠狂四郎”とか
時代劇ってTV化されると
必然的にミステリドラマになっちゃうものだよね。
てっきり、品川隆二のコミカルな演技でお馴染みの
焼津の半次をワトソン役に、月影兵庫が名推理を披露するンだろうと思ったけど
全然、出てきません。
後半から、とある事件で知り合った、
元“掏摸”の安と旅先で事件に巻き込まれるコトに。
原作とあまりにもかけ離れたストーリー展開への
作者からのクレームで
キャストその他はソノママに『素浪人花山大吉』として
再スタートを切らざるを得なかったのは有名な話。
その後、本家の方が半次を意識したキャラクターを
登場させたとのこと。
『掏摸にもすれないものがある』のラスト、
兵庫と安のやり取りは
“カリオストロの城”のラストにおける銭形警部の一言の元ネタ?
血染めの旅籠 (月影兵庫ミステリ傑作選) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:血染めの旅籠 (月影兵庫ミステリ傑作選) (創元推理文庫)より
4488425216

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