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沈黙の少女



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【この小説が収録されている参考書籍】
沈黙の少女 (海外文庫)

沈黙の少女の評価: 2.89/5点 レビュー 9件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.89pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(1pt)

酷い

何か特別な理由付けが出来る展開になるであろうと、それだけを期待して読み続けたが、全く意味は無し。只々ページ数を稼ごうという駄作。
沈黙の少女 (海外文庫)Amazon書評・レビュー:沈黙の少女 (海外文庫)より
4594082432
No.8:
(3pt)

悪文と嫌悪感を乗り越えた先の

あまりの悪文と登場人物たちの気持ち悪さに放り出しそうになったが、全く前情報なしで読んだので、そういう読者からすると序盤を越えると意外な方向へ話が方向転換したので、そこからは引き込まれた。
ただこの作品は一人称の文体で書かれていて、元のドイツ語がそうなのだろうが、一つ一つの文章を精読していては読み進むのに困難必至だと思われる。心情や考えが途切れ途切れに語られるから、主語やその他諸々が省かれたり明示されなかったり、ちょっと全ては付き合ってられない。なので話の筋は分かるくらいの速読でいいのでは。ただそれだけ作者の力の入りようも伝わるし、話が重い。嵌まる人にはガッツリ嵌まるかもしれない。
ミステリ的なサプライズ要素もあり、確かに少し驚きクライマックスでうまくまっているが、それより、全体のスリラー感、反吐が出る悪役たち、主人公の悲壮さを読む話。
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4594082432
No.7:
(1pt)

1/3読んでギブ!

とにかく出だしからつまらないです。
我慢して読み進めてもつまらないです。
とくに「わたし」にページが割かれていますが、冗長で似たりよったりの描写、進まないストーリー、視点の主の描写の少なさ。
どういう心理で、どういう意図で、そういう発言をしているのか?など、全然伝わってきません。そこが伝わらないと、読み手は「娘を抱きたい」などという発言に無条件で共感できる人間ばかりではないのですから、描写不足です。
「最後にどんでん返し」とあるので、あえて描写を少なくしているのは作者の意図はあるのかもしれませんが、最後まで読めないと意味がないです。

発想とかグロとかエロとかそういうのはどうでもいいのですが、つまらなすぎて読むのが苦痛でした。
読みすすめていけば面白いのではと我慢して読んでいましたが、一向に進まないストーリーと似たような場面の繰り返しにうんざりしてしまい、何も印象に残らず、多少読み飛ばしても何も展開がない様子で、1/3ほどのところで読むのをやめてしまいました。
もうほんとつまらない、続きが気にならない。
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4594082432
No.6:
(3pt)

めちゃくちゃ面白いのだけど

ドイツの小説だ。13歳で誘拐された少女は、二週間後に保護された。
だが、彼女は何があったのか一切話そうとしない。
六年後、また一人の少女がさらわれた。父親はある決断を実行する。

わたし・あなた・かれらと三つの人称で物語が進む。
最後で驚くぞ、とさんざん書いてあるので、別人を同じ人称で扱う卑怯な叙述トリックかと思った。
そんな姑息な作ではない。
サスペンス満点のストーリーに魅せられた。ネタバレできないのが歯がゆいけど、とにかく寒そうで痛そうだ。
カタルシスにも事欠かない。

しかし真相があまりに異様過ぎて、感動はできない。百年前ならまだしも、21世紀にこの設定はないだろう。
まあ思い切りユニークではあるのだが。んん、ドイツとポーランドの国境付近か。
東ヨーロッパならありえるかな。失礼か。この手の小説を読むといつも思うのだが、警察が無能すぎる。

退屈だけはしないことを保証しよう。
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No.5:
(3pt)

救いようのない暗さ

結末はほんのり光らしきものが見えますが、全編を覆う暗さは好みが分かれそうな気がします。特に子どもが事件に絡む小説は、好き嫌いがはっきり分かれる気がします。
一人称の「わたし」だけで書いてしまうと、あまりひねりのないサスペンスになってしまうのですが、「わたし」、「君」、「彼ら」と3通りの人称で書かれているので、冒頭から読者は事件全体と各々三者の役割を推理することを要求されます。
100頁くらいまでは多分話がつながらないと思いますが、この位まで読んでみて面白くなさそうだなと思ったら、素直に中止した方がいいと思います。先を読んでもこのストーリーのリズムと雰囲気は変わりません。
「驚愕の真実」と書かれている通り、最終的に真実に辿り着ける読者はいないと思いますが、ではこれが感動の真実か否かというと自分的にはノーです。やられた感もありません。
自分的には最後までこの暗さになれることができませんでした。
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4594082432
No.4:
(1pt)

超不快

読み始めたが100ページも読めずにGive upした。何度も気持ち悪くなったから。
こういうのを猟奇と言うのだろうか、とてもついてゆけない世界。
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No.3:
(5pt)

構成が素晴らしい。

「わたし」「君」「彼ら」の設定が最後に集約される、素晴らしい結末に読後感最高。
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4594082432
No.2:
(4pt)

(2019年―第96冊)猟奇ミステリーの向こうに戦争の影あり

ベルリンに暮らす13歳のルチアは弟とともにある日拉致される。2週間後に彼女だけが保護されたが、以来6年間一言も口をきかずにきた。その一方、教師のミカ・シュテラーはある計画を胸に4人の男たちとパブで友人関係を結ぼうとする。
 ルチアは何を見たのか? その弟はどうなってしまったのか? そしてミカはどんな計画を秘めているのか……?

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 クロアチア移民で今はドイツで執筆活動をしているゾラン・ドヴェンカーのミステリー小説です。

 物語は「わたし」、「きみ」そして「彼ら」の視点が小刻みに入れ替わりながら進みます。「わたし」はどうやらミカ、「きみ」はおそらくルチア、そして「彼ら」はなかなか実相を明らかにされない陰惨な事件の首謀者たちと思われます。一人称、二人称、そして三人称で展開する特異な小説は、なかなかその関係が見いだせず、ミカの目指すところがおぼろげに見えてくるあたりから、子どもたちをめぐる猟奇的な事件が立ち現れてくるのです。

 500頁に喃々とするこの長編小説の終盤100頁は怒涛の展開を見せます。その仮借ない残虐描写は、心臓の弱い読者には耐えがたいものであるかもしれないことをあらかじめ警告しておこうと思います。
 そして最後の最後に、ミカのみならず読者までもが、大きく欺かれていたことが明らかになり、思わず言葉を失うことになるでしょう。作劇の巧みさにうならされます。
 さらに言えば、すべての事件の源がドイツを大きく揺るがした大戦にあることが描かれるに至って、地続きであるヨーロッパの東部の小村が強いられた戦火の哀しみが物語の底辺にあることを思わずにはいられません。

 その結末にはどこか釈然としないものを感じながらも、作者の<企み>には感心するところもあります。訳者の小津薫氏の訳業に触れるのはこれが初めてですが、その卓抜たる翻訳手腕にも助けられて、私はこのドイツ製ミステリーを大いに楽しみました。

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*31頁:パブで「誰かがヴェスターハーゲンの『自由』を歌い出し」たという文章がありますが、「自由」をヒットさせた実在のドイツ人ロック歌手は「ヴェスターハーゲン」ではなく、「(マリウス・ミュラー=)ヴェスターンハーゲン」(Marius Müller-Westernhagen)です。「Wester(ヴェスター)」と「Hagen(ハーゲン)」の間にある「n」を見落として訳してしまったようです。

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 このミステリーから連想して、以下の小説を紹介しておきたいと思います。

◆トム・ロブ・スミス『チャイルド44』(新潮文庫)
:1950年代のスターリン体制下のソ連国家保安省の捜査官レオは田舎町の民警へと左遷されてしまう。そこで起きた児童惨殺事件が実は広範囲にわたる連続殺人であることを確信したレオは犯人を追うことにするのだが、同僚の策略と妨害を前に、その捜査は命を賭したものになっていく…。

 優れた物語とは、主人公がわずかであっても成長を遂げていく物語のことだと強く思います。この小説は、共産党一党独裁のソビエトの厳しい閉塞感を実に見事に表現し、そのやりきれない逆境の中でレオが人として、また夫として、確実に良き方向へと変わりいく姿が描かれ、それが胸に強く迫ってきます。

 主人公レオの物語は『グラーグ57』『エージェント6』へと続きます。

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4594082432
No.1:
(5pt)

ラストでの驚愕の中で初めて全容がわかる。全編緊張感あふれるサスペンス。

読み終えた途端に、「彼ら」に関する叙述をすべて読み返した。これまで読んでいたものは自分の読んだと思っていたものと全く違っていたことを知る。それが終盤になってわかる。いわゆるどんでん返し。トリック。叙述と構成がもたらすストーリー・テリングの奇妙に捻じれた世界。

 饒舌な小説ではない。ある緊張感が全編を満たす。日常生活からアウトランドにはみ出した者たち。自由意志であろうと、強制された形であろうと、登場人物のほぼすべてがそのようにカテゴライズできる。

 非日常生活を象徴するのが、冬という季節、凍りついた湖と、その周囲に広がる森、そして古びた小屋。小屋には狭い地下蔵が用意されている。

 小説を緊張させる重要な要素は、誘拐される子供たち。彼らは地下蔵に収容され、一人一人が髪の毛をつかまれて持ち上げられてどこかへ消えてゆく。雪の森の中での異常な世界。何が起きているのか? 緊張感が高まるというより、全編子供とその父親の復讐をめぐる張り詰めた時間を物語が進む。そう、最初から最後まで。気が休まることのない張り詰めたプロットが。

 世界中で今、書かれ、また読まれているミステリのあまり珍しくなくなった素材としての小児性愛、小児虐待、を材料にした小説と見える全体を覆う重苦しさ。しかし「彼ら」も、本作全体も、実は見た目通りではなく、物語はもっと巨きな時の歯車に推されて動く、とても見えにくい暴力装置を描いたものである。その象徴とされるのが、凍りついた湖であり、閉ざされた冬という季節なのだ。

 狩人として森に散ってゆく大人たち、子どもたち。父親としての復讐に燃えた主人公は、単独で秘密のグループに潜入を開始する。読者は主として彼の叙述する「わたし」と生存した被害者少女の「きみ」の章につきあってゆくことになるのだが、登場人物たちには見えていない「彼ら」を含め、複数人称かつ複数時制によるトリッキーな仕掛けが小説全体を覆っていることが、本作の一番の読みどころとなる。

 張り詰めた品格のある文体に、ドイツらしい生活風景と、北ヨーロッパの冷たい冬。独特の音楽的味わい。極めて稀有で印象深いミステリー作品である。
沈黙の少女 (海外文庫)Amazon書評・レビュー:沈黙の少女 (海外文庫)より
4594082432

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