魔偶の如き齎すもの
評判
魔偶の如き齎すものの評価:
2.78/5点 レビュー 9件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1〜6 1/1ページ
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魔偶の如き齎すものの評価:
2.78/5点 レビュー 9件。 D ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
文庫版では1篇追加され全5篇だが、表題作「魔偶の如き齎すもの」での推理は、前半3篇の内容を踏まえつつ行われるため、追加された「椅人の如き座るもの」は、装丁でも目次でも明らかにボーナストラック扱いになっている。
いっぽうで全5篇中、収録順に1番目、3番目、5番目は、刀城言耶が事件現場を全く見ずに、聞かされた話や読んだ文章を基に推理する「安楽椅子探偵」ものであり、その点で短編集全体としてはABABAの構成になっている。
短編集としての配列・全体構成に配慮がなされ、かつ真相に至る手がかりは、すべて読者にもわかる形で提示されていて、刀城言耶シリーズはフェアプレイの本格推理だったのだ、と再認識させられる。
あえて事件の謎を単純なものにして、「作家探偵・東城雅哉」のイメージは、本人の意志とは関係なく、周囲が作りだしたことを印象付けることに、作者の意図があったのでは?と思える。
刀城言耶は、「昭和の名探偵」として名高い(とシリーズ中で設定されている)冬城牙城の実の息子であるために、次代の「名探偵」たることを期待されているらしいのだが、あくまでも小説家であり民間人であって、捜査権も何もない。したがって、いわゆる「後期クイーン的問題」から逃れられず、「探偵の知らない情報が存在する(かもしれない)ことを探偵は察知できない」ために「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できない」。
それゆえ、与えられた情報に基づいて考えられる限りの可能性を検討しつつ、犯人側が負けを認めるか、周囲が納得するかしなければ、事件を解決したことにならない。
本人が証明するのではなく、周囲が認めるのだ。
こうした推理手続きの煩雑さは、「後期クイーン的問題」を踏まえた「本格推理」では避けて通れない。
刀城言耶シリーズの本質はフェアプレイの本格推理であり、「名探偵」たることを周囲から期待されている刀城言耶は、本人が証明するのではなく、あくまでも周囲から認められることで、結果を出しているのだと読者に再認識させるために書かれたのが、この短編集なのでは?