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騎士団長殺し



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騎士団長殺しの評価: 3.46/5点 レビュー 721件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全407件 281~300 15/21ページ
No.127:
(4pt)

『ねじまき鳥クロニクル』を超えたネトラレ小説として

もはや周知のとおり、本作は過去諸作のモチーフをなぞっています。なかでも『ねじまき鳥クロニクル』の反復ぶりは驚くほどです。特に「浮気しながら自分を捨てた妻を取り戻す」という主筋において、本作は『ねじまき鳥』の再話であると言っても過言ではありません。そしてその点で(多くのレビュアーと違い)私は本作が前作をしっかり超えていると思います。

両作とも、ネトラレが開示されていくプロセスは、もっとも作者の技量の冴え渡るところです。妻が他の男とセックスしているという認識が少しずつ深まっていき、苛まれるような苦痛を味わいつつ、もしかすると何かの間違いかもしれない、妻は自分を裏切ったわけではないのかもしれない、と中盤まで主人公は期待を持ち続け、読者も同様に期待を持ち続けます(そのように上手く書いてあります)。「一体本当のところはどうなんだ?もしかして何かの事情で主人公に嘘をついているのじゃないか?それはいつ開示されるんだ?」というサスペンスがページを次々にめくらせます。そして中盤過ぎたあたりでどかーんと突きつけられる、妻が容赦なく他の男とセックスしているという事実。衝撃です。つらすぎて最高です。

さて、本作はいろんな点で「ぬるい」ように見えます。たとえば料理や脅威やスリルやエロスの描写の強度が。ネトラレについても、妻自身が他の男との性行為とその快楽について詳細に語る『ねじまき鳥』に比してぬるい…ように見えます。しかし、本質的には、本作の方がきついネトラレになっています。『ねじまき鳥』の妻には、やはり「事情」があったのです。「魂を汚された」という事情が。だから主人公にとって、妻の浮気を飲み込むことは、妻の魂の汚れを飲み込み救済するという、英雄的行為でありました。

一方、本作の妻は、端的に浮気します。主人公は、死んだ妹という秘密の部分を抱えていて、それが妻との関係を根源的なところで損なう「事情」であるのかもしれないのですが、妻とよりを戻すプロセスにおいてそのことにはたいして触れられません。主人公は夢のなかで妻を犯して妊娠させたり、穴に潜るなどのムラカミハルキ的奮闘をしますが、「その奮闘のおかげでどこかおかしかった妻が正常になった」みたいな描き方もしません。妻は、対主人公的には(つまり対読者的には)端的に浮気して、端的に戻ってくる存在です。こちらの英雄気分を許しません。なんの事情もないネトラレ。めっちゃハードコアです。

実は私は、本作を最初に読んだとき、多くの読者と同様に「なんだか『ねじまき鳥』よりぬるいなあ、村上ももうだめだな」と思ったのです。そして、非常に久しぶりに『めじまき鳥』を読み直したところ「いやいやこっちの方がぬるかった」と驚いたのです。ネトラレ小説としてぬるい、ということはつまり、小説全体が主人公に対してつきつける試練そのものがぬるかったのです。

人妻とのいつも二回戦目へ突入する性行為だとか、女子中学生のおっぱいへの執拗な言及だとか、これらは、ネトラレ(性的試練)があまりにきついんで、主人公(読者)に道徳的に不適切な性的慰撫を与えることでバランスを取ったんですかね。ヘタレな主人公(読者)にはいつになくきついんで、いつになく慰撫も多い。でも、量が多いわりにたいしてエロくないので、場面が仕事をしてません。スリリングな場面のスリルが弱いことも含め、やっぱり本作、ぬるい所はぬるいです。☆マイナス1。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.126:
(5pt)

すごくいいです

初めて村上春樹の小説を買った。嬉しいです。内容は豊で、すごく楽しんだ。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.125:
(5pt)

村上春樹の入門編としてもお勧めのきれいな作品……だと、思っていました。

まず感想を。読んで損はしません。大作です。相変わらず文章はリズムが良く、謎めいた雰囲気に満ちた世界観が魅力的。面白い小説です。
文章の中に後々繋がってくるような仕掛けが施されていて油断ならないところも村上春樹ならではでしょう。

静謐で、とても優しい小説です。
世界には人を傷つけ、損なう危険な力が潜んでいます。ですが、その悪しき力から守ってくれる「善き力」も確かにそこにある。個人はそうした力に振り回されるか細いものですが、善き力を引き出す事も出来る。誰かを思う気持ちが、直接的にせよ間接的にせよ、それを後押ししてくれる。人は、きっと良いところへいける。そんな気持ちになれる作品です。

「地底」や「穴」「水」「神秘的な少女」など、過去の村上作品群に現れたモチーフが今作では多数使われており、書評家の人も言っていましたが、「入門編」として最適かもしれません……

……というのが、2部を読み終えての感想でした。実際に、私はそう思い、満足して読書を終えました。ただ、何か引っかかるものが有って、その後、1部を読み返してみました。そこで思ったのは、「この物語は終わってないんじゃないか」ということです。
物語を通り抜けた主人公は確かにある種満たされて戻ってきました。しかし、プロローグに現れた人物がほのめかす言葉は、その彼の得たものが再び脅かされることを暗示しているように思えます。
主人公を含む登場人物らは、「行きて還りし物語」を終えたように見えて、実はその充足は完全ではなく、瑕疵があります。
最終盤の文章は希望に満ちたもの。しかし、だとするなら、それをも覆そうとするプロローグの文章は……。
もし3部があるとするなら、それはとてもスリリングなものになるだろうと思います。
続きがなかったとしても、「優しさ」と「世界への恐れ」、その両方が描かれた、味わい深い作品だと言えるでしょう。

補足・いわゆる「南京大虐殺」についてはたしかに残念でした。左派系の政治家や知識人が「ネトウヨ敗北!」みたいに煽る材料として使っていましたし、中国は大絶賛。海外への影響力を考えると、批判されても仕方ない側面があります。僕自身も「南京」については懐疑的です。ただ、物語の根幹ではないですし、書き方もさほど執拗ではありませんでした。それに目を瞑って読む価値は確かにある作品だと思います。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.124:
(5pt)

俺は好きだ

これまでの長編が、この作品の為の習作のように思える完成度を感じた。
伏線に逸脱はなく、顕れたイデアは、イデアとしての象徴性を充分に有して、またキュートだ。
登場人物は、これまでの作品との連関も渋滞なく、またその胡散臭さも含めて魅力的だ。
円環構造の収束に向かって充分な第1部の終わりだった。
俺は満足している。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.123:
(4pt)

1Q84よりは面白い

村上春樹は風の歌を聴けがベストでワーストはノルウェイの森だと思っていますが今回はなかなか良いのではないかと思います。
きっちり春樹節も出しつつもややわかりやすかったのではないかと思います。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.122:
(5pt)

フィクションとしての南京大虐殺

この小説が南京大虐殺をまことしやかに扱っていることに対して批判する方がいらっしゃいますが、
大事な点を見落としているのではないでしょうか。

それは、この作品がフィクションであるということです。

この作品がフィクションである以上、
ここで扱われている南京大虐殺もまたフィクション(架空のもの)ということになります。
むしろ、そのことを暗に示すためにあえて取り上げているとも考えられます。

これは歴史書ではなく、あくまで小説(フィクション)なのですから、
書かれた内容を真に受けるのではなく、柔軟に考えるゆとりを持ちたいものです。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.121:
(5pt)

みんなでスマホを川に捨て、キャンバス禅しよう。

まず読んでいる最中に思ったのは、「先生も年を取ったな」ということである。60代後半ともなれば当然のことなのだが、「成熟」、「緻密さ」、「落ち着き」が文章から滲み出ているのである。それは普通良いことである筈なのだが、今回の物語は一人称で語られているため、30代の設定である主人公が、ちょっとだけ不自然に老成し過ぎている感じがしてしまうのだ。そして、そのことが小さな綻びのような役目をして、この長大なフィクションは部分的に、または間接的に私小説的側面を産んでしまっている。随所で、ああこれはこの主人公のことであると同時に村上春樹本人のことを、そっくりそのまま語っているのだなと、長年のファンは気付いてしまう。まあ、それも面白さとして読んでしまえばそれまでだ。ただ私としては、次からは作者よりずっと若い人間を主人公にするなら、三人称でよりソリッドな雰囲気を醸し出して欲しいと思った。実際「1Q84」の時は、三人称でジェンダーも半分女性だった。このこと一つ取っても、この小説は、作品の柄、大きさという意味で「1Q84」を超えるものではないという気がする。より開かれた普遍性を持ち、より多くの読者を獲得するのも「1Q84」の方だと思う。
しかし、全く逆のことも言える。トリビア的なことを言い出すと、「騎士団長殺し」は突っ込みどころ満載で、ディテールを語り出すと、きっと際限がない筈だ。この本で、読書会などしようものなら、一つひとつのセリフや設定でかなり盛り上がりそうだ。その類の集まりは週末に企画するべきだろう。きっと朝まで帰れなくなると思うから。
長年この作家を贔屓にしてきた読者は、この新作を読みながらこの作家と共に過ごしてきた自らの人生を振り返らざるを得ないことだろう。「先生も老境に入ってしまったんだな」と、そして「当たり前だ。こっちも年取ったし」と思う。村上の新作を読んでいると、何だか定期的に開かれる何かの同窓会に出席しているような気分になってしまうのである。特に今回それを強めに感じてしまったのは、新しいネタやアングルが少なかったからだと思う。登場人物、設定、物語、ニヒルなセリフ、一部で嫌悪されている気取り、全てがいつも通りで、もう名人芸の世界になっているのである。登場人物は、いつものように活きいきと物語の海を泳いで行く。名前は違うがお馴染みのキャラたちは、もうすでに村上劇場の劇団員たちと言った方がいいくらいだ。そう考えるとちょっと寂しい気分になる。今、私たちは大きな太陽がゆっくりと沈んでいくところを目にしているのかもしれないのだ。村上は、漱石のように百年後もスタンダードとして読まれている人だと思うが、漱石も太宰も三島も皆早死にで70歳を前に更なる進化を求められたりはしなかった。巨人たちは早々とあちら側に行ってしまい、生誕70年の頃には既に伝説になっていたのに。村上にしてみれば、サリンジャーのように腹を決めて筆を折り山に籠るわけにもいかない。トライアスロンで鍛えた体はまだまだピンピンしている。死ぬまで書き続けるしかないのだろう。たぶん。そして読者も死ぬまで読み続ける。裏切られると分かっていても、毎回新作が出るたびにデビュー作「風の歌を聴け」を読んだ時の新鮮な思いを、せめてもう一度だけでもと期待しながら。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.120:
(5pt)

俺は好きだ 更に満足している

登場人物、プロットのイメージひとつひとつが俺は好きだ。
そもそもなにも信じられない…というか自分の信じているものを信じていると言葉にする特権性を取捨するところから始まった村上春樹の小説だったと俺は感じている。その作品群が大きな円環構造を描いて、闇雲に信じるところへ進んでくるとは、30年前に誰が予想したろう。
俺は、その変化を成熟と感じる。俺はこの作品が好きだ。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.119:
(4pt)

時代の欠如

明らかに最初から作者に対し悪意を持った稚拙なレビューが目立つけれど、本作は決して彼らが言うような駄作ではない。
1000ページ超を一気読みしてしまうほど、ミステリアスで読ませる一級の作品なのは間違いない。
ただし同時に、これまでの村上春樹の焼き直しという印象も強い。
霊感の強い少女、グレート・ギャツビーを思わせる男などのキャラクター造形から
井戸や第二次大戦、失踪する女、根源悪との対決などモチーフも村上読者ならどれもおなじみのものだ。
そしてまた、世間一般のことなんか与り知らないよ、という姿勢もまた堅持されている。
金に悩まされる大多数の人々のリアルな生活や、テクノロジーが支配する現代を描けているかといえばそうではない。
相変わらず主人公は社会に背を向けたままだ。
国民作家の地位に押し上げられながら、小説の内容はますます現代社会から遊離していく、そんな不可解な現象が起きている。

これまで通り、いやこれまで以上に浮世離れした人々が、人里離れた場所でオペラを聞きワインを飲みながら
メタファーだのイデアだのに翻弄されたり自分の中にある得体のしれないものを持て余したりする、
そういったある種閉じた箱庭世界をとんでもない力量で描き上げた作品というだけだ。

非常に優れた作品ではあるものの、そこに時代を切り拓く何かが提示されているわけではない、
という評価がしっくりくる。
あるいは3・11後の世界について、村上春樹ならなにかとんでもない作品を放ってくるのではないかと
勝手な期待をしていたけれど、そんなことはなかったぜ、というところです。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.118:
(4pt)

感想

酷評が散見されますね…
というのは、冒頭初っ端からの性描写がやはり人の鼻に付くんでしょうか…。

ここでハルキストでもアンチでもない僕の率直な感想をここに投下しておきます。

まず僕が感じたのが、村上春樹さんの小説の主人公が人間くさいんです(別れた妻に主人公がくよくよする所など)。

あれ?村上キャラクターはもっとクールな人達じゃなかったっけ?笑

前作と比較し人間を描いてるなーって感じです笑

それはさて置き、、

物語としても中々引き込まれますよ。エピローグから顔のない男が主人公の前に現れ、ん???って感じから物語は始まります。

まだ上巻しか読んでませんが、上巻だけでばらまかれた伏線の数々…(騎士団長殺しの絵、妻の見た夢、免色という男、そしてイデア…)。これらの点をどうやって結んでいくのか楽しみですね。

さて、下巻を読みますか。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.117:
(5pt)

予習が必要

海辺のカフカとグレート・ギャツビーの各要素を組み立て直した、という感じです。
本歌取りと言えるかもしれない。

エンターテイメント的なものは少なく、読み手に相当な教養を要求するのは明らかです。
事前に関連作品を読まれることを強くお勧めします。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.116:
(5pt)

普通にオモロイわぁ。買って良かったわぁ。いいのう。

最高に普通にオモロイわぁ。ご近所物語やわ。買って良かったわぁ。ありがとうございました。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.115:
(5pt)

素晴らしいです

他の商品とレビューを間違えました。こちらはいつも通り素晴らしいです。
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No.114:
(5pt)

おもろいわぁ。最高やわ。

普通にオモロイなぁ。買って良かったわぁ。あざーす。また、読み返したのう。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.113:
(5pt)

面白かった!

騎士団長のキャラクターが、とても現実的であたかも本当にいる人のような気がした。私も会ってみたい!
確かにカフカやねじまき鳥や1Q84のモチーフは沢山出てくるが、更に進化し、洗練された、喪失と再生の物語だと思うし、カタルシスを感じた。
ファンタシーは夢物語ではなく、心の深淵をリアルに描く、一つの手法なんだなーと思った。村上さんの創造力は、素晴らしい。
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No.112:
(5pt)

第3部を期待

死んだ妹と、別れた妻、謎の人物免色氏、スバル•フォレスターの男そこに騎士団長が加わり物語が展開して行く。生と死、異界、邪悪、ファンタジー、ユーモアが交わり村上ワールドが構築されていく。物語としては『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に近いが、より読みやすくなっている。今回は、絵が、重要なモチーフになっておりそこが従来の村上春樹とは異なる仕上げとなっている。スティーブンキングの作品にも絵がモチーフになっている優れた作品があるが、読み比べても面白いかも知れない。第2部を読み終えても多くの謎が残されたままで、IQ84のように第3部が期待される。
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編より
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No.111:
(4pt)

コンパクトな集大成?

村上春樹さんの作品のモチーフが随所に散りばめられた短めの長編小説といった印象を受けました。

ねじまき鳥クロニクルに比べると登場人物の人となりや主人公との馴れ初めの描写が控え目で物足りなく感じました。
またほとんどの登場人物が車とセットになっていてどういう意図があるのか気になりました(カローラ、ジャガー、プリウス、ボルボ、そしてスバル・フォレスター...)。

物語の展開については章ごとに早く次の謎解きを知りたいという気持ちをかき立てられ淀みなく読み進められました。

主人公が絵画作品を仕上げていく過程は画家の考えていることが村上春樹さんのわかりやすく豊かな表現方法でこと細かく言語化されていて本作の中で最も読み応えがありました。

自分は村上春樹さんの作品の中でも「一人称」で「主人公がモラトリアムみたいな状況にある」ものが好きなので本作はトップ10に入るくらい好きになりました。

また長年の村上春樹ファンとしては遂に「ぼく」に子供ができて「ぼく」と子供とのやり取りを読めたことに感動し心が温かくなりました。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.110:
(5pt)

過去の傑作と比較される辛さ。。

ずいぶんと辛口の評価が目立つのは、著者が「宿命的に」過去の傑作と比べられてしまう作家だからでしょう。
現在乱発されている低クオリティーの小説群に比べれば、十分に「AAA」の評価になると思います。
※もちろん著者はそんな作品と比較されたいとは全く思っていないでしょうけど。
「ラバーソウル」の後に一体どんなアルバムを出せば、全てのファンを納得させることが出来るのか?
村上春樹にとっての新作とは、そんな高すぎるハードルとの戦いのように思えます。
新作の長編小説を読むことが出来たというだけで喜んでしまう自分もどうかと思いますが、この方だけは「永世竜王」みたいな位置付けなので(自分の中では)しょうがないですね。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.109:
(5pt)

ハルキは裏切らない

期待どおりの村上ワールド。様々な仕掛けや趣向がちりばめられて引き込まれていく。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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No.108:
(5pt)

やっぱり引き込まれてしまうし考え込んでしまう

どなたかのレビューで、「鏡のような小説」と表現されていましたがその通りだと思いました。
その時の自分の立場、環境で物語の捉え方が変わりそうな気がします。
また何度でも読み返す、私にとっては大切な作品になりました。
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編Amazon書評・レビュー:騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編より
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