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蒼色の大地



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【この小説が収録されている参考書籍】
蒼色の大地 (単行本)

蒼色の大地の評価: 2.83/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

海族と山族

時は明治時代。灯(あかし)という青年の話でこの本はスタートする。本業は漁師見習いである。人殺しや盗っ人が集まる鬼仙島で暮らしている。

灯は生まれつき目が蒼く、「青鬼」と呼ばれて差別されてきた。しかし、鬼仙島では青鬼が平穏に暮らせると聞き、やって来た。そこでは灯を温かく迎えてくれた。

しかし、誘われて海賊行為に加担した灯は、人殺しは自分にはできないと考える。

場面は変わって日本海軍の射撃訓練。大きな耳を持つ榎木新太郎は巡洋艦「白山」に乗っていた。その妹、鈴がカギとなる人物である。実は灯と鈴は同じ村に住んでいて、他の村人が灯を差別する中、唯一鈴とその兄、新太郎だけは灯に親切にしてやっていたのだ。というのも、新太郎は灯に借りがあった。鈴が沼で溺れそうになったときに、灯が助けてくれたのだ。鈴は灯の初恋の相手でもある。

そして今、鈴はなぜか灯のいる鬼仙島に向かおうとしている。

島に着いた鈴は何か食べようとするが、なぜか島の人間から拒否される。ならず者に乱暴されそうになるが、お鶴という女性に助けられ、その店で働くことになる。

一方、新太郎は海賊(灯たち)を退治する計画を告げられ、その情報を蒼い目をした人間に漏らしている伊丹という男を監視するように命令される。

新太郎たちと灯の衝突は避けられないように見える。3人の運命は、一体どこへ向かうのか……。

どうやら、灯のいる海賊は海族、新太郎の属する日本海軍は山族。とすれば、この2つの勢力はぶつからざるを得ない。「螺旋プロジェクト」では、全ての作品がこのコンセプトで描かれている。

こんな設定にしたのは、どれだけ文明や科学が進歩しても、世界から争いがなくなることは決してないということを言いたいのかもしれない。宗教やイデオロギーが異なるために対立してしまう。それが人間の本質だということを、物語全体を通して指摘したかったのかもしれない。そして、その先にある希望をも映し出しているのでないか。そんなことを考えさせられた。
蒼色の大地 (単行本)Amazon書評・レビュー:蒼色の大地 (単行本)より
4120051897
No.3:
(4pt)

2人葛藤が物足りず

複数作家で時代を変えて描く螺旋プロジェクトの中の1つ。

戦時中の瀬戸内海での山と海族の戦いでは背景ではあるが、主人公たちの絡みが後半までほとんどなく、いつもの著者の展開とはちょっと違う。
普段描かれる人物たちの心情を丁寧に拾っていくスタイルではないため、結局部族の対立を通して他者を受け入れるというメッセージは伝わるものの、それぞれの人物達への肩入れするまでには至らない。
面白さはあるものの、もったいなさも残る。
蒼色の大地 (単行本)Amazon書評・レビュー:蒼色の大地 (単行本)より
4120051897
No.2:
(5pt)

薬丸岳ファンの期待は裏切らない

少年犯罪などの社会派ミステリーに定評のある作家が初めて書いたという冒険もの。

派手なシーンやスピーディーな展開は確かに新鮮に感じたが、差別と戦う登場人物への優しさは、紛れもなく著者の他作品にも通じるものがあり、楽しめた。
分厚さを感じさせない小説だった。
蒼色の大地 (単行本)Amazon書評・レビュー:蒼色の大地 (単行本)より
4120051897
No.1:
(4pt)

明治時代と戦時中を背景にした、対立する「海」と「山」の部族の冒険作品として捉えて読む分には、面白い作品です(^-^*)/

螺旋プロジェクト3作目の、薬丸さんの冒険作品です(^-^*)/
当初は薬丸さんの久し振りの新刊に嬉しいと思ったものの、いつもと違う戦争作品に『大丈夫?』と迷いましたが、
公式の煽り文句と、表紙の綺麗さに惹かれて購入しました。

明治時代と戦時中を背景にした、対立する「海」と「山」の部族の冒険作品として捉えれば、面白かったです(^-^*)/

ただ今まで、『犯罪被害の痛み・被害から加害に転ずる痛み』を、見事に描いて社会的な問題提起をしてきた薬丸さんの戦争作品としては、
『戦争の狂気や悲惨さ』が、「海」と「山」の部族対立の恐ろしさに変わってしまって残念でしたし、
『争いが生まれる因果に対する』鮮やかな描き方ではなかったのも残念でした(>_<)
螺旋プロジェクトとは関係なく、純粋な戦争作品として書いてくれたら、もっと素晴らしい仕上がりになったのかも(>_<)

戦争作品としては微妙なクオリティであり、
あくまでも、明治時代と戦時中を背景にした、対立する「海」と「山」の部族の冒険作品として捉えて読む分には、面白い作品です(^-^*)/
蒼色の大地 (単行本)Amazon書評・レビュー:蒼色の大地 (単行本)より
4120051897

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