ブレイクニュース
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社会の暗部というか低層を浚うような作風が魅力であり持ち味である作家という認識。 本作の解説文でもそれに近いような紹介がされているので、間違ってはいないはず。 なので、本作もかつての社会派ミステリの系譜に倣った作品だと思って読んだ。 大まかなプロットはなかなか魅力的(要するに表4のタタキ文)なのだけれど、物語も登場人物も、そのプロットを成立させるためのガジェットでしかない。物語展開にしても人物同士の会話にしてもリアリティに乏しく、話を先に進めるためだけのレールになりさがっている。 なぜそうなったのか? そしてどうなるのか? ――に関する描写が全く存在せず、物語に直接関与する部分以外は全てのディテールが置きっぱなしである。 智の彼女の件だとか、詩織がハメたヨウさんとか。真柄の存在意義とか。 「SNSで世界は変えられるか」と帯タタキに書かれてはいるものの、そのSNSの描写がひどく曖昧。どっちかというと、ヒロインが運営しているyoutubeチャンネルのほうに描写の重きがおかれている気がする。配信だとかサブスクだとかSNSなんかの区別も理解も出来ていないオジイチャンがぎりぎりついて来られそうな薄っぺらさ。勝手な憶測だが、作者と出版社としては、自分ではネットのあれこれを分かっているつもりのオジイチャンたちを気持ちよくさせてやればいいやくらいの目論見だったんじゃなかろうか。言うなれば「自称映画通の連中はデビッドフィンチャーの話しをさせてやれば充分」くらいのノリで。 半分くらい読んだあたりで「ヒロインってこういう立ち位置で、最終的にこの連作ってこんな感じで収束するんじゃないかな」みたいな予想が出来たんだけど、本当にそのまんまの展開だった。 いっそのこと、最終章の事件だけで医療ミステリとして書いたほうがよかったんじゃないかな。 (全部褒めています) | ||||
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読みやすいし、時流に乗ったテーマに挑もうという意欲は伝わる。 でも出てくる出てくる登場人物すべてがそんな対応するわけないよな…という設定でリアル感に乏しい。 主人公であるyoutuberも途中までは期待を持たせるが、結局真実に迫るという一番大事な場面で現実感がなく、それも短編をつないできた全体のストーリーをぼかしている。 伝えたいことが大ざっぱすぎて、結局どのストーリーも台本的になっていてスラスラ読める以外の感想が出てきにくい。 薬丸岳はもっとしっかりしたプロットで人間を描くイメージがあったけど、毛色が違う作品である。 | ||||
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SNSやユーチューブを利用して、世間が関心を持つようなニュースとその実態を取材して配信するというのはいまどきの手法でよく考えられていた。 視聴回数が1千万回を超えて大金を稼ぐ野依美鈴の目的とは何なのか、また加害者、被害者の双方の立場からの報道という意味でも読み応えがあった。 また、ネットでの安易な誹謗中傷がどんな事態になるのか、自分自身が誹謗中傷をしなくてもシェアしたりスクリーンショットを転載しても、相手の社会的評価を下げることで名誉毀損罪や侮辱罪になるとともに、自分自身が被害者にもなり得ることがよく分かる内容になっていた。 誰もが他者を罰する、私刑に処していい権利などないという言葉は印象的だった。 ただ、最後の終わり方が中途半端だったのが残念。 せっかく週刊現実の記者も登場するのだから、もっと色んな人物や機関を巻き込んで、大きな岩を動かすためにもう一工夫ほしかった。 | ||||
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現代の推理小説だと思いました。snsを利用する現代の在り方について、こんな方法もあるのかと思いながら読みました。SNS利用は毒にも薬にもなるのだと改めて認識しました。顔の見えないことは恐ろしいことですね。 | ||||
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ユーチューブで『ブレイクニュース』という過激な報道チャンネルをめぐる連作短編集。児童虐待、冤罪事件、ヘイトスピーチ、パパ活、医療過誤など、マスコミが取り上げない事件を執拗に追いかける人気のチャンネル。『ブレイクニュース』を主宰する野依美鈴がミステリアスな存在で、最後に彼女の秘密が明らかにされる。 単純にマスコミを悪とするのでもなく、ユーチューバーを手放しで礼賛するのでもなく、またいろいろな社会問題が取り上げられて最後にキレイにまとまっているのでもない。だからアマゾンでの評価が高くない理由かもしれないけど、私には「事実は単純ではないよ」という薬丸さんのメッセージに思える。人間は善人と悪人に分かれるという単純なものでなく、人は善行もすれば悪行もする、という薬丸さんの人間観、優しいまなざしを感じる小説。現代社会をプリズムで覗いたような気がして、余韻の残る小説です。 | ||||
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