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シンプル・プラン
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シンプル・プランの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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終わってふーっと何度も息を吸い込んだ。すさまじかった。ふとした気のゆるみで始まった小さな悪事が負のスパイラルに。理性が研ぎ澄まされ思考が暴走していく。全て1人称なので読む側も思い入れは深くなっていった。しかし最後はさすがにこんな奴は死ね、と突き放して読んだ。しかし違った。罪はつぐなわれもせず解放もされないということか。 | ||||
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兄は学校で酷いいじめを受けていて、それを眺めて見ていた弟、が主人公です。 そつなく人生を送ってきた主人公。対して兄は社会的階層の下の方で生きてきました。 両親は借金を苦に自殺をし、現在では両親の墓参りが唯一の交流となっています。 飛行機事故の現場から大金を手にして二人の関係性は大きく変化しました。 二人はどう接していいか分からない歪な兄弟でしたが、共通の大金を守らなければいけないという目的のためにぎこちなくとも親愛を深めていきました。 しかし、物事の対処を最悪の形で解決する兄の行動で取り返しのない事態に陥りました。 主人公は共犯者であり、兄であるジェイコブのために強引な方法で始末をつけました。 それでも、1つ問題を解決すると2つめ3つめと次々に困難が襲いかかり、主人公はそのたびに非常な手段に出ます。 止まることのない負の連鎖の恐ろしさがこの作品の見どころですね。 借金を苦に農場を手放した両親にかわり、兄が農場を取り戻し農業をしようと勉強していたところが悲しい。 | ||||
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ある雪の日、主人公たちが墜落した飛行機をみつけ・・・というお話。 巻き込まれ型サスペンスで主人公が加害者っぽいサスペンスは幾つかありますが、これが究極とも言える内容かも。ほんの少しの意見の食い違いから殺人になり、どんどん堕落していくという筋は結構ありますが、ここでの堕落ぶりが凄まじく、最後も勧善懲悪で終わらずに、さりとてハッピーエンドでもないという読む人に何のカタルシスも残さないのが圧倒的に凄く思いました。値のある物を何らかの事情で得たら、適正な処理をした方が後々良い、という著者のメッセージもくみ取れますが、あまり説教臭く、辛気くさくならない所も良かったです。 パトリシア・ハイスミスも勧善懲悪で終わらない物が多いですが、ハイスミスが鬼畜系になったかの様な作品。或いは「正統とはなにか」でチェスタトンが「狂気とは理性がなくなった状態ではなく、理性しかなくなった状態」といったという誠に理性的な作品だと思いました。 一番最初に翻訳された際は評価も高かったですが、一方で不快感を示す人もいたけど、どちらも納得できる感じの小説に思えます。悪銭身につかずを地でいく作品でした。 著者のスミス氏はこの後、あまり作品を出していない様ですが、単発で終わるのでしょうか。この作品からの才気を考えると残念です。 これ一発で終わるともったいない感じのサスペンス。是非ご一読を。 | ||||
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「若い時に思い描いていたより少ないものに甘んじ、やがてそれで十分だと自分を納得させた。 多くの人はそう思っている。 しかし、現実に目の前の大金を見たとき、実はそうではなかったことに気づく。 自分たちのできること、自分たちのいけるところは限られている。足元の大金はそうした事実を暴き出し、自分たちの目標のお粗末さや夢のうそ寒さを際立させる。 目の前の大金は、それ以上のものをつかめるチャンスを与えてくれる。」 本書の主人公ハンク・ミッチェルのこのような思いは、真相をついている。 あまりの大金であるにも関わらず、その紛失がテレビや新聞で報道されていないような場合、その大金は世に明らかにできない違法な金、犯罪性をにおわせる金ではないかと考えられる。 そのような金であれば、その金を横取りしても、犯罪者から奪った金なのだから、道徳的に良心は痛まず、警察から追求されることもないだろう。 そう考えるのも自然かもしれない。 本書「シンプルプラン」は、そんなシンプルな考えからスタートしたプランが、「自分を守るため」に罪のうえに罪をかさね、嘘とごまかしと、絶えず捕まることに怯え続ける人生のスタートであったことに気づかされる、そんな物語です。 実際のところ、主人公ハンクの行動には、いくつか納得できないものがあり、読んでいてイライラする場面があります。自分ならこうする、もっとこうすれば警察にはばれないのに、なぜそうする! 裏を返せば、自分も同じ状況になった際には、金を隠す方向に考えているということに気づかされます。 本書は前述のとおりイライラさせられる場面もありますが、577ページというそこそこの分量があるにも関わらず一気に読み終えてしまいました。それだけ、著者の文体が読みやすく、翻訳も自然で読者を惹きつけて離さない筆運びの巧さを感じます。 本書を読むとスコット・スミスという作家の才能を強く感じさせ、このあといくつもの傑作を生みだすのではないかとの期待を持ちますが、その後20数年がたった現時点でも、あと1作した作品を発表していません。 これも人の才能や人生の不思議を感じさせます。 | ||||
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知人から借りてた本を汚してしまったので、買い直し。 | ||||
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時代の流れで現在の進化をつくづく感じた。計画は至ってシンプルだが人間心理をうまく使い悪いことが一つ起きると次々に悪循環を呼び込む、誰しも経験ある出来事が面白いように起こる展開。つまらない日常がいかに平和であるかを感じた作品でした。 | ||||
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なんの前情報もなしに購入し、傑作との帯につられ買った本作。 最初の2~3ページから没入できる短文区切りの読みやすさと、日常から非日常へかたむく、先が気になって放っとけないサスペンスを描いていて、終盤では酒を片手に手放せないような傑作となりつつあった! 主人公のハンクは、人生を変えるほどの大金を目にしなければ、田舎町で一生を終える普通の人間だったんです。ですが、彼の中途半端な頭の良さ(大卒でも弁護士にはなれなかった過去や、状況を切り抜く機転の良さ)が次々に事態を悪化させ、気づけば自らの人生を滅ぼしていくどうしようもなさが続きます… でもハンクはダメな人間なんかじゃないし、その経過や、彼の過去はとても普通すぎてむしろ万人に響く所はあるんじゃないでしょうか。 舞台は都会から離れたアッシェンビルという田舎町で、基本は雪や寒さの描写がずっと続きます。それが彼らの心理描写の背景となり、兄のジェイコブが飼っている犬のポジションがハンクの善人さ(凡人さ)を表してくれます。 金欲しさに徐々に後戻りできない欲望が膨れ上がった結果、ひとはどう変わっていくのか。 背表紙の著者説明でしか知りえていない情報ですが、著者のスコット・スミスは心理学を学んだ後、創作に入ったとか。どうりで、処女作でありながら登場人物の感情移入や、キャラクタの突発的な感情の変化に違和感なく入り込め、かつ説得力があると思った(個人的には、空港のシーンのラジオの発言が冗長でそこが未熟な感じもしましたが笑)。 サム・ライミによる映画作品もあるらしいけど、個人的にはファーゴや、ジム・トンプスンに近い、いわば「地方ノワール」のような読めば読むほど面白く深みに嵌っていく作品だと思いました! | ||||
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これは正真正銘の傑作。復刊を素直に喜びたい。 ふとした弾みで転落する主人公の運命、出来心ゆえに全てが瓦解する人生、その顛末を冷徹に描く作者の筆致には全く容赦が無い。日本人好みの滅びの美すら感じられる怖るべき傑作。 本書発表後、スコット・スミスは目立った活躍を見せていないが、この作品だけでもミステリ史に確実に名を残すだろう。サム・ライミによる映画版も一見の価値あり。 | ||||
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友人に勧められたので読んでみた。意外なストーリー展開だが、何となく予想は付く。オカネに目がくらむとどうなるか。。。と言う話でもあり、愚図はいつまで経っても愚図だというのか。。イイコぶっても、お金の前にはどうしようも無いと捉えるのか、、結局、悪いことをすると因果は巡ると読むのか。。 まあ、面白かった。途中からかなりぐろい話になる。今のDNA技術ならとっくに捕まるだろうけれど、そういう時代の話では無い。 淡々としているが、実に怖い小説である事は確か。。 | ||||
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「まるで転がる石のように」 解説はみなさんの方が上手なので譲ります。 本文、570ページ越えの読み応えのあるボリュームです。 一日二時間くらい、五日程度で読み終わりました。 読後感は「大きな喪失」 序盤は退屈です。そう人生は退屈なもんです。 でも、慌てずにのんびりと読んでみてください。 100ページ前後からラストまで手が止まらなくなります。 一回弾みがついてしまえば後には引き返せない怖さ。 最善の一手を打ち続けているのに、振り返ってみれば正しかったのか間違っていたのか。 毎日が退屈で仕方のない方は手に取ってみてはいかがでしょうか? もしかしたら退屈くらいが幸せなのかも、と思ってしまう良いストーリーでした。 | ||||
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過去に何度も読んでいますが、数年すると読みたくなり購入しています。以前のものはフリマで売っています。その際この本がどんなに面白いか語ることができます。 | ||||
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お友達が、可愛そうなんだけど、どうなるか最後まで読んでしまう、あんまり悪い人たちなんじゃないんだけど、どんどん不幸にはまっていく・・と勧めてくれたので、読みました。 あの、スティーブン・キングが大絶賛したトラジディーです。 本当に、よくいそうな、悪人じゃない、普通に生きている人が、魔がさして・・・どうしようもない不幸なことになっていくのです・・・ 心正しく、誰が見ていようがいまいが、神様は見ている、と思って生きないといけない、という教訓を得ました。 真面目に働いて、ささやかでも家族と仲良く暮らせること、温かい布団に自業自得の心配事もなく、安心して寝られることに、感謝しないといけません。 可愛そうで後味悪いんだけど、すごくよくできてます。 | ||||
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ネガティブ過ぎ。 気が重くなります。 この小説にとってはそこが良いんだけど。 | ||||
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序盤はいささか冗長な感じがしますが、ストーリーが進むにつれ、ページをたぐる手が止まらなくなります。 証拠隠滅の為に殺人を繰り返してしまう主人公。ウソの上塗り、隠ぺい。 ある出来事をきっかけに人間が変わってしまう様子がリアルに感じられ、読んでいて本当に怖かったです。 私にとって強烈に印象に残っている一冊。傑作です。 | ||||
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主人公は、大学は出てるものの、エリートには程遠い境遇に甘んじている妻子持ちの青年。そして、彼には、生活能力をほとんど持ち合わせていない、社会的落伍者といっていい一人暮らしの兄がいます。僕としては、まず最初に、このふたりの兄弟の設定にグッときましたね。なんといいましょうか、アメリカの片田舎の、ひとつの典型を見せられたような感じがしました。 まあ、あまり詳しく書くのは興ざめになるのでこのへんでやめときますが、この本は週末に読むべきですね。明日の仕事や学校を気にせずに、存分に夜更かしなり徹夜ができる状況で読むべきです。 たまにこの本をけなす人がいますが、そういう人の意見は無視したほうがいいです。ある程度の読書歴がある方やミステリー好きな方なら、かならずこの本の面白さを理解できるはずです。 | ||||
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いやぁ怖い小説です。 最初はちょっとした出来心でやったしまった事を発端に、その後奈落の底に落ちていくような悪の連鎖。読み始めの段階から、この結末はさぞや悲惨だろうなと大体見当がつきますが、それが想像以上に残酷な形で次々と実現していくことに少し目を覆いたくなる反面、やっぱり結果を知りたい気持ちに抗えずに読み進む。それが最後まで続きます。 主人公の揺れ動く心理描写が克明で、「やばいなぁ、こんな状況なら俺も同じこと考えて、きっと同じ行動をとるな」と感じさせる場面が次々登場。もしこれと同じ状況に自分が置かれたら、自分もなし崩し的に凶悪犯罪者への道を突き進むんじゃないか、という恐怖に襲われます。 また、全編に渡ってストーリーのもう一つの核をなすとも言える夫婦間(主人公とその妻)の会話が実にリアルで、話の面白さを格段に引き立てています。 大御所スティーブン・キングが本作の出来を絶賛したそうですが、納得です。 映画の方はまだ観ていませんが、これは本で読んだ方が感情移入ができて一層の恐怖感を味わえるような気がします。 | ||||
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何と言っても「因果応報」に尽きる。映画では取り上げられなかったエピソードがいくつもあってこのまま大金を手に出来たらと「捕らぬ狸の皮算用」をして逆に痛い目にあったり、「単純な計画」の破綻後、主人公の子供がたどる運命。1瞬の欲望を夢見た代償はあまりに大きかった。 | ||||
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もしも大金をネコババできたらどうするか? というワンアイデアを徹底的に消化してます。 落ちはやや弱いが、 カットバックという小手先のテクニックは使わず、 一人称の主人公視点で最後まで突っ走る展開が素晴しい。 六人と犬一匹を殺すことになる極悪非道の男が主人公だが、 巻き込まれ型主人公なので、 殺人者の主人公に感情移入してしまいます。 武闘派というより頭脳派の主人公なので、 銃で殺人してる時はなんとかなったが、 鉈で肉弾戦する羽目になるシチュエーションは傑作であった。 どうする?どうなる?という物語の面白さを追求した徹夜本である。 一気に読めるが、落ちが物足りないので四つ星。 | ||||
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雪の降りしきるアメリカの田舎町。大晦日、ハンクと兄のジェイコブ、ジェイコブの親友ルーは、ひょんなことから墜落した小型機、その中に440万ドルの大金を見つける。半年待って何事も起きなければ山分けしようと約束する3人だが・・・。 物語はその場面から始まるが、それ以上の展開はストーリーそのものに言及しなければならなくなるので、書けない。 登場人物の設定と、その心理描写、冬の田舎町の情景描写が絶妙。淡々と展開するストーリーながらも久々に「次のページを開くのが怖い」本だった。 最後の1ページまで飽きさせない傑作。 | ||||
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’94年、「このミステリーがすごい!」海外編第1位。 平凡な主人公が欲に目がくらんで単純な計画を思いつくが、小さなほころびから破綻していくというサスペンス小説で、スティーヴン・キング絶賛という破格の折り紙がついた。 私が手にした文庫も、なんと32刷というほどの、ベスト&ロングセラーである。 オハイオの片田舎で暮らす主人公ハンクとその兄ジェイコブ、ジェイコブの友人ルーの3人組が、ある大晦日の午後、ひょんなことから墜落した飛行機を発見する。なんとその飛行機の中には大金が・・・。その金を自分達のものにしてしまおうというルーと、それに賛同を示す兄ジェイコブ。ハンクだけはそれに反発するが、やがては、「ほとぼりが冷めるまで金は使わない、金は自分が管理する」ということを条件に犯罪に手を出す事に。共犯関係となった3人だが、次第に歯車が狂い始めることになる・・・。 物語前半は、ルーの傍若無人さ、ジェイコブの優柔不断さが、そして物語後半は、犯罪を塗り隠す為にさらに犯罪の上塗りをして二進も三進もいかずに孤軍奮闘するハンクの惨めさと、同時に垣間見える“狂気”がキーポイント。 人物ひとりひとりの心理描写がリアルで、おそろしいほど。’99年に映画化もされたが、映画ではこういう人間の内面を存分に表現できない。小説のおもしろさ、醍醐味がここにある。 本書のメインモチーフは、「人はいかにして静かに狂いはじめるか」というもので、増殖する不安と悪夢が、やがてハンクの日常を浸食していく過程の緊張感は圧巻である。 本書は、執筆時弱冠27才だった著者スコット・スミスのデビュー作とは思えない、新人ばなれした手だれの風格すら漂う傑作である。 | ||||
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