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エコープラクシア 反響動作
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エコープラクシア 反響動作の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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個々のアイデアはとても面白いです.絶滅した人類の亜種を復活させた超人「吸血鬼」,右脳と左脳のトラフィックを桁違いに引き上げ,さらに集合知性となった「両球派」などの生化学的な描写はSFとして説得力があります.実際の研究に刺激された,様々なアイデアが惜しげもなく投入されていて感心します.しかし,小説としては難解で,のめり込んで読むタイプではありません.前作には自意識のないエイリアンとのコンタクトや,シリ・キートンの内面の描写という軸がありました.本作にもエイリアン(的なモノ)は登場しますが,かなりの脇役です.シリ・キートンは直接登場しません.本作では,前半で登場したキャラクターたちが,物語が進むごとにどんどん死んで行くのが軸と言えば軸です.その過程が最後のむなしい結末に帰結するのですが,上下巻2000円分の満足感はありませんでした.「意識の存在・非存在」というテーマが根底に流れていますが,前作と比べてそれほど深く掘り下げられているようにも見えません.(作者にもそのつもりはなかったようです.) よくあることですが,前作が斬新だっただけに,これを超えるのは難しかったのかもしれません.それでも「尖った作品が好き」という方は一読されてもよいでしょう.人類以外との意思疎通が不可能というテーマでは「ソラリス」で知られたレムの作品群(ちょっと退屈ですが),集合知性テーマではクラークの「幼年期の終わり」,ベアの「ブラッド・ミュージック」という有名な古典があります.未読の方にはこちらをお勧めします.ベートーヴェンの後では弦楽四重奏曲に力を入れる人が少なかった,という話を思い出しました.そういう意味ではワッツ氏は健闘していると思います. | ||||
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