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東京輪舞
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東京輪舞の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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ロッキード事件やオウム事件など、昭和後期から平成にかけての大事件を、1公安警察官との絡みで物語を紡いでいる。最初の3話であるロッキード事件、東芝COCOM違反、崩壊前夜は緊張感のあるストーリーで、主人公である砂田の役回りにもあまり無理がなく、楽しめた。しかし、オウム事件、金正男と続いていくうちに、実際に起こった事件、事象の羅列のような雰囲気が濃厚になってくること、登場人物の感情等の文章表現がワンパターン化してくること、主人公や主な脇役の役回りに現実感が薄れてくることから、後半はレベルダウンしたと感じた。 | ||||
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後半に入るほど面白くなった一冊でした。読後感も半端なし。 それにしても、下司野郎 阿久津武彦と眉墨圭子には反吐が出る(392頁、427頁、438〜441頁)。 評者としては、改めて砂田修作「派」であることを実感させられました。 | ||||
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田中角栄邸の警備警官から公安の刑事となった砂田修作が、ロッキードに絡む事件や、オウム真理教や金正男に関する事案の捜査を行う警察小説。新米刑事時代から管理職としてまで立場は変われど、現場の刑事として職務を全うしようと望んでも、国策に左右されたり、警察組織の権力抗争に阻まれたりと公安刑事としての苦悩が読み取れます。 世間を騒がせたり震撼させ、また社会情勢に影響を与えた事件の裏側が垣間見えたようで苦々しくも思う一方、ソ連の女性エージェントの存在がエンターテインメント性を盛り上げます。 | ||||
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連作もののようでそうではない。田中角栄を起点、終点とした一人の刑事のキャリアを一つの物語として紡がれている。久しぶりに面白く読み終わった。 | ||||
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文句なく面白く、読み応えある。 実際の事件であるロッキード事件、東芝COCOM、ソ連崩壊、地下鉄サリン事件、長官狙撃、金正男入国を題材に、田中角栄の屋敷警備から公安の外事畑に移動した主人公が、内外の敵と渡り合う。 他の警察ものと比べて圧倒的なリアル感。 実際の事件をベースにここまで、物語に違和感なく登場人物達を絡ませる筆力は圧倒的。 警察組織に取り込まれる者、正義を目指すことにより居場所がなくなっていく様子など、人間模様の描き方も素晴らしい。 今までの月村作品とは一線を画す。 しかし文句ない1冊。 | ||||
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機龍兵の存在しない世界の『機龍警察』。同系統に『黒警』があるが、本作は実在の事件を土台に組み上げられている。 外交問題が絡む事件を扱っていて、各国諜報機関や公安が裏で動いているという設定がすんなりと納得できる。 一人の公安捜査員がマスコミ報道の前に事件を追う過程がじゅうこうでちみつな描写で語られる。 着目すべきは、各の事件は解決されたことになってはいるが、公安は敗北していることだ。政治的駆け引きや組織の保身の思惑によって、真相が解明されないまま操作は打切られる。 云わば捜査員の挫折の物語りである。主人公の人生に出世コースを歩む警察官僚やソ連の美人諜報員が綾をなす。 果して挫折を続ける主人公・砂田と、出世し(最後は転落するが)警察組織の維持に心を砕く阿久津と、どちらが警察の存在理念に忠実なのだろうか。 | ||||
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公安警察小説と謳っています。確かに基軸はそうなのですが、切ない恋愛小説でもあります。決して交わることのできない運命の二人、砂田とクラークの邂逅で終わるラストシーンに泣けました。そして、もう一つ。主人公に語らせていますが、作者の思いでもあるのでしょう。「いい政治というのは、国民生活の片隅にあるものだ。目立たず慎ましく、国民の後ろに控えている。吹きすぎていく風。政治はそれでよい」(田中角栄)。良い本です。 | ||||
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大作『ロッキード』『東芝COCOM』『オウム』『長官狙撃』『金正男』と、日本を取り巻く大きな事件を生きた砂田もソ連スパイ、クラーラ。2人の恋と交流。ひとつひとつの事件が、そうだったのか!と、思わせる内容で擬似暴露。周りの警官隊の行く末。びっくりの大作でした。 | ||||
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昭和から平成の事件を素材に、ありえたかもしれないストーリーを構築。事件の同時代人であった読者は、一層興味深く読めると思う。タイトルを支えるラストシーンまで瞬く間の展開。文句なし。新元号の時期に再読予定。 | ||||
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ロッキード事件、東芝COCOM違反、ソ連の崩壊、地下鉄サリン、國松長官狙撃といった実際の事件を下敷きに、ひとりの警察官が「真っ当な正義」を貫こうとする姿勢と、「組織の論理」に振り回される様に、胸が熱くなった。 目次に出てくる事件全てがそのひとつひとつのみを題材としても物語が書けるだろう、「昭和」「平成」を代表する大事件であることからも、著者はかなりの資料を読みこみ、この物語を綴っていったことが容易に想像できる。 正に「警察大河小説」と呼ぶに相応しい労作であり、大作である。 個人的には著者のアクション描写や格闘描写の大ファンだが、今作にはそういった描写はほとんど登場しない。 一方で実際の事件が下敷きにある分、リアリティを失うことなく展開に身を委ねることができ、「凄味」といった点では、これまでの作品以上のものを感じることができた。 個人的には自分も同時代を生きていたという点で、「オウム真理教」あたりから、より作品世界に没頭できた感がある。「ロッキード」や「東芝COCOM」あたりをリアルタイムで知っている人はもっと楽しめるのではないだろうか。 この作品を読んで怖くなったのは、結局、砂田を振り回した「組織の理論」というものは現代にも繋がっている「日本の闇」であるという点だ。 実際に国会に提出された質問書などが生々しくそのまま出てくるが、そういったもの全て〈最初の愚かしい誤りの辻褄合わせ〉だと砂田は思う。 それはつまり、その愚かしい誤りは今もなお正されることはなく、真相が明かされることもなく、現在の日本という国の深淵で蠢いているということである。 「平成」が終わろうとする今、改めて自分が生きてきた「時代」を振り返るいい契機になる一冊だと思う。 | ||||
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若くして公安部に配属された男、砂田。ロッキード事件捜査を皮切りに、昭和平成に跨る大型事案に関与していく。 彼を取り巻く女スパイや癖のある同僚と共に何事件に挑むが、組織という巨大な存在と対峙するようになっていく。 1人の公安スパイの人生を軸に、昭和平成を語っていく手腕は流石である。 しかし、やや主人公が情緒的に過ぎることとと、フラストレーションが溜まる内容でなかなか重苦しい。 最終章近くの総括は、この時代そのもの関する自虐や諦観も踏まえ、なかなか胸に迫るものになっている。 非常に良く勉強・研究されたストーリーテリングで、機龍警察シリーズとは全く異なる趣を楽しむことができると思う。 | ||||
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