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拳の先
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拳の先の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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みんな気づいていないのか知らないけど、クライマックスの世界タイトル戦の日付は多くの人の運命を変えた歴史的な日の前日。登場人物たちは、どんな気持ちで「翌日」を迎えたんだろう。ここを読み落としているとこの本の意味がだいぶ変わってしまうので書いておきました。 | ||||
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空の拳を読み、すぐに本書を買いました。中村航氏のあとがきもよかった。 | ||||
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続編である。ひょっとすると前作を知らなければこの物語の評価もかわりかねない。というのは、人生の物語だからだ。まさに続編である。前回は女性目線でのボクシング像をみせていただいた、と感じている。今回はボクシングではなくボクサー、いやもっと根源めいたものを伝えるものになっている。勇気をもらえる一冊である。 | ||||
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連休中読む本がなかったので前から目を付けていたボクシング小説ということで,空の拳を買って一気読み。 続けてこの拳の先を購入して一気読みしました。 ボクシングは漫画,小説,ノンフィクションと取り上げられるスポーツですが,最近のボクシング小説としては百田尚樹のBOXくらいで,ちょっと飢えていたせいか,面白く読めました。 空の拳よりはこちらの方が私には面白かったです。 ただ,ボクシングに興味のない人には面白くないでしょうね。 語り手の空也君はカマッぽすぎるし,立花の自己形成小説としても弱いし。ノンちゃんの物語としても掘り下げ不足。それでも一気に読ませるのは著者の小説家としての力量(文章力)でしょう。 個人的におもしろかったのは,次の3点。 一つは,立花に着いた新しいトレーナーの練習方法です。 基本を徹底的に反復するというのはボクシングのような地味なスポーツで決定的に重要で,この小説ではこの点の描写がかなり深くて,著者は誰をモデルにしたのかと興味が湧きました。 格闘技は,極端な話,技などなくても「戦う」だけならできてしまいます。そして,運動神経と体力で(昔ボブ・サップがアーネストホースとというとても技のあるキックボクサーにK1で勝ってしまったように)勝ってしまうこともあります。でも,それではトップにはいけないのです。 この小説は,優秀なトレーナーとはどういうトレーナーかをよく書き込んでいると思います。同じことをひたすら繰り返してその同じことの精度とスピードと威力を上げていくのがトップを目指すボクサーがとるべき練習方法なのです。 二つ目は,立花がタイのムエタイジムで練習するくだりです。著者もおそらく実際にムエタイジムを見たのでしょう。タイではムエタイ(いわゆるキックボクシング)と国際式ボクシングに垣根がなく,同じジムで練習していますし,ムエタイのチャンピオンが強すぎて賭が成立しなくなったりすると国際式に転向したりすることも珍しくありません。ムエタイジムの練習風景も良く書けています。 三つ目はノンちゃんです。いじめられっ子がボクシングで…という典型的なストーリーにしなかったのは正解だったと思います。実際,子どもがボクシング(や他の格闘技)をちょっと習ったからといっていじめっ子に喧嘩で勝てるようにはなりません。体力差と運動神経の差,気持ちの強さで圧倒されてしまうのです。いじめられっ子がボクシングを習ったら気持ちも体も強くなっていじめっ子をノックアウト,といったステレオティピカルな話にしてないところは好感を持てます。ただし,それならなにもノンちゃんを登場させる意味はないのでは,とも思います。要するに,ノンちゃんにとって,ボクシングを習うことがあまり意味がない,必然性がないのです。 最後に,是非,ノンちゃんを主人公にした第三部を描いてほしいと希望します。 格闘技は,強くなるタイプに,他のスポーツとちょっと違う点があります。普通は運動神経のいい子が競技者として残るのですが,格闘技だけは,運動神経もよくて体力もあり気もめちゃくちゃ強いという「ケンカ十段」的なタイプと,運動神経も鈍くて気も弱いいじめられっ子タイプの両極端が強くなるのです(ここを上手く書いていたのがBOXでした。)。これは,単純に,他の競技と違って,格闘技の場合,自分に才能がないと分かっても,いじめられっ子タイプはやめずに努力を続けるからだろうと思います。もう一つ,運動神経の鈍いタイプの方が不思議に「パンチ力」はあるケースが多いのも面白いところです(例えばキックボクサーの小林聡がそうでした)。ノンちゃんは,肥満児で運動神経が相当鈍そうなので,逆に,基本を徹底的に叩き込めば将来有望なボクサーになります。というわけで,著者には,ノンちゃんを主人公にした(コーチは立花ということで)第三部を期待します。 | ||||
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ずいぶんとご都合主義から遠いなぁ~。という印象の作品です。 もちろん良い意味で、です。 私自身も現在進行形でボクシングを含む格闘技をかじっておりますので、競技の世界にはご都合主義が存在しないことを知っています。 だからこそ「スゴい作品だなぁ~」としみじみ感じてしまいます。 前作の空の拳が若さや勢いや上昇だとしたら、今作は老いや落ち着きや転換という印象をもちました。 ボクサーも歳を重ねるが、主人公の空也も歳を重ねている。 ドキュメンタリーやルポルタージュ等のノンフィクションを見ているような小説です。 角田さんの小説は毎回丁寧に作られているなぁ~と、いつも思うのですが、今作もとてもとても丁寧な作品です。最初から最後まで丁寧です。 もっと感想を書きたいのですが、この辺にしておきます。 | ||||
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とても面白く読みました。ゆっくり一歩一歩、はしょられずにズシッズシッと 丁寧に精緻に話が進んでいくのが気持ちいいです。 ジェットコースターな小説ではないので、好みがあるかもしれません。 この本、薄い紙が使われているため、手に取った感覚以上に文章量があります。 テキストの長さはおそらく中村文則さんの『教団X』級です。 文字の大きさもやや小さいのでそれ以上かもしれません。 読んでも読んでも残りページが減らない感じが、 角田ファンにとってたまらなく嬉しく思えました。 他の方のレビューに作者は「この作品をうまく書ききれなかったと思っていらして」 とありましたが、いや、十分というかオーラのある非常に読み応えのある傑作じゃないでしょうか。 ボクシングをほとんど知らない自分にも臨場感が伝わってきましたし、 登場する普通の人々に自分の一部分を感じました(角田さんの描く人物はみんなそうですが…)。 私たちは勝ち続けることはできないし、勝負の場所を変えることもアリ。 いかにしてつかまらないように逃げるか、続けるか、自由を獲得するか、抵抗するか、 そんなテーマをずっと考えながら読み、読後もふわズシっと残る。 角田光代さんの続けるという能力はまったく並大抵のものではないなとあらためて思った次第であります。 | ||||
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続刊となる本作は、やや間延びしたり新鮮さに欠ける懸念が あったが、飽きさせることなく前作の続きとして楽しめた。 のんちゃんは、盛りすぎたのか生かしきれなかったのか 微妙な気持ちが残った。 | ||||
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「空前作同様、ボクシングの試合の描写はチンプンカンプンだし、長いな~と思う場面も多々あったけど、 リングで闘うボクサーではなく外からボクシングを見ている空也の客観的な視点で描かれてたからこそ私も最後までついていけた気がします。 先日、角田さんのトークショーに行ってきたのですが、ご本人はこの作品をうまく書ききれなかったと思っていらして、 そこはやはり根本的な「男女の性差」によるものを感じたかららしい。 でもそれでも書いたのは、ご自身がボクシングジムに通って、ボクシングを間近に見て、作家として熱いものを感じたからでしょう。 作中での坂本君の姿はそのトークショーで話されていた角田さんの男友達のエピソードと重なりました。 空也がずっと抱いてたスッキリとしない違和感は、読んでいる間中ずっと私も感じていました。 でも得体のしれない不安はどんな世界に生きる人にもあるもので、そこをどう変えるかはやはり自分自身でしかないのだな。 逃げることはカッコ悪いことではない・・・うん、そうだ!そうだ!と激しく共感しました。 | ||||
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角田光代さんの本ということで、期待して読みました。 が、つまらなかったです。 だらだらした文章が続くばかりで、最後まで読んでも何が言いたかったのかよく分かりませんでした。 突出した才能のないプロボクサーが描かれていますが、だらだら書かれている分、実際はこうなんだろうなーとは思わせますが...。 いじめられているものの、近くの大人にいじめられていることを隠し続ける小学生や、うだつの上がらない出版社員など、設定だけ見るともっといい物語が書けそうなのですが...。 それほど深い心理描写がなくても良くて、取り立てた展開もなくて良ければ、読んでみては。 同じ時間を使うのなら、ほかの作品をお勧めします。 | ||||
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というのが全体の印象。 ボクシングという競技自体がそういうもんだとは思ってます。 空也のキャラがどうにも…。「場違い」な人という感じで苛々した。ノンちゃんに、この人は「あてにならない大人」だよ、と途中で言ってあげたくなった感じ。 とりあえず、小学生~中学生を沖縄だのタイだのに誘う「常識の無さ」を振り返れ、的な。誘うなら、自分が費用を奢るという前提で誘え。 ボクシングずっと見てて、ホームタウンディジョンって概念知らない人っているのかな?日本に呼べば「フェア」ってのも違う気が。相手選手にとってはアウェイになる訳で。 程度問題あっても、どんな競技でも多かれ少なかれ↑はあるから。立花自身「判定」はないな。と思って臨んでるんじゃないの?それひょっとして空也は分かってないんかい?みたいな。 立花がきっちりと整頓を付けられたのが気持ち良かったのに、「またやってよ」的な事言いだすのって…お前今までの過程見て来たんだろうが!と、どつきたくなる感じの「分かってなさ」がありました。 | ||||
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前半は、等身大のボクサーを等身大に書いているので冗長な感じ。それも結構長く続く。 直木賞受賞者がボクシングジムに通ってこんなもんじゃないだろって気がしたけれども、後半はなかなか。 決して、エモーショナルになりすぎずに、東南アジアでの修行、東南アジアでのベルト挑戦等、まま、現実でも起こっているレベルの非日常に、ボクサーが感じる恐怖をリアルに描いている。 より読み応えがあるのだけれど、続編が難しい終わり方が残念。 | ||||
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