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亀と観覧車
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亀と観覧車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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現実逃避しがちな主人公はあまり好きにはなれませんでしたが登場人物が少なく読みやすかったです。 | ||||
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単行本で発売した時の帯に「奇才が放つ実験的私小説」とある。「実験的」、「私小説」、どちらの言葉も「面白い小説」とは正反対の言葉。面白さは期待しないでね、との編集者の言葉か。 主人公は生活保護を受けている家庭の高校生。昼は働き、夜は高校に通う彼女の、唯一のともだちは亀。飼われている亀のように、狭い世界で生きている彼女が小説家の南馬と出会い、広い世界に出てゆく物語。ストーリーは淡々とすすみ、いつものこの著者のプロットの妙はない。 ストーリーを追う面白さはない。でも、句読点のない会話文、息づかいの感じられる会話文で語られる、主人公の静かな諦めとでもいう人生観。太宰治を思わせる会話にボクは惹かれる。 「わたしね いつも思うの わたしの胸が小さいのも 夜学へ通っているのも ホテルでバイトしているのも わたしの責任じゃないの」 「だけどね 仕方ないことは仕方ないよ わたしは親や家を選んで生まれたんじゃない だから人生って 本当はなにもかも自分の責任でないの でも自分の責任でない人生を 自分の責任としていきるのが人生だと思うの わたしの言うこと ヘン?」 プロットの面白さはないし、いつもの明るい樋口有介ではないけれど、諦念に満ちた静謐な世界のなかで希望が透けて見える気がする読後感は、傑作『刑事さん さようなら』に通じるものがある。主人公の諦念につきあう気がある人にとっては、読む価値のある作品だけど、いつもの樋口有介を期待するならやめておいたほうがいいだろうね。 ほぼ80年前に書かれた太宰治の『女生徒』のような明るさも才気煥発さもないけれど、ボクにとっては、なぜか太宰治を思わせる、太宰へのオマージュみたいな作品かな。星は3と4の中間くらいだけど、中間がないので、4にしました。 | ||||
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末期がんの男が最後に,そして自分の責任ではない人生を生きる少女が初めて見た夢. 限りあるものともわかっていたはずなのに,穢れた現実と小さな幸せが忘れさせたのか, もしかしたらこのまま…と,淡い期待を抱いた途端に訪れる突然の幕切れが胸を抉ります. また,夢が醒めていく中,それこそ忘れていた現実を思い起こさせる最後の『報せ』は, それまでの終わりとこれからの始まり,その両方を事のほかに強く印象付けているようで, その後のことについては描かれませんが,彼女には自分のための人生をと願いたくなります. 一方,二人の出会いのきっかけであり,以降も手を貸してくれる企業や秘書の存在は, 物語自体がおとぎ話のようだったとはいえ,あまりに胡散臭く,都合の良い使われ方で, このほか,全体的にも淡々としたきらいがあるのが,少しばかり気になってしまいました. | ||||
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樋口さんの作品は結構読んでいますが、これはワースト1だと思います。 主人公の少女を少しでも好きになれるか、共感できるか、何か感じる部分があるか。 それ次第でこの作品が楽しめるか否かが決まると思います。 自分は全くダメでした。途中で読むのを止めようかと思いましたが、 何とか最後まで読んだものの。。。。 | ||||
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帯に「奇才が放つ実験的私小説」とある。「実験的」、「私小説」、どちらの言葉も「面白い小説」とは正反対の言葉。面白さは期待しないでね、との編集者の言葉か。 主人公は生活保護を受けている家庭の高校生。昼は働き、夜は高校に通う彼女の、唯一のともだちは亀。飼われている亀のように、狭い世界で生きている彼女が小説家の南馬と出会い、広い世界に出てゆく物語。ストーリーは淡々とすすみ、いつものこの著者のプロットの妙はない。 ストーリーを追う面白さはない。でも、句読点のない会話文、息づかいの感じられる会話文で語られる、主人公の静かな諦めとでもいう人生観。太宰治を思わせる会話にボクは惹かれる。 「わたしね いつも思うの わたしの胸が小さいのも 夜学へ通っているのも ホテルでバイトしているのも わたしの責任じゃないの」 「だけどね 仕方ないことは仕方ないよ わたしは親や家を選んで生まれたんじゃない だから人生って 本当はなにもかも自分の責任でないの でも自分の責任でない人生を 自分の責任としていきるのが人生だと思うの わたしの言うこと ヘン?」 プロットの面白さはないし、いつもの明るい樋口有介ではないけれど、諦念に満ちた静謐な世界のなかで希望が透けて見える気がする読後感は、傑作『刑事さん さようなら』に通じるものがある。主人公の諦念につきあう気がある人にとっては、読む価値のある作品だけど、いつもの樋口有介を期待するならやめておいたほうがいいだろうね。 ほぼ80年前に書かれた太宰治の『女生徒』のような明るさも才気煥発さもないけれど、ボクにとっては、なぜか太宰治を思わせる、太宰へのオマージュみたいな作品かな。星は3と4の中間くらいだけど、中間がないので、4にしました。 | ||||
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