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あやかしの裏通り
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あやかしの裏通りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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名探偵オーウェン・バーンズ物の邦訳第一作(シリーズとしては第4作)。 忽然と現れては消失するという裏通りと、その中で繰り広げられる過去の再現や未来の予言を巡る謎を中心とした本作。 不可能状況のトリックについては、そう説明されたらそれを受け入れるしかないなあ、といった程度の説得力。 が、アルテの場合、不可能状況に読者の興味を引きつけておいて、事件全体の真相から目をそらすというテクニックに長けていると思う。 さて、その真相であるが、現実世界では「ありえね~」だし、本格ミステリという文脈においてもかなり危うい。 危うくはあるが、整合性はかろうじて保たれ、破綻は免れていると感じた。 このような、サービス精神と表裏一体の綱渡りのような複雑なプロットがアルテの魅力だと思う。 現実の憂さを忘れ、本格ミステリの世界に浸るには格好の作品です。 | ||||
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奇怪千万で荒唐無稽で奇想天外。 アルテ、堂々の復活! このミステリが楽しめるかどうかは、本格愛の試金石となろう。 私は十分に堪能した! | ||||
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不可解現象をトリックに使った本格推理小説。ポール・アルテ著のオーウェン・バーンズというアマチュア探偵が謎を解くミステリ。体裁としてはシャーロック・ホームズやクリスティのような謎解き。本格好きにはしっくりくる作品。しっくりしすぎて、どこかで読んだ気になってしまうのが惜しいところか。特にロンドンを舞台にしているので、どうしてもホームズと比較したくなる(してはいけない)。作品自体は、「どのように不可解な謎を解くのだろう」とドキドキしながら読んだ。最後の謎解きで明かされる、犯人の巧妙な手口については、本格らしく天と地をひっくり返される驚きもある。さくっと読めるので、謎解きが好きな人におすすめ。 | ||||
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カーと言えば霧のロンドン、こちらのロンドンも霧深い、そして読みやすい。 木を隠すなら森の中の「木」は申し分ない。論理にほころびなく、トリックもすばらしい。 ひきかえ「森」を成す2つの消失事件の解答に穴が見受けられる。 木がすべて必然で語られるに対し、森は手抜きが目立ち、蓋然性が持ちこまれている。 目的を隠蔽する手段の解答がおろそかになったきらいがある。 そう容易くそっくりになり、目撃者を簡単に欺くのは現実的ではない。 それに裏通りが消えたというより、別の小路に変わっていたと錯覚するのが自然だろう。 なぞが突拍子もないぶん、手段に負担がかかり、煮えきらない説明で逃げている気もする。 カーならば、どんな副次的なぞも、逐一合理的に説得し切ると思う。 否定してばかりだが、繰り返して、中核をなすなぞの解答は、目を瞠るべきものがある。 ※画像・プロフィールは無視してください | ||||
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解説には、ジョン・ディクスン・カーに傾倒してポール・アルテも小説を書くようになったと書かれているけど、ジョン・ディクスン・カーを読んだことのない私にはシャーロック・ホームズを真似して書いたように感じられました。冒頭部分で、シャーロックとワトソンが暖炉を囲んでるシーンの再現かと思ってしまうくらい、アマチュア探偵のオーウェンとバーンズの友人で語り手でもあるアキレスが暖炉を囲んでいるシーンから始まるし、話の舞台もロンドン。でも、霧の中から忽然と現れて、忽然と消えてしまう「あやかしの裏通り」という設定は面白かったです。なんだかんだ言ってても、次が出たら買ってしまいそう。 | ||||
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帯に「八年ぶりのポール・アルテ!巧妙なトリックの裏に潜んだ異常な動機とは?緻密な計画がはたしてなにをもたらしたのか?名探偵オーウェン日本初登場」とあるが、名探偵オーウェン・バーンズシリーズ第四作である。 これが売れたら①からも出すという営業戦略か? これがシリーズ最高傑作とは思えないが、敢えてこれから出すということは、シリーズ最終巻にメタフィクショントリックがある希ガス。 この④はそんなに異常な動機とも緻密とも思わなかったが、犯人の不可能犯罪へのスタンスがメチャ受けた。 不可能に思われても、不可能犯罪は犯罪と認識されるとトリックを暴かれる危険がある。 派手な不可能犯罪ではなく、地味な事故に偽装した方が、犯人は安全である。 地味に隠せばいいんだろと、犯人がとった戦略は、木を隠すなら森の中、不可能犯罪を隠すなら不可能犯罪の中!? ということで、犯人はタイムスリップ現象が起こる怪しいロンドンの裏通りで、二年間に10年前20年前の過去と、未来でも殺人を繰り返すという話。 タイムトラベルしたように見える物理トリックは、質は森博嗣、量は島田荘司に負けていて、ちゃちだなと思う人もいるかもしれないが、それは密室殺人のトリックと混同しているせい。 ウェルズがタイムマシンを発表したのは1895年で、この小説の舞台は1902年である。 1902年にどれだけ時間旅行の概念が浸透していたか? 舞台が1894年なら、絶対メタフィクショントリックがあると断言出来るが、1902年という微妙な年代設定にするアルテの面白さに気づいてくんさい。 意外な真犯人がフルネームでちゃんと序盤に登場している純粋本格ミステリだが、古典のコードで古い時代設定で、現代の作家が書く意義を読み取って欲しい。 本格マニアは簡単に真犯人が判るだろうが、それを単純に喜ぶだけではアルテを理解した事にはならない。 アルテの他の作品読んでないと、この作品の面白さも半減するかもしれぬ。 キャラ小説としては、名探偵の本業は美術評論家であり、美しいものを守る為、命懸で馬車を止めるナイスなシーンがある。 美女を守る為ならアホか!となるが、主人公が命を懸けたのは唯一輪のスミレの花であるw。 おお受けしました。 美術談義はプッサンぐらいしかないが、主人公が美術評論家という設定は気に入ったので、このシリーズは全部読む。 これが売れないと残りが翻訳されないだろうから、皆様買うように。 英語ならともかく、仏語の原著は読む気0。 おまいら図書館で借りずにちゃんと買えよ。 ツイスト博士シリーズ(長編) 『第四の扉』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1716、2002年5月) 『死が招く』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1732、2003年6月) 『カーテンの陰の死』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1773、2005年7月) 『赤髯王の呪い』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1790、2006年8月) 『狂人の部屋』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1801、2007年6月) 『七番目の仮説』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1815、2008年8月) 『虎の首』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1820、2009年1月) ツイスト博士シリーズ(短編) 死体は夜中に踊る Les morts dansent la nuit(平岡敦訳) ローレライの呼び声 L'Appel de la Lorelei(平岡敦訳) コニャック殺人事件 Meurtre à Cognac(平岡敦訳) オーウェン・バーンズシリーズ(長編) 『あやかしの裏通り』 La Ruelle fantôme(平岡敦訳、行舟文化、2018年7月) オーウェン・バーンズシリーズ(短編) 斧 La Hache(平岡敦訳、行舟文化、2018年7月) その他 『赤い霧』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1759、2004年10月) 『殺す手紙』 (平岡敦訳、早川書房 ハヤカワ・ミステリ1840、2010年10月) 単行本未収録 殺人エスカレーター(平岡敦訳、早川書房 『ミステリマガジン』 2009年9月号) - 短編 狼の夜(平岡敦訳、早川書房 『ミステリマガジン』 2014年9月号) - 短編 つずみ綾「ポール・アルテとのメイル交換」(『本格ミステリー・ワールド』(南雲堂)) - 年一回刊行のムックに2009年版から掲載 | ||||
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服やカバンなどのレビューは書きやすいが、書籍の場合は内容ではなくて、本の見た目の汚れとか傷があるとかの判断になるのかな。そういう意味では大変にキレイな本でした。内容は、期待していたほどではなく、ちょっとがっかりしました。 | ||||
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夜霧のロンドン―。逃走犯に間違われた男は、逃げこんだ裏通りで過去の殺人事件の現場を目撃する。男は恐怖にかられ通りから遁走するが、大事なライターを落としたことに気づいて、路地の入口に立ちもどった時、そこにはレンガの壁があるばかりで、裏通りそのものが幻のように消え去っていた。奇怪な裏通りの噂はそれ以前からもささやかれ、それは時空の歪みから出現したかのように、現れては忽然と消滅するだけでなく、何人もの行方不明者を呑みこみ、迷いこんだ者に過去や未来の出来事を幻視させるという…。 『第四の扉』をはじめ、密室殺人や人間消失などをあつかったトリッキーな作風で、本格ファンに注目された、ポール・アルテの八年ぶりの新訳。ディクスン・カーを強くリスペクトする著者だが、舞台や物語の背景をじっくりと描きこみ、怪奇色豊かな濃密な作品世界を構築するカーにくらべると、文章も描きこみもややライト級なアルテの作品は、いくぶん重量感に欠ける憾みはあるが、そのぶん読みやすくもある。 本作も260ページほどの長編としては短めの分量のため、不可思議きわまりない裏通りの謎への興味だけで、一気呵成にラストまで読まされてしまう。路地消失の物理的な謎解きにくわえ、その背後にある事件の真相は、伏線の妙や意外性をふくんだ二重三重の底をもって構築され、本格ものの面白さを堪能させてくれる。やや強引と感じるところもあったが、これだけ不可能性の横溢した謎に、正面から取りくんだ本格推理を読んだのは久しぶりで、多少の無理は気にならない満足感を得ることができた。 | ||||
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