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六つの航跡
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六つの航跡の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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オリジナリティーが少し足りないかな?という点で3/5点にしました。それと重力に関する 表現が間違っているね。光の数分の一ぐらいの高速で飛んでるなら、回転重力使わなくても、 進行方向の逆へかかる高重力で多分みんな死んでる気がします。 世界観的には、リチャードモーガン作オルタードカーボンの「タケシ-コバッチ」シリーズ のスピンオフ作品として読んでも問題ない話です。それほど極めて類似した世界観です。 人格をデジタルデータ化し、定期的にバックアップを行いクローン再生された肉体に インストールして、人格を半永久的に受け継ぐ事が当たり前になった時代の話です。 数百年かかる遠方の地球型惑星へ向かう大量の冬眠状態の入植者を積んだ世代間宇宙船内で、 作業クルーにされた元犯罪者6人の人格を封入されたクローン人間の中で起こった、原因不明の 殺人事件を解明していくのが主なストーリーです。全員が謎の事故によって、地球を出発した 時以降のデジタル記憶を失っており、また数百年単位の隠された「過去」を持っています。 本作には、オルタードカーボンでは語られなかった、デジタル人格クローン人間の黎明期 における倫理観の対立が描かれている点が興味深いです。またデジタル人格ゆえに、データーを 改ざんして、人工的な多重人格や偽物の記憶を刷り込んでしまう事を可能とした世界であり、 オルタードカーボンよりも、もっと人間的な道徳観が劣化した世界です。 本作では、自分の頭の中の事すら信用できなくなった時代というのが大きなテーマとなって おります。いくらでも人格を改造できて、原理的には改造された事に本人が気づけないからです。 「われ思う故に、我あり」という理念さえ通用しなくなった時代に、人は何を頼りに情報の 塊から自分を見つけるのでしょうか? | ||||
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オリエント急行殺人事件の舞台を恒星間移民船に移してクローン問題で味付けしたような内容。読ませるストーリーテリングで上下巻を一気に読了したが、物語を楽しんだというよりは消費したという感じで、私にとって何度も読み返すような心に残る名作ではなかった。 他のレビュアーも指摘しているとおり、クローン周りの世界観を架空の技術、法律、事件などで緻密に固めようとしているのだが、それでも救いようがないほどツッコミどころが満載で、物語への没入感を妨げる最大の要因になっている。 中でも最大の問題が、意識の連続性に関するパラドックス。登場人物たちは漏れなく「クローンを作成できない=永遠の死」と認識しているようなのだが、マインドマップをインストールしたクローンは自身の超精巧な複製品に過ぎず、自分という個体が死ねば自分の意識もそこで永遠に断たれ、生き続けるのは自分とそっくりな別人である。だが、登場人物たちの言動を見ている限り、彼らはクローン間の意識の連続性を信じている様子。これは物語の根幹となる部分であり、この違和感を払拭できないまま読み進めので、最後まで彼らに感情移入できずに終わった。 物語自体も捻りが効いているといえば効いているが、ストーリーをドライブするキーパーソンとして「無能者だと思ってたら実は超絶技能の持ち主でした」を登場させてしまったので無理やり感を否めず。 | ||||
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冒頭示される「クローン7つのルール」的な設定が、いきなり「???」である。クローンは同時に1体しか作ってはならず、違法に複数作られた場合は、「最新の躯体のみ合法」???おい、それじゃ、邪魔になったクローンを消すには、悪者が適当にクローンを作れば、合法的に現在のクローンが駆除されてしまうじゃないか。こんな法律、合理的か? クローンをめぐる物語中の出来事は、目新しいものではない。それこそ、複数のクローンの同時存在や、クローン体にへの他人の記憶の混入などは、何十年も前に、萩尾望都氏の「銀の三角」で描かれている。 そうしたアイデアの古臭さを別にしても、SFらしさがあまり感じられない。先代のクローンを皆殺しにしたのは、自分かもしれない、と、今のクローン達が疑心暗鬼になる設定は面白いのだが、「奇抜な設定のミステリー」の枠を出ない。例えていうなら、死人が生き返る町を舞台に展開するミステリーの怪作、山口雅也氏の「生ける屍の死」のような感じ。 あと、この物語の登場人物は、誰も「2001年宇宙の旅」を見たことがないらしい。宇宙船をコントロールするAIを欺くのは、そんな方法じゃダメに決まってるじゃないですか。 | ||||
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