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腐れ梅
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腐れ梅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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物語としては最高点を差し上げたい。1行目と最後に同じ言葉が繰り返され、それがタイトルにも符号するので読んで「ああそうか」「これがテーマなんだ。」と思い、クスッと笑いもする。うまいなと思う。 菅原道真の天神信仰とその総本山たる北野天満宮の発祥を一人の巫女によるものと仮託し、さらにその象徴たる梅の花がその巫女であり売春婦である女の病によるものとしたのはおったまげたし、大笑いした。そうか、梅の病、梅の毒か、と。 ただ惜しむらくはこの時代、梅毒はまだないのである。フィクションだからと言っても。じゃあフィクションなら時代小説にエイズを出していいのかということになる。 日本の文献に梅毒がでてくるのは室町か戦国時代。中国から入ってきたと思われる。そもそも梅毒はコロンブスの前までアメリカ大陸にしかなかった、コロンブスによって梅毒はヨーロッパに持ち帰られ、一気に世界中に広まった。その代わりアメリカに無かった天然痘が持ち込まれた。これを「コロンブス交換」という。 参考文献を見ると、北野天神に関するものはあっても梅毒については調べていないように見受けられる。 物語の根幹に関わることなのでちゃんと調べて欲しかった。 それともわかっていたけど、物語が成立しないから無視したのだろうか。 | ||||
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出来はどうも生煮えです。日本にあまた存在する地方の神社の由来とは究極のところいつも謎です。北野天満宮をケースとしてそこに一人の巫女を設定して様々な利害の交錯する中でその謎をダイナミックに描き切ろうとしたアイディアは素晴らしいです。主人公を取り囲む登場人物も興味深い選択です。ところがどうも主人公の巫女がうまく描き切れていない。著者は、前半では、femme fataleとしての造形を狙いながらも、後半では平安期の社会変動の中で新興勢力を利用とする政治的な女性としての側面を前面に出してくるなど、主人公像自体が事件の経過があったにせよ、分裂しているのです。主人公のカリスマ性を美的に象徴するであろう痣も、最初はうまく作品の中に位置づけられているのですが、最終的には陳腐なその原因が明らかにされ、ストーリーの展開の中でも需要ながらもでグロテスクなな扱われ方をされており、残念です。そして結末もどうもおさまりが悪い。続編を予想させるような終わり方なのです。でもカリスマ性を失った主人公がどう復活できるのか。 | ||||
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