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月長石
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月長石の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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T・S・エリオットが 「最初の、最大にして最良の推理小説」と 絶賛したとされる本書。 −−といっても、 そもそもT・S・エリオットって誰? という方が多いのではないかと思われます。 何しろ本書が執筆されたのは、1868年。 140年余りも前のことですから、 T・S・エリオットだって随分昔の人です。 ましてや本書だって、 現代の小説を読むように接するのは無理というもの。 でも、本書は推理小説−−それも、長い長い推理小説として とても有名な小説であり、 読んだことはなくとも、題名だけは知っているという方が かなりいらっしゃるのではないかと思います。 かくいう私もそうしたうちの一人でしたが、 このたび意を決して本書を購入し、読破しました。 インドの秘宝<月長石>が ヴェリンダー家というイギリス上流階級の家から 忽然と姿を消し、 その行方を追っていくという物語ですが、 複数の関係者が交代で手記や日記などで 事件の顛末を証言していくという形式を取っています。 読んでみて思ったのですが、 文章は意外と読みやすく、 登場人物が個性豊かに描き分けられていて、 当時の上流階級社会を垣間見ることができます。 ただ、推理小説として見た場合はどうかというと、 あまり期待しない方がよいかもしれません。 宝石の盗難という事件は扱っていますが、 現代の私たちの目から見ると、 ミステリ的要素は薄いといえましょう。 本書は秘宝を巡る大河小説として 読むと良いのではないでしょうか。 現代の小説と違い、ゆったりとした物語展開ですので、 それに合わせて腰を据えて じっくりと読書の時間を楽しむのに 適しているのではないかと思います。 | ||||
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T・S・エリオットが 「最初の、最大にして最良の推理小説」と 絶賛したとされる本書。 −−といっても、 そもそもT・S・エリオットって誰? という方が多いのではないかと思われます。 何しろ本書が執筆されたのは、1868年。 140年余りも前のことですから、 T・S・エリオットだって随分昔の人です。 ましてや本書だって、 現代の小説を読むように接するのは無理というもの。 でも、本書は推理小説−−それも、長い長い推理小説として とても有名な小説であり、 読んだことはなくとも、題名だけは知っているという方が かなりいらっしゃるのではないかと思います。 かくいう私もそうしたうちの一人でしたが、 このたび意を決して本書を購入し、読破しました。 インドの秘宝<月長石>が ヴェリンダー家というイギリス上流階級の家から 忽然と姿を消し、 その行方を追っていくという物語ですが、 複数の関係者が交代で手記や日記などで 事件の顛末を証言していくという形式を取っています。 読んでみて思ったのですが、 文章は意外と読みやすく、 登場人物が個性豊かに描き分けられていて、 当時の上流階級社会を垣間見ることができます。 ただ、推理小説として見た場合はどうかというと、 あまり期待しない方がよいかもしれません。 宝石の盗難という事件は扱っていますが、 現代の私たちの目から見ると、 ミステリ的要素は薄いといえましょう。 本書は秘宝を巡る大河小説として 読むと良いのではないでしょうか。 現代の小説と違い、ゆったりとした物語展開ですので、 それに合わせて腰を据えて じっくりと読書の時間を楽しむのに 適しているのではないかと思います。 | ||||
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黄色のダイヤである月長石の盗難事件を核にして紡ぎ出される物語です。様々な人物による手記や日記によって構成されていますが、最初の老執事ベタレッジによる手記が面白く、一気に引き込まれてしまいました。推理小説として読むと物足りない面があるかもしれませんが、人物描写による魅力がそれを補っています。 | ||||
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この物語は、高名な寺院から動かされなければならなかった月長石が、再び見出され、インドのしかるべき寺院に収められるまでにわたる、800年の放浪の歴史だ。レイチェルの誕生日に消えた月長石の謎を中心に話は進行するが、記録としての形態をとっているため、証言者による日記や回想を元に構成されている。最初は、レイチェルの住んでいるヨークシャーの邸宅の召使頭、ベタレッジの回想。70~80歳の間の老人だが、実直な好人物で、愛読書「ロビンソークルーソー」から啓示を受けるという個性的な性格の持ち主。この章では、ダイヤモンドが消えた前後と凄腕のカッフ部長刑事による、捜査の模様が描かれている。ベタレッジがカッフ刑事と出会い、探偵熱という病気を発見するというエピソードが心和ませる。その後、舞台がロンドンへ移ると共に、語り手が次々は代わる。私が一番印象に残ったのは、ジェニングス医師助手の章だ。イギリス人の父と東洋系の異国の母を持ち、苦難の人生を送るジェニングスだが、ダイヤモンドの謎に関わって、暖かい気持ちを持ってこの世を去ってゆく。紆余曲折を経て、ダイヤモンドが三人のバラモンによって、再びインドの地を踏み、信仰の対象となる場面は感無量だ。長い物語だが、どうでもいいような記述が、後で生きてくるので、心して読むように。 | ||||
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物語の構造としては、事件が終息して後日に各関係者が、当事者視点でそれぞれの体験を証言するという体裁をとっています。それは、月長石盗難の舞台となったヴェリンダー家に仕える老齢の執事であったり、親戚の狂信的なキリスト教信者の女性であったり、顧問弁護士であったり、事件の捜査をした警部であったりします。各々とある人の要請にしたがって回想録を書いているのですが、それぞれ特徴があっておもしろいです。共通して昔日のイギリス貴族的緩慢さと大仰な慎ましさが漂っていて、ほんとゆっくり読書するのに最適ですね。ディケンズに代表される当時の大衆文学の最良の部分を堪能できます。 | ||||
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