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(短編集)
たったひとつの冴えたやりかた
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たったひとつの冴えたやりかたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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たった一つの冴えたやりかたの意味がわかった時の 何とも言えない心の感じがもやもやとくすぶっている | ||||
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SFマニアには物足りない、出来ればハイテクや重厚やひねりのSFを読む前に読んでほしい本 シンプルで正統な物は子供の頃に読むべき 自分も中学生くらいでこの本を読んで共感したかった 何故か昔にやってたアニメ世界名作劇場を思い出した そういう感じの話 | ||||
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表題の最初の話だけのレビュー。 レビューをみて購入きめてワクワクして読んでみたけど、 私にはウーン…なんかモヤる、となった。 図書館で異星人がヒロインの本を読む下り、機器の操作の描写などは まわりくどく感じたり、堅苦しかったり、ちょっと倦厭してしまった。 こういった描写が醍醐味なのかもだけど。 では、内容の感想。 私は主人公の女の子に共感できず泣けなかった。 実際にいたら関わりたくないし、友達になりたくないな。 宇宙に飛び出す独りよがりで周り見てない身勝手さが気になった。 頭良くてしっかり者で優しい子は、こんなバカなことしないよ。 少なくとも私の周りではそう。 あと、ヒロインの言動が淡々としていて、喜怒哀楽も人より 欠如してる風にみえて、なんだか冷たく感じた。 「しっかりしてるから」っていえば聞こえはいいけど。 友人エイリアンに対しても、本人はそのつもりなくても 自分の命がかかってるのに、お人よし的な感じ?だし。 周りの事は考えないのに、いきなりの友達?に対しては真逆。 余計に偽善的に見えちゃったりしなくもない。 最後も、ホントは生きられたのに人類のために犠牲に、という 流れでもなく、死は確定事項だったわけなので。 涙を誘うといわれてるのも、なんか少し違う気がする。 普通だったら、頭もよく行動力あってサバサバしてる人って 好感持てるし好きなんだけどな。 誰かに迷惑かけない限りは。 でも、このヒロインはいくら頭よくたって、 人類や友達のこと考えたって、そもそも両親や周りに迷惑を かけるとかは本気で理解してないし、気にしてない。 両親に謝る言葉も一切ないしね。 全く後悔してないゆえの行動なのかもだけど。 自分の探求心が一番でもいいけどさ。 もっとやり方あったよねと思うし、冴えてないよ。 成人して正規ルートで探査チームに入るとかさ。 私には無鉄砲で単に自己中な人にみえてイライラした。 そんで勝手な行動をした結果、お涙ちょうだい的な哀しい結末に。 (悲劇まっしぐら、と読んでて先が分かりすぎたし) でも、そこでも違和感。 生きたい、やりたいことがもっとある、仲が良い親がいるっぽい、 もしかしたら周囲にも親密な人たちがいるかも?…だとしたら、 あんなアッサリ淡々と即断即決、サクサク悲劇に進むかな? なんだか納得がいく心情描写が少ないためか、あまり胸に届かなかった。 SF小説って専門的な描写や淡々とした描写が常かもしれないけど。 そのせいだとも言えないような。 (でも、最近よんだ他のSFは心理がちゃんと理解できるように 描写してあって、ちゃんと感情移入できた) 人類からみれば英断だろうし、友達エイリアンとの友情アツイ!となり そこだけフォーカスすれば、切ない!ってなるのかもだけど。 でも読んでて、全体通して根底ではずっとモヤモヤしてた。 ヒロインの持ち前の強さや潔さのせい?で彼女の怖さや不安を あまり感じず、淡々とした感じにみえちゃう。 頭よすぎてサバサバしてるのはいいけど、もっと葛藤とかさ… もっとこう、複雑な心情とかさ…もちょっと人間味ほしいよ。 泣けないのは人間じゃない、と言われてる作品だそう。 そうなんだ…ビックリだ、、 …作者さんの最後を知って、また色々考えた。 死を伴うあまりにも強固な意志において、そういった意志を持てる人なら その生きざまやプロセスにおいて、人様に迷惑かかろうがなんだろうが もう色々と超越してしまうかも。 そんな確固たる意志をもてる作者さんがこの小説を書いたって考えると、 その頃もう自分の幕引きを悟っていたなら、こう突き抜けたヒロインが できあがるのは納得かも。 あと、想像力が豊かすぎると、もしかしたら死に対して、そこまで 世間一般でいう恐怖や不安レベルまで感じないのかもしれないな、って。 | ||||
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主に表題作についての感想です。思いっきりネタバレしますので未読の方は読まないでください。 発想とか展開自体は面白いと思うのですが、著者の泣かそうと言う意図を感じて不快でした。 いや、泣ける話じゃねーだろと思っちゃって。 途中からおかしいなとは思ってたんですよ。全く感動する様な予感は無く、寧ろ何か恐ろしい結末に向かってるような気がしていたから。そしたら案の定ですよ。 天真爛漫な少女が無鉄砲な宇宙旅行に行った挙句脳内生物に脳を食い破られる話に感動しろって? 面白い作品だとは思うけど、これで泣けたとか言う読者にはついていけない。どちらかと言うと恐ろしい話では?何だったらSFホラーと言っても良いと思うが。 「これで泣けなかったら人間じゃない」? 逆にこれを泣けるとか言っちゃう人間の方がどうかと思いますわ。 多分少女の最後の自己犠牲について泣けると言いたいのだろうけど、取って付けたような理由で少女の死を正当化してるようにしか思えません。 そもそもこの少女がこんな目にあったのは世の為人の為ではなく、親に内緒で無鉄砲な旅に出たからな訳で、その結果死んで親を悲しませる事に対してこの子最後まで謝罪の言葉すらないんですね。 「パパ、ママ、愛してます」じゃねーだろ。ごめんなさいだろ。 少女は最後人間にとって脅威をもたらす脳内寄生生物と共にその付近の太陽に突っ込んで死ぬのですが、その自己犠牲の精神には歪なものを感じます。 あの状況下で他に方法が無いのは分かりますが、たった一つの冴えたやり方とは思えません。 親に無断で旅に出ない、と言う常識的な選択肢を取らなかった結果起きた状況なので。 しかも腑に落ちないのはこの最後、作者もまたこの話を泣ける話として片づけてるような描写がある事です。 SF作品には出版社や映画会社が作者の意図をねじ曲げて、原作を単純なお涙頂戴作品として宣伝している作品が多々ありますがこれはそれらとはちょっと違うように感じます。 あとがきで、この著者の死を知りましたが、それで納得いった気がします。 その死に対して「その苦しみについて考えたら単純な罪悪では語れない」とある人は言うかもしれません。 しかし私に言わせればそれはあべこべな考え方だと思います。 逆にその最後の選択は、著者がそれを単純な正義と考え自分の行動に酔っていたからこそああいう行動に走りこう言った独善的な話を描いたのでしょう。 私にはそれが「たった一つ」で「冴えたやり方」であるかどうか考えるだけの視野を持たず、自己犠牲の精神を無条件で単純なお涙頂戴にしている作者の姿勢はどうも独善的であり嫌悪感すら感じます。 どうしても好きになれない作品です。 | ||||
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単なる物語として読んだら面白くもなんともない、ライトノベルと大差ない凡作である。1985年の発表以来、SF入門書として特に日本で読み継がれている理由はおそらく他にある。 本作が書かれた時、作家の夫は老人性痴ほう症におかされていた。その翌々年、かねてからの夫との約束どおり夫をショットガンで射殺、自らもその銃で頭を撃ち抜き自殺した悲劇をふまえて読むべき予告的作品である。 おそらく主人公コーティの脳に寄生したエイリアンは、作家の夫の脳をおかしていた病巣のメタファーであり、小説に書かれている“たったひとつの冴えたやり方”とは、無理心中という“たった一つの解決法”を意味するのではないか。 夫の病気がこのまま進行すればそれ以外他にとるべき手段のないことを、心臓疾患の持病があったティプトリーは予感していたのではないだろうか。 大学在学中に中絶手術を受けたせいで子供を生めない体になっていたティプトリーは、男性名で小説を書き続け、母親の死亡記事がきっかけでようやく女性であることが判明したという。 本作における性描写(交尾)や、胞子をばらまこうとするエイリアンの本能に作家自身の嫌悪感が滲みでているのも、そんな作家の実人生とけっして無縁とはいいきれないであろう。 コーティーのサクリファイス的決断に対し無批判に賛辞を送る科学者たち。くじけそうになる心中の意思を自ら鼓舞し続けた作家の“痛み”が伝わってくる作品である。 | ||||
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60末~80年代初頭に書かれた数々の短編の衝撃を期待する人にとっては大甘の作品である。 「愛はさだめ、さだめは死」 「故郷から10000光年」 「老いたる霊長類の星への賛歌」などの傑作群を期待して読むと肩透かしを食らう。 私見だが、これは老齢になった著者が十代の少年少女のために書いたんじゃないだろうか? 初期作品の凄さと比べてしまうと「まあ子供向けだね」としか反応できない。 これと世界観を同じくする長編「輝くもの天より堕ち」は全く子供向けじゃないのだが・・・・ あまり小説を読まない人たちがタイトルの語呂の良さで有名な本書だけを読んでティプトリーの作風を誤解しないように書いて置く。 SF界での高い人気の理由は内容が非常に過激だったからである。 若い頃から高い知性と才能の持ち主であったティプトリーは母親と仲が悪く、家出して画家になる。 それから第2次世界大戦の時に陸軍に入隊。 戦後、同僚と結婚して退役するが、軍は優秀な者を簡単に手放したりしない。 軍の要請で嫌々ながらもCIAの設立メンバーとして活動しなければならなくなる。 数年後、なんとか逃亡同然に引退。 その後はジャーナリストを目指したり養鶏場を経営したりする。 それから科学者を志して大学に入り実験心理学を学んだ。 だが博士号を取ったあと、それまでの無理が祟って心臓病を抱えてしまう。 長年の努力が実って学問的キャリアの頂点に向かおうとした矢先に研究者を引退しなければならなくなってしまったわけだ。 そこで、やったのがSF小説を書くことだった。 匿名で破茶滅茶なスラップスティック・コメディを書き飛ばした(どうも、ストレス発散か、やけくそ半分だったらしい)。 ティプトリーは十代の頃からSFを読んでいたからだ。 60年代の末にそれらギャグ短編(『セールスマンの誕生』など)がいくつか雑誌に載ったあと、科学的でありながら同時に極端に暴力的・性的・政治的な作品を次々に発表してアメリカのSF界の度肝を抜いた。 ティプトリーは容赦なく性と暴力を描きながら人類を根底から批判し、スラップスティックを書いてファンを笑わせた。 どこの世界でもパワフルで個性的な人物は生きる伝説になる。 内容の科学的高度さと性的過激さ、それに圧倒的な小説技巧によって、ティプトリーはハーラン・エリスン、ジョン・ヴァーリー、サミュエル・R・ディレイニー 等と同様に恐れられ、尊敬された。 しかしながらSFファンだけではなく作品を掲載している雑誌編集者たちですらジェイムズ・ティプトリー・ジュニアには会った事がない。 彼らは協力しあって本人に会おうとするが、デビュー作から10年近くの間、彼は謎の男のままだった。 1977年、前年の母親の死を伝えた本人からの手紙からファンたちの情報協力によって遂に彼の正体が突き止められ、62歳の女性心理学者:アリス・ブラッドリー・シェルドン博士である事が暴露される。 誰もが作品の内容からアウトドア派の筋肉質な軍人タイプの男を想像していたためにSF界だけでなくフェミニズム思想家たちの間にも衝撃が走った。 若い頃のアリスが銀髪の美女だったのも大きな話題になった理由だろう。 「たったひとつの冴えたやりかた」に入っている作品は1985~86年に書かれている。 すでに70歳だった訳だから過激さには飽きてたのかもしれない。 | ||||
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SFならではのこ難しい設定や説明が少なく、物語としてすらすら読めました。 あまりSFを読まない人でも抵抗なく手に取れる本だと思います。SF好きにはもの足りないかも? 名作とまでは思えませんでしたが、素敵な物語でした。。 | ||||
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宇宙飛行士なら、自分が異星の未知の病原体に冒されたらそれを食い止める手段を講じなければならないのは当然。 コーティは宇宙飛行士として当然の行動をとったまでのことだ。 若い女の子だからかわいそうに思うだけ。 だからナイーブな読者諸君よ、何も泣くことはない。 最後の「衝突」がいいので大盤振る舞いで星三つ。 | ||||
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